いろいろやってみるにっき

てきとーに生きている奴の日記

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緊急事態が終わったあとでもテレワークをもっと活用するには

現在新型コロナウイルスによって通常の社会生活が阻害されている。ソーシャル・ディスタンシングの確保が必要である。

 

今回、オフィスワーク中心の企業ではテレワークを導入したところも多いだろう。今回のように接触を減らすことを目的とし、実際にはあれこれ準備不足のまま実施している企業も多いはず。オリンピックの時にテレワーク、リモートワークを増やすってことで準備し、訓練していた企業はすぐに移行できたかもしれないが。準備していなかった企業はオリンピックはともかく、働き方改革何それだったんだろう。

  

ただ、今回のテレワーク、リモートワークの導入によって、その利点に気づいた企業や従業員も多いだろう。緊急事態宣言の終息ということではなく、新型コロナウイルス禍が終息した後も引き続きテレワーク、リモートワークを多用していくことも選択肢の一つである。今のように完全に引きこもるのではなく、必要な時には出社するという使い分けである。

 

社会としてもテレワーク、リモートワークの定着は望ましいものとなる可能性はある。朝夕の通勤電車の問題、通勤時間の問題、子育て世代のあれこれが解決できる。

一方、なにか問題も出るかもしれない。例えば、企業がオフィスの賃借面積を減らせば不動産市場などに影響が出る。オフィスに通う人が減ればそのオフィス周辺の飲食店やコンビニの売り上げは減る。

また、現時点でも問題はある。いわゆる正社員はテレワーク、リモートワークに移行できても、契約社員派遣社員は契約形態上テレワーク、リモートワーク対象外という話も目にする。

 

そこで考えなければいけないことがいくつかある。

  1. テレワーク、リモートワークにおける裁量労働
  2. ハンコ文化
  3. 社内外のコミュニケーション
  4. 自宅のオフィス化に対する支援・補助など

 

裁量労働

テレワークやリモートワークは一種の裁量労働ということも言える。オフィスにいない分、時間の使い方は決められたミーティング時間以外は労働者の裁量に任される。法制化が話題になった時に書いたのは下記。結局法制化は流れ、今時点では労働者の保護は弱いままである。控えめに言って厚労省のデータに異常値があったくらいで法制化を流した与野党はクソである。

 

専門業務型裁量労働制とは、労働基準法第38条の3に基づく制度 ...というPDFファイルを見ると職種が明記されている。文字で切り出したかったのだが、なぜかこの部分は画像だった。

f:id:shigeo-t:20200413074404p:plain

確かにテレワーク、リモートワークに向きそうな業務が並んでいる。⑤や⑫は無理そうだけど。今後もテレワーク、リモートワークを活用することと裁量労働はかなり共通するものがある。現在は緊急事態なんで成果とかについては明確に決められていない部分はあるだろうが、正式運用となれば成果の評価などについて規定が必要だし、評価について意見の相違が出た場合の係争処理機構は必要だろう。

 

正規雇用の従業員だけでなく契約社員までは裁量労働の契約をきちんとすることで救えるだろう。残る問題は派遣社員。これは法人同士の契約なので、別途考慮する必要がある。できれば契約社員という形態をもっと専門性が高い職種に絞り込んで、それこそテレワークやリモートワークに適する職種のみとし、専門性が低い職種については正規雇用に持っていくほうがいいと思う。

 

ハンコ文化

そもそも社内の手続きのみの話であれば、ハンコは不要のはずである。

同じように紙じゃなければいけないというものも、社内の手続きの身であればほぼ不要のはずである。

 

 職場によっては鍵の掛かっていない場所に置いてある三文判でも押してあればOK、もちろん金融機関のように印影をチェックしないし、お役所関係等のように印鑑証明書を必要ともしない。本人による確認・証明が見なされた証とみなすことができないハンコを重要視しているのはおかしな話である。

今回は準備していなかった企業においては急な話であるが、証跡ということをきちんと考えるなら電子署名だしワークフロー化しておくべきだろう。

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 社内外のコミュニケーション

平時においてテレワーク、リモートワークをもっと活用することを考えた時、もしかするともっとも面倒なのはこのコミュニケーションの問題かもしれない。

みんなが一人前で働いている職場であれば個々の能力を発揮してもらって、マネジメントの主な仕事はコミュニケーションで業務の円滑化を図るという形になるのかもしれない。ところが、例えば入社してすぐの人を一人でテレワーク、リモートワークで働かせることは難しいだろう。じゃあ、その人だけを出社させても問題は解決しない。指導員も出社させることになれば、本来テレワーク、リモートワークの対象者なのに指導員だから出社対象とか、どうしても不公平感は出るし指導員の指名拒否もありうる。これを解決するためには、ビデオチャットや文字チャットを気軽に使える文化を根付かせる必要がある。

弊社ではSlackにおいてあいさつ文「お疲れ様です。」とかは禁止している。最初から要件を書けって話である。また、それぞれがそれぞれのタイミングで書いたり、回答したりということを許容する必要がある。「すぐに返事しないのは仕事してないからだ」などといちゃもん付ける、物の道理が分からないおっさんなどを排除する必要がある。自分の作業に注力していたらチャットにすぐに回答できないだろうが。文字チャットで意思の疎通を欠く時にはすぐにビデオチャットに移行するなど、柔軟な運用も大切である。

上記に加えてもう一つ難しい問題として、SNS慣れしていない人は、チャットアプリを

「自分の都合のいい時間でアクセスできるツール」ではなく、

「会社にいるのと同様、リアルタイムで反応しなくてはいけないツール」

として受け取ってしまうようなんです。

何かメッセージを入れるとめっちゃ早く反応が返ってきて、相手から反応が返ってこないと「在席されてますか?」とか催促したりする。

 

すぐ反応するのはまあ悪いことじゃないんですが、チャットツール上ではしょっちゅうメッセージが飛び交っているわけで、それにいちいち反応していてはいつまで経っても仕事に集中出来ない。

更に、「仕事終わりの区切りをつけにくい」という問題もあって、22時とか23時にメッセージを入れるのはやめて欲しい、といった苦情が出る始末。

そういや、大昔「夜中にメール送るな」って言われたことがあるなあ。携帯電話にメール機能が付いた時分wwその時から進歩が無いwww 

 

社内だけで完結する話ならまだいいが、社外の人も巻き込んで業務を進めている場合、社外の人が入る時はメールとか電話になってしまうと、やはり業務としては進めにくい。文字チャットやビデオチャットですぐにやり取りできる仕組みづくりは必要だろう。

 

自宅のオフィス化に対する支援・補助など

現在は緊急事態ということであれこれ不備はあるだろう。インターネットへの接続帯域が小さい家庭もあるだろうし、使用するPCも十分なスペックの支給品という職場もあれば自宅PC使ってねという職場もあるはず。Twitterで見掛けたのはデスクトップPCを持ち帰らないとテレワークできないというジョークのような話である。

 

物理的なセキュリティを考えれば、職場のデスクトップPCを持ち帰るなんてありえない。持ち帰る最中や家から盗まれたらどうすんの?それに、デスクトップPCはそもそも持ち歩きを想定していないので、職場で動いていたPCが自宅で問題なく動いてくれるという保証もない。

ちょっとお金は掛かるけど、VDI+接続用PCにしておけば、あとはVPNだけですぐにテレワーク、リモートワークに対応可能。

 

ネットワークについても、テレワークやリモートワーク対象者の家には十分な接続帯域を確保する必要がある。金銭面で補助するとか、モバイルルーターを貸与するとか、複数の方策を用意しておかないと、個別の家庭の事情に対応できないだろう。賃貸物件なら速い回線がある物件に引っ越せとか、地域ごとにサテライトオフィスを作るとかアイディアは出せるだけ出した方がいい。

 

あと、自宅に仕事ができる机や椅子が無いとかそういう話も見聞きする。

 これは税金面で必要経費として確定申告でなんとかならないだろうか。

 

とか、色々書いてきたがポスト新型コロナの世界を考えてみるのも大切である。

teletrabajo

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