いろいろやってみるにっき

てきとーに生きている奴の日記

古いエントリのサムネイル画像がリンク切れになってたりするけど、チマチマ修正中


損害保険会社にとって代理店とは

ビッグモーター関連の事件では、損保ジャパンが中心という見立ては何度か書いたと思う。今回は記事の解説。

 

ここまでのエントリー

全件は多いのでいくつかピックアップ。それでも多い。まあ、ガセ飛ばした🍆さんはネットで検索してもらうとオレが指摘した件以外でもなかなかの逸材であるとわかる。わざわざ深淵を覗き込む必要は無いけどw

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記事紹介

今回はこの記事。(オレ)期待の中村記者の記事。

toyokeizai.net

 

これまでの中村記者の記事一覧を見れば分かって書いているんだと思うんだけど、これ「なぜ損害保険業界(損保業界)が代理店を優遇するのか」の根幹が書かれていない。

toyokeizai.net

 

書かれていない背景

既知の条件として扱ったのか、読めば類推できるでしょという扱いなのかは知らないけど、今回記事や記事一覧を見れば分かっている記者が書いていないというように読める。あえてなのか、誌面の都合なのかは知らない。

 

そこで今回はそこをあえて書く。

 

損保業界にとっての代理店

これからオレが書く話は、いわゆる「門前の小僧習わぬ経を読む」という奴である。客が損保業界だったから代理店システムとかを統括すれば当然のように知ることができた話(誰でも知ることができるとは言っていない)。

 

他業界における代理店は同じかどうかは知らないけど、損保会社にとっての代理店は契約者よりも大事な存在である。多分、他業界では「ウチの商品を扱わせてあげているよ」という扱いのところもあるかもしれない。また、自営で津々浦々まで全国展開するのはキツいけど、代理店も含めればカバー率上げられるよねみたいな考えの業界もあるかもしれない。それぞれその業界を知悉する人にとっては「ああ、あの業界はそうだね」ってなると思う。

 

オレが損保会社担当していた頃は、ガチで損保業界は代理店による販売が完全に主流で、直売(わかりやすく言えばネット通販とか)は黎明期だった。金額的なシェアでは損保会社が直接販売に関わる対企業の保険も大きいけど、そこも本当に直でやる契約もあれば、便宜的に顧客企業側に代理店を立ててもらってその代理店扱いにするみたいなものもある。その件数は、一般向けの自動車保険や火災保険などとは比較にならないほど少ない。1件あたりの金額がバカでかいので金額的なシェアは大きい。物理的に誰でもわかる奴でいえば、保険会社名が「〇〇海上」だった保険会社が得意なマリン関係である。デカい船ってデカいよね。

 

と、十津川警部ww鉄道以外にも手を出してたwwwww

 

前にも書いたかもしれない聞いた噂話をちょっと書いておくと、(昔の)○○海上の本社や主要施設前には噴水や池などの水を張った施設があるけど、○○火災にはそれが無いって話。実際にオレの実体験的には納得感があった(当時)。統廃合が進んだ今ではもうわからないと思う。

 

損保代理店の話に戻す。それぞれ買った(契約した)ことある人にはわかる話だが、自動車保険はディーラーや中古車販売店(例えばビッグモーターだった会社とか)が損保会社の代理店になっている。家に関して言えば持ち家でも借家でも不動産会社経由で火災保険・地震保険契約した人が多いと思う。

 

オレが上に「読めば類推できるでしょ」と書いたのはここである。まあ普通に背景を考えればディーラーなり中古車販売店、不動産会社は客を持っている。しかもリアルガチで。

 

他業界と損保業界では代理店の扱いは異なるかもしれないと書いたのはここである。自動車や不動産などの契約は契約者個人を押さえている。不動産などは保険契約を付帯させるための一定の強制力を持たせた契約も有り得る。自動車も自賠責なら保険会社気にしないし。名前を明かさずに購入できる商品の代理店とは違う。他業界の「次はその店で買ってくれるかどうかわからない店」とは違う。

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そういうわけで、損保会社にとっては代理店はお客様以上の存在である。神様以上の存在だと思えば記事タイトルにある「断ち切れない代理店への過剰な忖度」も当然である。あ、このエントリでは「お客様は神様です」は三波春夫氏の気持ちの持ち方の話でお客様が神様だという話はしてないです。

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おまけ。保険業界ではなく損保業界と書いてきた。生命保険業界(以下生保業界)もネット通販が一定のシェアを持ってきたけど、旧来からの生保会社は営業職員(営業社員ではないことに注意)による生命保険販売が主だった。オレ世代なら知ってるCMはこちら。

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ニッセイのおばちゃんは日本生命の正規社員ではなく、いわゆる契約社員である。一人で生保代理店やっているようなものである。なので、金融ビッグバンの時にはそういう生損保全部扱える契約に移行した人もいたらしい。能力の高いおばちゃん(おばちゃんとは限らない、年齢的に上方向にも下方向にも性別的にも)にはおいしい話だし。

 

古いエントリを紹介。あなたは生命保険会社社員かもしれない。

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損保がモノに付いてくる保険であるのに対し、生保はヒトに付いてくる保険なので日本の保険が損保は代理店、生保は営業職員という形の販売だったのは一定の合理性がある。なお、中間に第三分野保険というものがあって(長くなるので以下省略)。

 

記事の信頼感

オレは中村記者は分かって書いている記者という信頼をしている(そうじゃない記者、記事が世の中には多過ぎる。🍆さんとかw)けど、それを裏打ちできる部分を引用。

その1つが、「社員代行」と呼ばれている行為だ。社員代行とは、代理店が人件費(出向負担金)を支払わずに、損保会社から社員を事実上出向させて、代理店業務を代行させること。自社商品を優先的に販売してもらおうと、損保が代理店に対してあの手この手で行う過剰な便宜供与の象徴でもある。

 

損保協会の募集ガイドでは、行ってはならない便宜供与の具体例として「特定の代理店に対して、出向負担金なしで保険会社の社員を出向させ、保険募集を行った」と記載している。2月の改定で追記されたばかりの項目で、対応の優先度は高い。

 

「出向」である。オレオレ統計では特に客先で働くことが多いIT系で誤用が多い単語である。

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IT系とかだと派遣じゃなくて単なる現地常駐を出向と間違っているケースも多い。なんで出向とか言いながら所属企業そのままやねんw

 

代理店が販売する形態の保険商品の場合、損保会社の営業社員は契約行為を完遂できない。いや、そもそも起案できないかな。あくまで代理店に処理してもらう必要がある。その商品が金融庁の許認可を得るときもそうなっていたりする(らしい、許認可は関わったことないから知らん)ので、手続き的に勝手に変えることはできない。そういうわけで出向である。籍は一応その代理店にあるという体裁にする。その代理店の人が契約の手続きをするのであれば(よく見なければ)問題無い。

 

最後に一応記事にツッコミ

これはあえてツッコミどころを作ったのかと思うのだが、PCで開くと3ページ目。

そのディーラーは複数の販売店を展開しており、損保大手各社の首脳が定期的に挨拶にうかがうほどの有力企業だ。損保との取引は、トヨタとの関係が深いあいおいを中心に、東京海上日動火災保険三井住友海上火災保険の3社で9割超を占めていた。

 

しかし今年初めに突如、同ディーラーは約3割の契約シェアを持っていた三井住友海上に対して、事実上の取引打ち切りを宣告した。さらに同ディーラーの代表者は、三井住友海上自動車保険を優先的に販売する「テリトリー店舗」を、すべてあいおいに変更すると明言したという。

他社はともかく、MS&ADやん。まだそれぞれ独立した企業だし、仮に同じ企業内でもA支店からB支店に担当替えなんてあったら現場は大変だろうけど、MS&ADやん。

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