いろいろやってみるにっき

てきとーに生きている奴の日記

古いエントリのサムネイル画像がリンク切れになってたりするけど、チマチマ修正中


少し動きがあったビッグモーターの件(まだ逃げ切れると思ってる)

少し状況が進んだが、オレの意見としてはまだ逃げ切れると思っているビッグモーター。それは最後にまとめとして書く。

shigeo-t.hatenablog.com

 

動きは2つある。

 

まずは分かりやすいほうから。

www.kobe-np.co.jp

これはそうだろうな。普通は出演者の不祥事で降板というパターンだが、今回は企業側の不祥事である。普通の企業は不祥事がある(あるいはその疑いが掛けられている)場合、企業側から広告取りやめするのでほぼ起こらない事象である。でもビッグモーターは問題発覚後もバンバンCM流している。そりゃ出演者は解除して欲しいだろうな。

 

これ佐藤氏が降板したあとも何かCM作って流すようなら、なかなかのものである。褒めてはいないがレピュテーションマネジメント的には正しい。他の経営リスク(訴訟リスク、行政指導など)を考慮した場合、必ずしも正しいとは言えないが。

 

保険の方も少し話が見えてきた。

www3.nhk.or.jp

「ビッグモーター」は、18日に保険金の請求にあたって、故意に車に傷をつけたり、必要がない部品を交換したりするなどの不正な行為があったことを認めたうえで、保険金の水増し請求などについて7月16日時点での調査結果をホームページで公表しました。

それによりますと、去年11月以降に保険金を請求した8427件を調査した結果、15%余りにあたる1275件で保険金を水増しして請求していたということです。

この問題で損保各社は、会社に対して払いすぎた保険金の返還を求めていますが、契約者が必要がない保険を使ったことで、保険の等級が下がり、保険料が割高となっているケースもあるとみて、会社側に情報の提供を求めながら調査を進めています。

 

今回は企業サイトのトップのニュースリリースのところにリンクがある。ブログカードは全部共通なので相変わらず中身が表示されないが。

www.bigmotor.co.jp

 

2023/7/16現在 損保各社合計
調査状況 調査件数Ⓐ 8,427件
金額Ⓑ ※ 2,112,363,979円
再協定状況 再協定件数Ⓒ 1,275件
件数割合Ⓒ/Ⓐ 15.1%
総額Ⓓ 49,952,936円
一件あたり平均額Ⓓ/Ⓒ 39,179円
金額割合Ⓓ/Ⓑ 2.3%
返金状況 返金件数Ⓔ 177件
件数割合Ⓔ/Ⓒ 13.9%
総額Ⓕ 6,617,865円
金額割合Ⓕ/Ⓓ 13.2%
残金額Ⓓ-Ⓕ 43,335,071円

※7/18 18時に掲載しました数字に誤りがありましたため、19時時点にて修正を致しました。

なお、自主調査は継続して行っており、調査人員を増やし早期の全容解明に努めてまいります。
なお、調査結果につきましては随時公表を行ってまいります。

 

7月20日 4時時点でこれが最新なのだが、再協定状況が返金対象として抽出されたもののようだ。調査件数Ⓐが対象期間全てをカバーしているのか、まだⒶの件数も詰みあがるのかは調査対象期間の記載が無いので分からない。

 

また、この調査件数Ⓐの範囲が代理店契約している損害保険会社のみなのか、入庫車全てが対象なのかも記載が無いので分からない。

 

もう一つ分からないのは、この項目。

  1. (2) お客様対応

    不適切行為が認定された保険金請求については、引き続き速やかにお客様にご連絡させていただき、再修理及び返金を行ってまいります。
    (返金状況については、上記の表をご参照願います)

保険会社とは再協定できるだろうけど、顧客とは再協定って呼ばないだろ。訴訟起こされたって話も聞かないし。表に含まれているような書きぶりだけど、返金額比率はどうなんだ?全額保険会社負担の修理なら保険会社に返金で済むけど、免責分を顧客が払っている場合は双方にそれぞれの支払額の(不正該当部分の)返金が発生する。全額顧客払いの場合は(不正該当部分の)返金は全額顧客宛になる。この報告ではそこが分からない。

 

今見えている5,000万円弱くらいなら、ビッグモーターの売上・利益規模からしたらかすり傷にもならない。ネットなどで見た話(真偽不明)だとノルマ15万円/台みたいな話が出ていて、それなら不正額は平均10万円くらい行くかと思ったのだが。一件あたり平均額Ⓓ/Ⓒが4万円弱なので件数増えても影響小さい。

 

記事の方の下記部分のほうはこれからだろう。

この問題で損保各社は、会社に対して払いすぎた保険金の返還を求めていますが、契約者が必要がない保険を使ったことで、保険の等級が下がり、保険料が割高となっているケースもあるとみて、会社側に情報の提供を求めながら調査を進めています。

 

こちらは各保険会社が事務コストを掛けて等級の変動有無、等級が下がらなかった(据え置きにならなかった)場合の試算と、現在徴収している保険料との差額などを調べる必要がある。NHKがニュースを打つくらいには問題が顕在化しているので、申し出のあった契約者のみという形は取れず対象全件実施するだろう。

 

これ、難しいのは経過年数によってはかなりの額になりかねない。自動車保険の等級はずっと最高等級に張り付いている契約者はそんなに大きな差額にならないかもしれないが、等級が低いと保険料は結構高くなるし、それが毎年引き継がれていく。ざっくりな例で言えば、事故が4年前で3年間不当に等級が低くなっているとすると、3年前に3万円余分に払い、2年前には2.5万円余分に払い、1年前には2万円余分に払い、今年も1.5万円余分に払うみたいに積みあがっていく。

 

こちらもビッグモーターが負担すると仮定すると、法的にどういう建付けで求償するのか。保険金詐欺として訴え出るのか、協定を結んで求償するのか。

 

いずれにせよ、まず差額の算出でも全件(現時点でⒸ1,275件)合意が必要だろう。今後増えるのであればそれも含めて。再協定の総額Ⓓで賄われる部分もあるし、単純には決まらない。

次に、保険会社に発生する事務コストは請求できるんだろうか。本来的にはこんなに組織立って大量の不正は起きないので、想定されている調査事務の予算を超えている可能性が高い。

 

直接的なお金の話は、情報が更新されないとこれ以上分からないのでここまで。

 

謎なのはアジャスターは絡まずビッグモーター側の言い値で保険金が決まっていたのかどうか。

ja.wikipedia.org

アジャスターとは、損保協会に加盟する保険会社の「保険事故」の損害調査業務を行う者で、同協会にアジャスター登録された者を言う。

技術アジャスター :「保険事故」に関し、損害車両の損害額、事故の原因および損傷部位と事故 との技術的因果関係の調査確認ならびにそれらに付随する業務を行う。

 

車検・整備など事故じゃない入庫の場合はアジャスターは関係ないけど、自損事故でも保険事故ならアジャスターが査定するという認識だったのだが、違うんだろうか。それともアジャスターもビッグモーター側の人間で好き勝手に保険金の額を設定できる(設定しても保険会社に分からない)ような仕組みだったのか。損保会社の損調(損害調査部門)は何やってた?しかも各社。

ここは、本来であれば報道機関がツッコんで取材すべきポイントではないか。ビッグモーター内でこの不正を発生させるメカニズムもそうだけど、なぜ損害保険各社は防げていない?

 

ということで、まとめ。

報道機関はまともに取材していない。NHKもご覧の通り発表された資料をそのまま垂れ流しているだけ。自動車保険の仕組みが分かっている人間が書いた記事には見えない。最低限(ほんとに最低限)、今回オレが書いたレベルの話ができないのであれば突っ込んだ話にならない。なんか、なんで報道する側はプロを用意しないんだろう。報道機関内にいないなら、きちんと対価を払ってプロにお願いすべきではないか。

車種に偏りあったら料率クラスにも影響出る可能性もある話だよ、これ。そしたら全くビッグモーターに関係ない人にも保険料として悪影響が出る。

 

直近の業績は非上場企業なので分からない。表に出ている数字と異なる実態がある(つまり業績悪化とか)なら、今回の件が後押しになってしまい逃げきれない可能性はある。

 

CMの今後は不透明だが、多分佐藤隆太氏は円満降板(あるいはなにか補償あり)までは話が進む。そうなると今みたいにバンバンCM打っているから報道しにくいという状況ではなくなる可能性もあるが、出演者無し(声優・ナレーターなどが声だけ出演・クレジット無し)でCMを打つ可能性も捨てきれない。というか、それくらいやって来そうな気がする。野次馬的にはやって欲しいw

 

前回も書いたが人生のイベントとして考えた場合、ビッグモーターを選ぶかどうかはほとんどの人には関係ない話である。興味が続かない。ビッグモーターに限らず何かあったら叩きたいという病的な人間を除けば関係ない話である。

車の売買なんて人生の中でも数えるほどしかない。ふつーの人は。たまたまそういうイベントの最中の人はビッグモーターの悪評を知っていれば避けるだろうけど、ヘタすると今回問題になっているニュースに触れていなければCMでよく知ってるしで選ぶ人もいるかもしれない。

上場企業であれば株価に影響するし、ファンド系などの大株主からの責めを負うかもしれない。でも非上場。どのような株主構成なのかは知らないけど、4億50百万円の資本金の大企業であっても多分株主は抑えられる。

 

そして何かあったら叩きたいという病的な人間対応として、社長や役員報酬の返上がある。デコイとして。

 

時事系YouTuberとか逃亡って喜んでいるけど、簡単に食いつき過ぎ。こんなもの、非上場の私企業にとっては簡単に実施できる。実施したかどうかも、捜査せずに把握できるのは税務署くらい。税務署は税務処理上変なところが無ければ文句を言わない。

役員は3か月一定割合の返上、社長は1年全額返上だけど社長は1年無報酬でも配当だけでも食っていける。元々困らないだけ持ってると思うけど。こういう小手指じゃなかった小手先の話に引っ掛かるからチョロい。

 

詐欺罪とかで社長や役員が送検されるような事態も、現在明らかになっている情報では無理でしょ。保険会社などが保険金詐欺などで訴えたら、初めて可能性が出てくるレベル。保険金詐欺って受取り資格がないのに保険金を受取る行為。余分に受取ろうとするのはどう判断されるのか。上に書いたアジャスターの話などで相殺されかねない。調査結果に「再協定」なんて単語が出てる時点で損保会社も金返せばいいよレベルで進めていると考えられる。

経営者から逮捕者出すなら警察・検察が相当頑張らないとムリだよ。現時点の状況では。それにビッグモーターは検察が頑張りたくなるような巨悪でもない。よくある小悪党が大規模だったレベル。

 

こうなると、話題にならないように調査結果をチョロチョロ出して損保会社と円満に握って話を収拾していけば、いつかは忘れられる。非上場だし。

 

こんな直撃取材、意味無いって。どうせ突っ込んだ話にはならないし、よほどのバカじゃない限り問題発言しないし。何かあったら叩きたいという病的な人間とTV局くらいでしょ、これで仕事した気になるの。

www.youtube.com

 

もちろん報道されることで今回のような悪いイメージは付いたが、報道をしっかり把握している人なんてほんの一握り。その分業績は数年間悪化するだろうがCMをバンバン打っていけば「CMがよく流れる→いい会社」みたいなライト層は騙せる。

 

ということで数年単位で考えて行けば、ビッグモーターは逃げ切れるという予想。

 

続きはこちら。

 

shigeo-t.hatenablog.com

shigeo-t.hatenablog.com

shigeo-t.hatenablog.com

shigeo-t.hatenablog.com

 

shigeo-t.hatenablog.com

shigeo-t.hatenablog.com

shigeo-t.hatenablog.com

shigeo-t.hatenablog.com

shigeo-t.hatenablog.com

shigeo-t.hatenablog.com

shigeo-t.hatenablog.com

お時間あったら、他のエントリもクリックして頂ければ幸いです。