昨日は会計処理をした後、脇目も振らずに書き物をしていたので、このツイートを見るまでオレ個人のメインバンクであるみずほ銀のニュースを知らなかった。
「3000億円台前半から3000億円台後半に膨らむ可能性」斬新な表現にワロタww
— みったそ (@mittaso) 2016年11月25日
--みずほ銀のシステム統合費用 数百億円膨らむ、再延期で : 日本経済新聞 https://t.co/ZWvE1DXFNI
日経はすぐに記事が消えるような気がするので、書いてある内容は大差無いけどITProの記事を貼っておく。
銀行口座は就職した時に、会社に勧奨された口座として第一勧業銀行を給与口座として作り、寮に銀行員が勧誘が来て三和銀行の口座を作った。三和の口座は男子寮なので行員さんは普通の申込用紙しか持ってきていなかったのだが、オレがスヌーピーなら作ると言ったら追随する奴が何人かいて笑った。引っ越しの時に自分の車の中で財布を落とし、財布無くしたと思ってあちこちに届け出たので、その時にカードを更新したため就職一年目のカードではなく、少し新しいバージョンのスヌーピーのカードになっている。
例によって余談が長いが、三菱東京UFJ銀行にも口座を持っているので、独立した今、メインバンクを変更することは、クレジットカード等の引き落とし先口座を変更するだけで可能である。では、なぜヤバいみずほ銀行から三菱東京UFJ銀行に変えないのか。銀行口座を手書きするとき、「あれ?東京が先だっけ?三菱が先だっけ?画数多いわー*1」となることが容易に想像できるからである。第一勧業銀行の時は三和銀行に変えようかと何度か思ったけど、今となっては三菱東京UFJ銀行は無理だわ。ひらがな3文字サイコー。
話を戻す。
プロジェクトメンバーを大人数抱え込んだプロジェクトなので、一日伸びたってすごい金額が飛ぶことは容易に想像がつく。
こういうプロジェクトの場合、一日だけ延期なんて考えられないので、仮に数か月延期すると仮定する。プロジェクトメンバーが1,000人いると、銀行サイドから払われる費用はざっくり10億円/月のオーダーである。記事の通り再延期をすると、プロジェクトに抱え込んでいる人に支払う人件費だけでも数百億円飛ぶというのは再延期をした時にわかる話である。もちろん、増えるのは人件費だけではない。コロケーションのために借りているオフィスだの、レンタルやリースで集めているPCやマシン費用など、想像するだけでも恐ろしい。さすがメガバンクだけあって、金はあるのね。
ここでタイトルの話に進む。数百億円膨らむなら、インドあたりからパッケージを買ってきて動かしたほうが安いんじゃないだろうか。インドのパッケージ、優秀だぞ。
サンクコストという見方・考え方がある。
埋没費用(まいぼつひよう、英: sunk cost 〈サンクコスト〉)とは、事業や行為に投下した資金・労力のうち、事業や行為の撤退・縮小・中止によっても戻って来ない投下資金または投下した労力をいう。
この説明だと分かりにくい。別のサイトから引用する。
よくもうすでに使っているお金がもったいなくて更にお金を使ってしまうことがあると思います。果たしてそのもうすでに使っているお金は本当にもったいないお金なのでしょうか。それともそのことをきっぱり諦めて素直に負けを認めるほうがいいのでしょうか。
このことを説明するために経済学のに「サンク・コスト効果」と言うものが存在します。また、埋没費用(まいぼつひよう)ともコンコルド効果とも呼ばれます。
このサンク・コスト効果を簡単に言ってしまえば、もう戻ってこないお金はもう戻ってこないからそのことを忘れて、次に切り替えるほうが合理的と言う考え方になります。
いままで使った金額を考えると、もったいなくて方向転換できないということは、日常生活でもよくあることである。みずほ銀と桁が違う話ならオレにもある。しかし戻って来ないので、この先の行動について検討した時、考慮に含めるべきではない。何かを達成するために、継続したほうがコスト優位なのか、継続せずに別の投資をしたほうがコスト優位なのかを考えるべきという話である。
みずほ銀の場合、ここまで3,000億円台使ってきたけど、さらに数百億円プラスされるという話。じゃあ、インドのパッケージベンダーの持っている銀行システムパッケージを買ってきてみずほ銀にカスタマイズする費用や期間と、日本のどこかのベンダーが持っている銀行システムを買ってみずほ銀にカスタマイズする費用や期間、どっちが安いんだろう。旧UFJのアレとか、まだ動くんじゃないだろうか。数百億円なら、検討の余地があると思う。

9割の人間は行動経済学のカモである ―非合理な心をつかみ、合理的に顧客を動かす
- 作者: 橋本之克
- 出版社/メーカー: 経済界
- 発売日: 2014/01/23
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- この商品を含むブログ (1件) を見る
みずほ銀の場合、元の第一勧業銀、富士銀、興銀の3行の綱引き&その3行のシステム部門とシステム子会社の綱引き&それぞれの付き合いがあったITベンダーやSIerの綱引きの産物が、この統合プロジェクトの迷走である。
サンクコストを考慮せずに最も安く短期で品質が良いものをという発想は、フィナンシャルグループと銀行トップが落下傘で別のところから来て強権発動しない限り無理だと思う。ああいう企業の場合、内部から昇格したトップが過去の上司のメンツを潰すということは、自身のトップ在任期間の短期化を招くことが多いし。過去の上司もまだ影響力を残してたりするので、別派閥の元部下が足を引っ張ったりする。

みずほ 万年3位脱出ミッション 週刊ダイヤモンド 特集BOOKS
- 作者: 鈴木崇久
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2015/06/08
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
みずほ銀の書き物はいっぱいあるなあ(棒
というわけで、方向転換はしないと思うので、オレの希望としては三菱東京UFJ銀行が改名してひらがな三文字銀行になってくれるのがベスト。
*1:+_+