まずこのツイート。
緊急事態宣言が出されてから一夜明けた8日朝の品川駅 pic.twitter.com/s63kggrhGz
— 黒田壮吉(朝日新聞記者) (@soukichi_kuroda) 2020年4月8日
4月7日(火)と4月8日(水)の写真だが、まず画角が違う。写真を撮る人間にとっては当たり前のテクニックだけど、レンズを変えたり切り取り方を変えたりすることで人が密集しているように見せることはできる。
それにこの写真を撮るのは不要不急じゃねーの?ずーと何枚も撮って一番混んでいそうに見える写真を使ったんだろうけど。通常の朝の品川がこんなもんじゃないことは、行ったことがある人には周知の事実。
この中に 緊急事態宣言の成果~人流の減少率~ がある。
- 地域ごとにばらつきは見られるものの、緊急事態宣言によって人流は概ね3割程度削減。
- 活性化する時間帯やこれまでのテレワーク率の高さが地域ごとに異なることでばらつきが起きることも想定され、ベースラインの検証と継続的モニタリングが必要。
- 統計拠点の拡大と整理を行いつつ、継続的に日時ベースでのモニタリングを行う。
東京の主要駅における人の流れの推移(4月7~9日の6~17時の累積値での比較)
品川は3割減である。さらに詳細データもある。
https://corona.go.jp/toppage/pdf/area-transition/20200409_agoop.pdf
データの出典はこないだ書いたAgoop社である。
ドコモのモバイル空間統計では朝日新聞の写真の港南口方面は昨年比約半分である。
朝日新聞は何をやりたかったのだろう。法的な強制力が少ない緊急事態宣言なんて誰も聞き入れていないとでも?しかも、どうしてもリモートワークできずに出勤しなければいけない人をバカにしている。全業種・全職種がリモートワークできるわけがないだろ。基本的にリモートワークができる職場でも、数人が出勤しているから多くがリモートワークで回るという企業もあるだろう。出勤者が少なければそれだけ接触も減るし距離も取れる。職場の全員がリモートワークでなくても、出勤者を減らすことも緊急事態宣言の目的には沿っている。
さらにはこれ以外にも#東京脱出というフェイクニュースもやった。
SNSで拡散していたという『#東京脱出』、朝日新聞の捏造ではないかと話題に https://t.co/udC9tP6LqS pic.twitter.com/ZSshI77K4n
— virtualkj (@virtualkj1) 2020年4月9日
ハッシュタグ「#東京脱出」の直近3カ月(2020年1月7日~4月7日)のツイート数を調べてみると、4月6日までのツイート数は1日あたりほぼ0~3件で、新型コロナウイルスとは無関係の内容も含んでいました。
Twitterでの「#東京脱出」の日別ツイート数(2020/1/7~2020/4/7)
まだある。
「厳密には6割だけど」なんて言っていないし取材も受けていないと西浦教授がツイッターで反論。朝日新聞はTwitterでの発言に基づくというなら引用元を示すべきだろう。最悪だ。
— 宮内 健(Miyauchi Ken) (@mkenzow) 2020年4月10日
「接触7~8割削減」の根拠は? 厳密には6割だけど…:朝日新聞デジタル https://t.co/91bXN0MJwO #新型コロナウイルス
西浦教授の説明はこちら。動画内できちんと説明している。
【なぜ8割の行動制限が必要なのか】
— 新型コロナクラスター対策専門家 (@ClusterJapan) 2020年4月7日
北海道大学 西浦 博より解説します。
行動制限する人(p)の割合を、欧米の例を参考にR0(基本再生産数)と Re (実効再生産数)から導き出すと6割です。
なぜ8割としたかを解説しています。#新型コロナクラスター対策ゼミ pic.twitter.com/I6uRw4u6ri
【接触が8割減った社会のイメージ】
— 新型コロナクラスター対策専門家 (@ClusterJapan) 2020年4月7日
北海道大学 西浦 博より解説します。
流行前の生活・社会を機能させつつ、どのようにして接触の8割減を達成できるか、皆で考えていきましょう。#新型コロナクラスター対策ゼミ pic.twitter.com/vQatrbkiYr
これが朝日だけかというと朝日だけでもない。毎日新聞は丸の内の記事に月島警察署管内の写真を使ってミスリード。
緊急事態宣言発令から一夜明けた8日朝の東京・丸の内のオフィス街。午前8時を過ぎるとマスクをつけた大勢のサラリーマンらが信号待ちの列を作りました。#新型コロナウイルスhttps://t.co/t6adASC5TH
— 毎日新聞 (@mainichi) April 8, 2020
勝どき駅から晴海方向に向かう人の群れらしい。
日本経済新聞は日経でこんな感じ。
任天堂が7日までに主力ゲーム機「ニンテンドースイッチ」などの国内出荷を一時的に停止したことが分かった。再開は未定。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受けて生産に遅れが出ている。一方で外出自粛要請を受けた"巣ごもり"需要が膨らみ、供給が間に合わないためだ。在庫がある欧米市場では出荷を続けるという。
これを任天堂のツイートと見比べると明らかにミスリードであることが分かる。
[お知らせ]Nintendo Switch本体(「あつまれ どうぶつの森 本体セット」含む)ならびにNintendo Switch Lite本体は、ご予約分を除き今週の出荷はございません。来週以降の出荷予定については改めてお知らせいたします。
— 任天堂株式会社 (@Nintendo) 2020年4月7日
予約分は出荷、その他は今週”は”出荷しない、来週以降は改めてお知らせ である。これのどこが一時停止なのか。
幸いテレワーク人口が増えたせいか、あっという間に場所の特定や手口の解析ができている。いたちごっこかも知れないが、(騙したい)メディアにとっては住みにくい世の中になってきている。