これはエコーチェンバー。オレはこの程度の単語をエコチェンとか大して字数も変わらない略語にするのが大嫌いなので、全部エコーチェンバーって書いてやる。
発端のポストはこれ。
きのうの #クロ現 でホテル料金が高騰して日本人が泊まれなくなっているというのやってて、「でも5千円で泊まれるところが出来たんです」って紹介してたのがコンテナを改造した掘っ立て小屋。嬉々として「お風呂やトイレもあるんですよ」て言ってて嗚呼日本人かくも貧しくなりにけりだった。
— Tad (@TadTwi2011) 2024年2月14日
まとめだからまとめ主が「日本人が貧しくなった」っていうポストばかりをまとめたんだろうけど、1.5ページに渡ってそんな意見をまとめられるくらいにはエコーチェンバーになってる。
エコーチェンバーとは。
ア エコーチェンバー
「エコーチェンバー」とは、ソーシャルメディアを利用する際、自分と似た興味関心をもつユーザーをフォローする結果、意見をSNSで発信すると自分と似た意見が返ってくるという状況を、閉じた小部屋で音が反響する物理現象にたとえたものである8。
サンスティーン（2001）9は、集団分極化はインターネット上で発生しており、インターネットには個人や集団が様々な選択をする際に、多くの人々を自作のエコーチェンバーに閉じ込めてしまうシステムが存在するとしたうえで、過激な意見に繰り返し触れる一方で、多数の人が同じ意見を支持していると聞かされれば、信じ込む人が出てくると指摘した。
また、サンスティーンは無作為に選んだ60の政治系ウェブサイトを対象に、各ウェブサイトのリンク先を調査した。その結果、反対意見へのリンクは2割に満たない一方で、同意見へのリンクは約6割と高くなっていた（図表1-4-2-2）。さらに、反対意見へリンクがある場合でも、「相手の見方がいかに危険で、愚かで、卑劣であるかを明らかにするのが目的」としていた。そのうえでグループで議論をすれば、メンバーはもともとの方向の延長線上にある極端な立場へとシフトする可能性が大きいと指摘している。
いや、TV番組のひとつが日本人はコンテナハウスに泊ってるって放送したくらいで、「日本人かくも貧しくなりにけり」になるの、普通に考えたらおかしいだろ。じゃあ、色んな通販番組で豪華客船の旅や高級ホテルの宿泊プラン売ってるの、アレは何？日本国内において日本語で放送してるよ。
クローズアップ現代視聴して、2極分化とかそういう結論ならわかるんだけど。ソース一つで極論に走るのやめてもらっていいですか？
ソースも色々あるんだよ。
話を戻すと、出張の場合だと出張旅費の規定上値上がり分が厳しいっていう話はわかる。手続きとか色々あって、企業はそんなに簡単に旅費規定の金額上げないからね。そもそも旅費規定を作る部署は、ほぼ宿泊ありの出張なんてしない部門だったりするし。
そうなると、出張先に宿泊可能な価格帯のホテルが無いって可能性はある。でも、そういうビジネスホテル系の場合、ホテル側も商売なんだから空き部屋抱えて高価格な訳ないじゃん。埋まるから高価格。埋めているのが今はインバウンド客が多いという状況だろ。
一方、高いところにも安いところにも好きに泊まれる旅行の場合、安いところに宿泊したい人はいるわけでコンテナハウスのホテルがちょうどいいって人が取材された話であって、そこを切り取った放送を見て「日本人かくも貧しくなりにけり」は無いでしょうよ。ほんとチョろい。
車で旅行するなら、コンテナハウスに泊るのも便利かなとは思う。目の前に車停めておけるし。これが都会の高級ホテルはドアマンとかが車出し入れするから頻繁に車で出入りするのは気が引けたりするし、ビジネスホテルとかだと別途コインパーキング押さえる必要があったりする。ヘタすると一度は近くに確保できたのに帰ってきたら遠くにしか確保できないかもしれない。旅行の目的に合っていれば郊外のコンテナハウスもありでしょ。もっと田舎ならバンガローとかログハウスとかもありなんだから。
多様化とかそういう話のはずなのに、1番組の誘導でエコーチェンバー化するのはとてもヤバいと思う。
