どうして小学校3年で習ったはずの「税金」について、誤解した人間が大多数なのか?
たとえば、Go Toキャンペーン。
経済の立て直しをという点では、Go Toキャンペーンはとても良い施策だと思いますが、40日間で1099億円使われたということは、1日あたり約27.5億円が使われていることになります。一体どれくらいの税金が使われる予定なのでしょうか。(ライター・メタルスライム)
学習指導要領では小学3年生の指導に対し、下記のように指定している。
公共施設については,学校,図書館,公民館,資料館などが考えられる。その際,内容の (1) において取り上げた公共施設との関連を図り,公共施設の建設や運営には市役所が関わってきたことや,その建設や運営には租税が重要な役割を果たしていることに触れるようにすることが大切である。
また小学校6年生においても下記のように指導している。
一方で,勤労や納税の義務などを果たす必要があることなどの権利や義務が定められていることなどを基に,日本国憲法の特色について理解することである。
小学6年生ではその他も税について制度や財政との関連を学習する。
財政及び租税の役割について多面的・多角的に考察し,表現すること。
そう、税金は我々からすると納めるものである。国税庁の説明を見てみよう。
税金には3とおりの分類方法があります。
1. 「どこに納めるかによる分類」
国に納める税を「国税」、地方公共団体に納める税を「地方税」といい、地方税はさらに「道府県税」と「市町村税」に分けられます。2. 「納め方による分類」
税を納める人と負担する人が同じ税金を「直接税」といい、税を納める人と負担する人が異なるものを「間接税」といいます。たとえば、消費税は、消費者が負担し、事業者が納めるため、間接税に分類されます。3. 「何に対して課税するかによる分類」
所得税や法人税のように、個人や会社の所得に対して課税することを「所得課税」といいます。また消費税や酒税、たばこ税など物品の消費やサービスの提供などに対して課税することを「消費課税」、相続税や固定資産税など資産などに対して課税することを「資産課税等」といいます。
どこにも使い道は出てこない。
では、
一体どれくらいの税金が使われる予定なのでしょうか。
とか言ってしまう、書いてしまう人たちはなぜ発生するのか。小学3年生の時に、
その建設や運営には租税が重要な役割を果たしている
と習ったことを公共事業=税と思い込み、小学6年生で習っているはずの
勤労や納税の義務
を理解していなかったということになる。
では、どう表現すべきか。そもそも国や地方自治体の財源が税金だけと思い込んでいるのがおかしい。
政府の財源には、1)税金、2)国債、3)貨幣発行益の3つがある
貨幣発行益はともかく、国債については習っているはず。日本の地方自治体は基本的に通貨を発行できないので貨幣発行益は無いけど。
で、歳入の対義語は歳出である。歳費でもいい。公(おおやけ)のお金なので公金や公費でもいい。
「オレの税金を○○に使うな」とか言っちゃう人には悪いけど、小学3年生かよと思ってしまう。義務教育の敗北である。せめて小学6年生レベルであって欲しかった。それに年収500万円で所得税・住民税でざっくり41万円くらい、年収1,000万円くらいで146万円くらい、これに消費税や車関係の税、固定資産税などを加えても国や地方自治体が歳出している額とは桁が違い過ぎる。「オレの税金を○○に使うな」って言えるのは、納税額が歳出比1%超えてからだよなあ。
「私の税金を○○に使うな」という論を見掛けたら、小3なのねと思いましょう。そういう意味ではなんでも「平均」を使う人たちの小5レベルより酷いな。