8月現在の話である。
最近の新卒さん
— chanco@ 損柱 (@chanco09751990) 2024年8月3日
「少しは自分で考えろ」って言われるのがめちゃくちゃ嫌いらしい。
「考えてやってもどうせ怒られるし時間の無駄なんだから、最初から一番最適化されたマニュアルをよこせ、それがお互いにとって一番良いだろ」とのこと。
…めっちゃ正論😂
4月に入社して8月初旬だぞ。満4か月。
1日で把握できるような簡単な単純作業だけを「新卒さん」には割り振らないと思うので(いや、そういう企業もあるかもしれないが)、どんなシチュエーションであれ「少しは自分で考えろ」という時期じゃないだろ。
前にも書いたけど、バイトにさえ言う職場があるらしいので、驚きは無い。
そもそもアルバイトが従事する作業みたいに、マニュアルがあってしかるべき労働において、初手から「とりあえずやってみて」「まずは自分で考えて」という指導がおかしい。そりゃ忌避されるべきものである。サンプルが悪い。今の若者じゃなくても嫌われる。
今回は「新卒さん」らしいので、少し状況が異なる。しかし一般的な日本の職場(企業だけじゃないからね)では、まず職務分掌規程を文書で提示しない。職務分掌=ジョブディスクリプションである。あと、こういうセリフが出るのはオフィスワークだと仮定する。「新卒さん」がガチ配属される現業部門でコレなら、すぐに事故起こすって。
つまり、「新卒さん」の近くで働いている同部署の1~数年年次が上の先輩、隣の部署の人、作業や連絡上の関係がある他部署の人といった関係する同レベル、ちょい上のレベルの人との関係性を把握し終わったくらいだろ、研修期間があると考えると。ジョブディスクリプションを提示してくれないので、OJTである。マニュアルがあるとしても、結構そういうところは抜け落ちがあるものだし。それは、ガチの業務システムの要件定義を準委任で請ければわかる。きちんとした企業でも客側の要件定義はほぼ使い物にならない。抜け漏れを埋めるために質問しても、既存の文書ベースのものは出てこず、資料が無いからと新作が来るか口頭である。口頭の方が多い。
流石に同部署上長と「新卒さん」の分掌が異なるのは、言われるまでもなく分かると思う。いや、分かると思う(ちょっと不安になる過去の記憶が……w)。
前に大学生について「正解を当てに行くのは問題」って書いたけど、日本の新卒就職制度のもとで8月に「少しは自分で考えろ」が出てくるのは話が違う。
「少しは自分で考えろ」っていう対象が分からないので、まとめ内から抜粋する。
これ「考えろ」って言う方が多分雑くて、「考えろ」って言う人に大体ありがちなのが、
— 耳かき中毒 (@junkydranker) 2024年8月3日
「少し考えたらこれくらいわかるよね?次からは気をつけてね」
で済む範囲の考えろと、
「いやこれは少し考えたら俺に判断求めないとダメやろ。なんで勝手に行動したん?」
ってやつをごっちゃにして言いがち。 https://t.co/3frcpIt2f0
8月であることを考えれば、どちらも「考えろ」は不要である。考えた結果がミスを生む。まずは考えなくても正答に行くシステム化(IT使えとは言っていない)が必要。
リプにも大量にあるが、「正解渡すと正解しかやらなくなる」。最近の若い子たちの"考え下手"には理由がある。親や教師・授業内容から考える機会を奪われたのが原因。正解だけ教えられるのが当たり前なのだから社会に出て思考停止になるのは当然。効率だけを追い求めた教育の敗北とも言える。 https://t.co/mtWMZxubnc
— 旅するたかさん PCXをペシックスと呼び隊 (@Pep_up_person) 2024年8月4日
「正解渡すと正解しかやらなくなる」のどこに問題が?オレの過去エントリに書いたように正解の無い世界はあるが、それとこれとは話が別。
簡単にいうとフェーズが違う。
よく使う例だけど、小学1年生に1+1=2を教えるとして、1+1はなぜ2になるのかという話は小学1年生に考えさせる話ではない。基礎を把握させる時期とそれを発展させる時期は異なっていてもおかしくない。
なお、算数的には1+1は2になるけど、小麦粉1kgと砂糖1kgを合わせたら容積的には小麦粉2kgや砂糖2kgの容積にならないのは小学校卒業時点なら知っている話。粒の大きさが違うからね。
児童・生徒・学生の時期にはまずは「考える」訓練が必要で、今はかなり足りないと思っている。でも、職場に就いてまだ満4か月、今は「考える」フェーズではなくマニュアル完全把握フェーズ、マニュアルの不足分を補うフェースである。次に出てくるのが「なぜマニュアル上はこうなっているのか」を考えるフェーズ。次の「新卒さん」が来るまではここまでで合格点でしょ。
なんかほかにも書くべき話はあったような気もするけど、またいずれ。