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てきとーに生きている奴の日記

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チャレンジには報酬リンク #勤労感謝の日

EdgeのMicrosoft Startに記事が出ていたので新しい記事なのかと思って開いてみたら、11月7日か。Microsoft Startからのリンクだとあっさり消えたりするので本サイトから探した。

 

www.itmedia.co.jp

若手を中心に、昇進に前向きではない人は増えています。これは「失敗を恐れる傾向があり、チャレンジに後ろ向き」という観点では自己肯定感が低いと見られがちです。しかし、中には「現状に満足しているから、チャレンジしたくない」というパターンもあるようです。

 

分類が雑。確かにここに書かれたタイプの人もいる。でも他のタイプの人もいる。以降のセクションタイトルを列挙する。

  • 「相手を理解する」ことからはじめる
  • まずは「本人が本人を知る」こと
  • カギは「コミュニケーション量」
  • 「昇進」と「自己成長」をひも付ける
  • 「導く」のではなく「伴走」する

 

こうやってセクションタイトルを挙げるとあるものが足りないことが分かる。そう、お金である。

 

バリューフォーマネー(VFM)という言葉がある。

www.ifinance.ne.jp

バリュー・フォー・マネー(VFM)は、支払ったお金に価値があること、すなわち、購入した商品・サービスの価値が支出した金額と等しいか、それを上回ることをいいます。

 

今回の話は逆向きである。労働力を提供して得られる賃金は等しいのか?上回るのか?である。バリューフォーワーク(VFW)と言ってもいいかもしれない。

 

件の部下、昇進が打診されるくらいなので一定期間以上その企業・職場内で働いている。その上で昇進したくないという判断である。なぜだろう。答えは簡単でその企業・職場内では昇進が見合わないからである。

 

チャレンジとかじゃないのよ。その人にとってチャレンジに意味があればするって。この記事は昇進って書いているけど、まず昇進だけじゃなく昇給・昇級・昇格も必要でしょ。

 

なんでこんな展開になるのか、著者の略歴を引用する。

株式会社ウィルオブ・コンストラクション 代表取締役社長。2023年4月よりグループ内最年少で株式会社ウィルオブ・コンストラクション代表取締役社長に就任。

現在は「建設業界を支援する人材会社」から「人材領域に強い建設会社」への変革を推進すべく、経営者として奮闘中。

ここから読み解くと、ウィルグループの子会社社長に最年少で抜擢された人である。ああ、そういう人が書いた文章である。最年少で抜擢されるっていうことは、本人はかなりチャレンジングな人だろう。

 

一方で、実在しているわけでもない件の部下を見てみよう。昇進しか単語が出てこない。昇給・昇級・昇格は?バリューフォーワークはどうなの?この著者の頭に昇給とか昇級とか昇格という単語が無かったというだけなのかもしれないけど、昇進して増加する職務・苦労に見合う昇給はどうなの?

昇進断っちゃうってことは、見合わないという判断をしている。その見合わないという判断は先輩や上司を見たからではないの?だってその企業・職場内で昇進する・しない判断材料は過去の実績を見るのが最も正確であろう。その判断材料の提供者は先輩・上司である。死にそうな顔して働いている上司見て、「昇進してえ」という奴は頭のネジが数本飛んでる。そして最年少で抜擢されるような経営者はそういう頭のネジが数本飛んでいる人である可能性がとても高い。

昇進したらすぐ転職するという手を思いつかない程度には真面目な部下なんだろうから、部下としては扱いやすいと思うけど。昇進して役職名が一つ上がれば転職市場においても評価が高くなりやすいんだけど、今の企業・職場を見ていて転職市場は見てないわけだし。

サムネイル用。Bing Image Creatorで「賃金で画像を生成して」というスクリプトで生成。いや、そうだよね釣り合うかどうかだよね。

 

経営者にせよ上司にせよ、コミュニケーションだの伴走だの言う前に、昇進に見合う昇給を用意する方が先である。昇進に見合う昇格も必要である。役職名は一つ偉い奴になったけど相変わらず上司の誰それさんの言う通りに動けみたいな形では昇進する意味がかなり薄い。金を付けろ、エンパワーメントしろって話である。つまりフォーカスする対象を間違っている。

 

部下が昇進したくないというというなら、まず見るべきなのは評価制度や賃金体系や組織体系ではないだろうか。部下の人じゃない。

 

「金は後から付いてくるからまずチャレンジしろ」というのは、ごく少数の頭のネジが数本飛んだ人間には刺さるけど、普通の人は目の前の着実な昇給でしょ。生活もあるわけだし。

なので、こういうタイトルで文章書いちゃいけない頭のネジが数本飛んだ人に依頼したITmediaが悪いwタイトルや内容をどっちが発案したかわかんないけど。

 

ITmediaビジネスにこの田中さんの記事は2つ。今回のものが2つめ。最初はこちら。

www.itmedia.co.jp

いずれもはてブ少ないな。炎上はしてないけどはてブ民が嫌いそうなタイトル・内容なのにな。人材会社社長に寄稿をお願いしたのだろうけど、書いている本人が異例の人過ぎて的外れな方向に進んでしまう。天才バッターが必ずしも次の天才バッターを育てられるかというとそうでもないのと同じである。

 

この手の話はもう少し普通の人材分野の人に頼んだほうがいいと思うよ。

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