ライフライン無償化プロジェクト、面白いねえ。
いくつか報じている記事があるが地元発の詳しそう奴を貼ろうと思ったら詳しくなかった。
引用はTBSの記事にした。すぐ消えそうだな。
今年6月から家庭向けの電気料金を値上げした東北電力に対し、学生らでつくる団体が14日、質問状を提出しました。過去最高の経常利益が予想される中で、なぜ、電気料金の値下げを検討しないのかなどと質しました。
(中略)
質問状を提出した学生 鴫原宏一朗さん:
「電気料金をねん出するために食事を削ったり家賃を払えなくなったりという相談がすごく増えてきている。あまりに今の貧困の広がりの深刻な状況について分かっていないのではないか」
え?
貧困の広がりの深刻さについては、東北電力が言われても困ることだろ。
これが分かりやすい。
この図にある料金改定認可プロセスを見ればわかるように、電気料金は経済産業省が認可している認可対象項目である。
小学生にもわかるように説明すると、電力会社は色々な事情で値上げしたいと思っても、勝手に値上げできない。経産省に申請して認可されなければ値上げできない。で、こういうニュースが流れる。
火力発電に使う天然ガスなどの価格が高騰し、財務体質が悪化しているなどとして、値上げを国に申請していました。
各社は今月16日、エネルギー価格が下落したことし1月までの3か月間の燃料費をもとに算定し直すなどとする政府の査定方針に基づいて、改めて値上げの申請を行っていましたが、19日、経済産業省から認可されました。
それによりますと、送配電網の利用料金の改定分を含めて比較した値上げ幅の平均は
▽北海道電力が20.1%
▽東北電力が21.9%
▽東京電力が15.3%
▽北陸電力が39.7%
▽中国電力が26.1%
▽四国電力が23%
▽沖縄電力が36.6%と
それぞれ当初の申請より圧縮されました。
(太字・下線はオレ)
わかりやすく太字・下線を加えた。申請したけど、最初の申請時よりエネルギー価格も下がったし再申請してね→認可、「それぞれ当初の申請より圧縮されました」 である。経産省もスルーで認可したわけでなく値上げ幅の圧縮をさせてから認可している。その値上げ幅には文句もございましょうが、仕事はしている。
あと、分かりにくい部分を補足すると、大手の電力会社が抜けている。関西電力である。値上げについては申請からしていない。
なので、ライフライン無償化プロジェクトは東北電力に行くんじゃなく、文句があるなら 経産省へ である。社会運動するなら、中身の話の前にまず中学校レベルの社会科の学習が必要である。学生なんだよね?
表のように、公共料金の中にもいくつか種類があります。
国が決定するもの、国が認可や上限認可するもの、地方公共団体が決定するもの などです。
例えば 電気料金 は、国が値段を認可したり、上限を決めたりします。
電気のように多くの人が使うサービスは、企業が勝手に値段を決められないようになっているのです。
鉄道運賃 についても同じです。
値段が上がりすぎると、多くの人が生活に困ってしまいます。
そもそも「ライフライン無償化プロジェクト」を名乗るなら、ライフラインの各料金、誰が決めているのか認可しているのかを意識すべきじゃねーの?それ最初にやることだよね。調べれば分かる話じゃん、今ならネットもあるから数秒で。
「ライフライン無償化プロジェクト」の文句の持って行き先は経産省と分かったところで、さて今度のなぜ電気料金の値下げを検討しないのかという質問。これが分かりやすい。
そりゃあ、過去3年間で2500億の
— かみくん (@kamikun_8j_wq) 2023年9月15日
赤字出してるのだから
単年で2000億黒ったところで
値下げできんのだわ🤤
「過去最高の経常利益で、なぜ電気料金の値下げを検討しないのか」学生が東北電力を質す#Yahooニュースhttps://t.co/QLiug26HWS
上記NHKの記事にもあるように、
火力発電に使う天然ガスなどの価格が高騰し、財務体質が悪化
が値上げの理由。まさか原子力発電に反対してたりしないよね。東北電力の電源構成は秒で分かる。
東北電力が値上げするのは火力が多いからだよ。関西電力が値上げ申請していないのは、原発が頑張っているから。
東北電力を始め電力各社は上場企業なので、有価証券報告書は社のサイトにアップされている。有報くらい見ることができるよね。今回は簡単に財務ハイライトから。
これを見てインフラ企業に値下げを要求するとは鬼である。新聞・TV引き連れて質問状出しに行くような話じゃないのよ。
一応Change.orgも貼っておく。
①物価上昇や貧困拡大への緊急措置として、ライフラインの支払いの即時負担軽減を求めます。
仙台市に対して求めますとか言ってるな。水道料金くらいしか管掌してないよね。
上にも書いたけど、社会運動することは素晴らしいことだけど、せめて社会科の勉強してからにしようね。
これも繰り返しもう一度書くけど、そもそも「ライフライン無償化プロジェクト」を名乗るなら、ライフラインの各料金、誰が決めているのか認可しているのかを意識すべきじゃねーの?ライフライン無償化とか大風呂敷を広げるなら、ライフライン→公共料金制度の根幹に踏み込む話なんだからまず国の立法府へ、って流石にそれが難しいなら地元選出の国会議員へ。