タイトルの件、追える範囲で追ってみたけど違うんじゃないかなという感想。あくまで日本語における呼称を追う。
ウイルス名と病名は命名者が異なる。病名はWHO、ウイルス名は国際ウイルス分類委員会(International Committee on Taxonomy of Viruses:ICTV)が決めている。
COVID-19が肺炎についてのみとは読み取れない。
まず検索結果。確かにヒットする。このスクリーンショットを撮った時点ではNHK、朝日新聞、テレビ朝日が「新型肺炎」を使っていることが確認できる。
一方で検索文字列を「"新型肺炎" site:mhlw.go.jp」にしてみる。mhlwは厚生労働省である。つまり厚生労働省が新型肺炎という言い方をしているかどうか。
ヒットはする。しかし防疫を担当している旧厚生省畑ではなく旧労働省畑のものだったり、大臣記者会見の記者の質問だったり。厚生労働省の医政公式としては新型肺炎とは言っていない模様。
それどころか、2番目にあるSARSの記事、PDFを開いて見ると日本医師会雑誌第130巻第5号という文字が見える。Googleの検索結果でも見えているが、SARSの際に新型肺炎という呼称を否定している。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou05/pdf/10.pdf
SARS を「新型肺炎」というように呼ぶことがあるが,肺炎の一種であることには変わりなく「新型ウイルス性肺炎」としたほうが正しい.
国立感染症研究所を調べてみる。やはり新型肺炎という呼称は出てこない。
学会も調べてみるべきだろう。まずは肺炎の専門家、日本呼吸器学会。検索にヒットしない。
残念ながら検索機能が無い。そこでこのサイト内をGoogleで検索。検索文字列は「”新型肺炎” site:www.kansensho.or.jp/」である。1件だけヒットした。1件だけという証拠のために少し下の方までスクショを確保。中国の新型肺炎記者会見会の動画ということで、もしかすると会見会主催者側で新型肺炎という呼称を使ったのかもしれない。日本なら会見の会も会見という表記を使って会見会という言い方をしないし。
とどめはGoogleトレンド。Google トレンドで「新型 肺炎, 新型 コロナウイルス - 日本、2020/01/01~2020/03/14」の 人気度の動向 を見る -
新型コロナウイルスと比較すると差は歴然である。
海外の学会には当たっていないが、とりあえず日本国内においてはメディアや一般人が新型肺炎という呼称を使っていることはあるが各公式筋では使用していないし、Googleトレンドでも歴然である。
つーか、なんでメディアは新型肺炎とか言っちゃうわけ?一般人ならともかく。厚生労働省や国立感染症研究所の基準に合わせるべきではないのか?