だらっとTwitterを眺めていると転売の話が割と多い。
全ての人間が「転売屋に払うプレミアムなど認められない」というのであれば今すぐにでも転売屋は死滅するんだろうけど、買い手側の一部に「入手困難なものを入手出来るのだから仕方ない」という気持ちがあるとプレミアムが支払われてしまうのでそこが面倒なところ
— 農協 (@sigeosato) 2021年7月27日
今回話題になっているのはこちらがきっかけ。
懲戒処分でもなく譴責処分でもなく退職処分というのは謎だけどな。なんだそれ。
今回はそこには突っ込まないので謎ってことで。
【弊社社員の不適切発言に関する社内処分について】
— ホビージャパン編集部 (@HobbyJapan_MAG) 2021年7月26日
当該社員ならびに関係者の処分につきましてご報告いたします。
また、お客様ならびに関係者の皆様に多大なるご迷惑をおかけ致しましたこと、改めて深くお詫び申し上げます pic.twitter.com/zoE4GhOeBy
現在、チケットの転売については法律が施行されている。
一方でモノに対する転売は取り締まる法律が無い。こういう話だと思ってるけど。
転売を市場原理として、それを良しとする人達の意見を読んだのだが。(わりと有名人いるな;)
— 島国大和 (@shimaguniyamato) 2021年7月27日
そもそもああいうのは、ルールのスキを突く行為でしかないので「今のルールで合法」を唱えても無意味。
市場の健全な育成にマイナスだから、結果的に多くの人に損をさせる。
ルール整備が必要。
今回は趣味の世界の話ではあるが、我々もこれまでいくつかの転売の被害に遭っている。震災時の水やトイレットペーパー、昨年COVID-19がはやり始めた時はマスクや消毒液。
「本当にほしいなら、高値で買えばいいんだよ。それが市場経済というものだ。」は、一見正しそうに見えるけど本当にそうだろうか?
たとえばマスクなどでもわかるように、転売ヤーが間に挟まると一時的に需給バランスが狂う。それでもマスクなどの一般消費財であれば時間とともに増産した分は売れて行くだろう。市場に余剰があると分かれば減産も可能。増産や減産は無理無駄が発生するが。しかし、消費期限があるものや今回のようにホビーなどはそうはいかない。転売擁護者は増産すればいいというけど、実際には責任は取ってくれない。増産して余ったら今度は在庫である。生産コストの回収ができない。消費期限があるものは廃棄も考えなくてはならない。廃棄コストは誰が負担する?製造したメーカーや仕入れた卸や小売りということになる。流行りものだったら消費期限ありと考えてもいいかもしれない。
あれだけ売れたたまごっちブームが最終的には大赤字で終わったという話、需要があるからって増産しすぎるとどうなるかを表しているので怖いよね
— 貴金属 (@silverclock96) 2021年7月27日
転売ヤーが原因で大赤字を出したのが「たまごっち」
— らんたん (@lantgic57) 2021年7月27日
ブームで転売ヤーが買いまくって増産したら売れなくなって結局60億円分の在庫処分、163億のバンダイ創業以来最大の赤字を出している。
この事象を知っているのでメーカーは増資したくても出来ない。(特にガンプラを抱えているバンナム) https://t.co/whSXAju5UY
そしてもう一つの問題は、転売に置いて「本当にほしいなら、高値で買えばいい」で誰がその利益を得るのか?転売ヤーである。正規の販売ルートがそれぞれ適正な利潤を得ることで次の商売につながっていくわけだが、転売ヤーが間に入ると勝手に焼畑農業してまた次の材料に移っていく。メーカーや卸や小売りがきちんと次の商売のための情報を得ることができない。本来買ってくれるはずだった沢山のお客に行き渡らないと、手に入らないんじゃいらないということにもなり、商品に対する情熱も失われてしまう。これはそのジャンル自体の衰退に間違いなく繋がっていく。
小売りの一部が転売を容認していて転売対策をとらないというのも、一般消費者からのヘイトを買っているだろう。店に買いに行ったら転売ヤーに買い占められ済だったりすると、ムダ足だわ欲しいものは手に入らないわ、いいことが無い。
じゃあ卸のような中間業者も転売ヤーみたいなもんだろというバカ理論も出てくるのできちんと図示しておく。メーカーからすると全国津々浦々の小売業者と直接取引するのは、管理コストや販売コスト、物流コスト的に避けたい、一方小売りから見てもメーカーと直接取引できるようになるまでその商品が手に入らないのは困るし、やはり管理コストや事務コストが大変である。そうなるとまとめて取引できる卸が間に入ってくれると双方助かる。そういうコストが削減できる分、卸の利潤として一定のフィーを取ってもいいよねというのが卸のような中間業者を挟む時のコンセンサスである。
当然、卸のような中間業者を挟みたくないメーカーは小売りと直で取引するし、小売り側もメーカーと直接取引したいのであれば直接取引する。大手小売りなどは直接取引で物流を自前で組む必要があれば自前で物流網作るしね。
ところが転売ヤーが間に挟まるとこうなる。
小売りから適正価格で入手できた人はいいけど、転売ヤーから高くても我慢して入手した人たちは転売ヤーの養分となるし、高いので諦める人がいるということになると市場がシュリンクする。一般消費者の多くはメーカーや小売りのように「まとめて取引したい」と思う相手は小売りであって、ある人気商品だけは転売ヤーから買わなければいけないというのはメーカー・卸・小売りの図式とは異なる。例えばゲーム機本体は転売ヤーから買わなければいけないけど、その周辺機器などは小売りから買うってことになると取引先が増える。転売ヤーがいなければ全部同じ小売りから買えるのに。
模型店にとって転売屋って在庫全部買ってくれる優良な客か? と言われたらノーだよね
— アキヤマサーン (@mokubaza) 2021年7月25日
あいつら塗料も筆もヤスリも買わねえ
モデラーならプラモ買ったらついでに消耗品も買うからその分の売り上げバカにできねえ
模型店の客見ると作ってる人は買い物かご一杯に消耗品突っ込んでる
結局のところ現状法規制できていないところが問題なので、まずは法規制するところからスタートだろう。基本的に転売そのものを抑止できる法制度が必要。
転売ヤー問題ですが、問題は「転売することそのもの」ではなくて、「SNSを使った組織的な買占めで、かつITプラットフォーム上でマッチポンプで再販売価格をつり上げる行為が行われること」に焦点を当てないと、問題点がズレてしまう。これは「バーチャルな価格カルテル」問題で、新しい題材ですよ。
— 小林信行 Nobuyuki Kobayashi (@nyaa_toraneko) 2021年7月28日
これは一つ話が飛んでる。単なる買い占めによる転売が迷惑行為になっているのに規制できていないところが問題であって、 その先のカルテルとか反社会勢力の資金源になってるとかそういうのは元を断てば消える話。
転売の法規制の話とは別に、転売ヤーが古物商許可を取っていない(から違法)とか、納税していない(から脱税)とかそういうのはどんどん刺していくべき。