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EV(BEV)をスマートフォンに例えるのは正しかった

EV(バッテリーEV:BEV)をスマートフォンに例えるのは正しかった。

shigeo-t.hatenablog.com

自分の書いたエントリを否定するのか?

 

ブルームバーグの海外記事。文字コピペできない()から引用に困るなあって思ったけどPDF化したら文字コピペできた。ブルームバーグなんかには負けないw

 

www.bloomberg.co.jp

欧州では新車の多くがリース販売であり、自動車メーカーやディーラーは価格
急落による損失をリース料の引き上げで埋め合わせようとしている。内燃エンジン
車からの転換で先陣を切っていた一部の欧州市場では、それもEV需要に打撃を与
えている。

2021年に欧州で販売されたEVは120万台。その多くが来年に3年のリース期間を終えて中古市場に出回るため、こうした問題はさらに深刻化することが予想される。企業がこの問題にどう取り組むかは各社の業績だけでなく、2035年までに内燃エンジン車の新車販売を段階的に廃止するという欧州連合(EU)の計画など、脱炭素化の取り組みにとっても重要な鍵となるだろう。
 
トヨタ自動車の欧州地域責任者、マット・ハリソン氏は「EVには中古市場がない」と指摘。「それがコスト・オブ・オーナーシップの問題に大きく影響している」と語った。

 

リースが多いというのは日本と異なる点だが、EVかどうかを抜きで日本の新車市場を見るといわゆる残クレ、残価設定型クレジットが多くなってきている。自動車メーカーとしても新車価格に残クレ金利上乗せでちょっとおいしい。新車→中古市場の動きは同じような感じである。ただ、残クレは基本的に5年が多そう。

 

問題のひとつは、業界全体が中古EVの取り扱いに慣れていないことだ。内燃エンジン車は年式や走行距離ですぐに評価できるが、バッテリーの品質を判断するテストは普及していないと、VW系ディーラーの幹部は語る。

 

評価の問題じゃないんだな。バッテリーは大幅に劣化するじゃん。内燃機関エンジンは劣化もするけどバッテリーほどの大幅な下落じゃないし、維持したりチューニングで性能をアップすることもできる。スマホ使っていればわかる話だけど、バッテリー交換式じゃないスマホ、たとえばiPhoneなんかだと新品の時より3年後のバッテリー能力は90%とかになってたりする。

日本における家庭用の自動車のライフサイクルは、車検の期間に合わせて3年、2年、以降2年ずつの3、5、7、(以下省略)の車検切れ前に売られるパターンと、ローン期間切れの3年5年、残クレ期間終了の5年で中古市場に出てくるパターンが多い。もっと長く保有する人もいる。

 

ICE(内燃機関)車の場合、新車販売から10年近く経った車の性能が新車時比で個々の車両で差があるにしても90%くらいは保持できているのに対し、BEVはヘタすると70%以下ということもある。HVの場合はバッテリー劣化分はBEVと同じくらいだがエンジンはICEと同程度の劣化でありバッテリーへの依存率からすると大幅な影響ではない。

しかも、この劣化の影響が出る分野が異なる。ICEの場合は燃費の悪化や「パワーねえな」「トルク無いな」「部品交換多くなったな」とかである。

BEVの場合は「航続距離落ちた」である。新車時ノンストップ400km走れた車が300kmしか走れなくなるとすると大問題である。BEVが新車時から持っている弱点は「充電時間が長い」ことである。ICE車の給油5分に対し、BEVは数10分から数時間である。その充電時間の長さがさらに回数増となれば中古車として買うことを回避するのは妥当である。まあ、使い方にもよるけど。毎日ちょこちょこ数10km走るだけ、家に帰ったらすぐ充電なら別に気にすることではない。

 

ということで、ICEよりも90年近く先に出たBEVが、なぜICE車に長期間市場を奪われ自動車の主流とならなかったのか。バッテリー性能問題である。まだ対内燃機関で見ると問題は解決していない。劣化したバッテリーは回復しないので、載せ替えするしかないのだが、載せ替えできなければ廃棄するしかない。

 

日本ではエンジン載せ替えは特殊な持ち主で(法人除く)、例えば日産にシーマをレストアしてもらった伊藤かずえさんのような話はあまり多くない。

www3.nissan.co.jp

 

初代プリウスのバッテリー無償交換は終了するようだが、トヨタも初代の場合は市場調査的な意味合いがあるので無償交換だったらしい。どの程度交換したんだろう。

bestcarweb.jp

 

BEVは特殊な事情が無ければ無償で交換してもらえるわけではないので、中古車としてはかなり難しい。そういう意味ではスマートフォンと同じである。バッテリー交換できないスマートフォン、一応中古市場も存在するけど

 

バッテリーの持ちはそれなりということを同意の上購入する商品である。そういう意味ではBEVをスマートフォンに例えるのは正しかった。ただし、ICE車をフィーチャーフォンに例えて比較することは間違いである。

スマートフォンの場合、中古を使ってバッテリーの持ちが多少悪くても死なないけど、自動車の場合最悪死ぬからね。大雪大渋滞で動かない道路とか誰も来ない砂漠とか。

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