読んでて鼻水出た。
ニュース - 購入履歴から300項目の顧客属性を予測、TカードのCCCが「顧客DNA」を解説:ITpro
- [ネタ]
『例えば、28歳の東京在住の女性が、離乳食、おむつ、チャイルドシート、子供向けDVD、などを利用していた場合、かなりの確率で子供がいて、かなりの確率で車を持っていることが分かる。』 サンプルにしてもw
2016/10/30 13:16
元々、こんな話の展開である。少し引用する。
2016年10月20日、東京ビッグサイトで開催している「ITpro EXPO 2016」において、カルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)のデータベースマーケティング事業を手がけるCCCマーケティングが、『6000万人が「次に何を買いそうか」をピタリと予測』と題して講演した。Tカードの登録情報とPOS(販売時点情報管理)情報によって構築したデータベースである「顧客DNA」について解説した。
”『6000万人が「次に何を買いそうか」をピタリと予測』と題して講演した。”である。それが、
例えば、28歳の東京在住の女性が、離乳食、おむつ、チャイルドシート、子供向けDVD、などを利用していた場合、かなりの確率で子供がいて、かなりの確率で車を持っていることが分かる。
こうして分析して、151種類の属性項目(年収、既婚、車のメーカーなど)と、136種類の志向性項目を導き出している。これらの項目の値を波形グラフ化して、プロファイリングデータとして活用している。「代官山蔦屋書店と渋谷TSUTAYAでは、波形がまったく異なる」(毛谷村)。
例え話としてもちょっと稚拙じゃないのか?いや、例え話として稚拙なんだろう。この手の話はデータベースマーケティングとして基本なんだが、最も有名な例は、おむつとビールである。
一見、全く異なる商品カテゴリーが同時に購入されていることから、調査の結果、
子供のいる家庭では母親はかさばる紙おむつを買うように父親に頼み、店に来た父親はついでに缶ビールを購入していた。そこでこの2つを並べて陳列したところ、売り上げが上昇した」という内容で知られる。
直接的には、1992年12月23日の「ウォールストリートジャーナル」に掲載された「Supercomputer Manage Holiday Stock」という記事が発端だとされる。
という話である。この「おむつとビール」の項では、この先もう少し突っ込んで書かれているので、結末まで読んでいただけると幸いである。
で、CCCの「例え話」に戻る。『例えば、28歳の東京在住の女性が、離乳食、おむつ、チャイルドシート、子供向けDVD、などを利用していた場合、かなりの確率で子供がいて、かなりの確率で車を持っていることが分かる。』とあるが、それって分析というレベルじゃない。プロファイリングをしたいんだろうけど、仮に子供がいなくて、車を持っていなくても、家族(例えば3世代同居とか近くに兄弟姉妹家族が住んでいるとか)に子供がいて、車があればいつも購入代行している可能性もある。購入代行までわかるんならすごいんだけど。おむつとビールの例のように。
そしてこのプロファイリング通りだとすると、こんなこと言われても、当たり前すぎて「お、おう」というレベルの話である。「例え話」として稚拙と書いたのはこんな理由である。
Tポイントカードを持っていないので、Tポイントカードを使っている皆さんが、いくらで自分の購買情報を売っているんだろうと思って調べてみた。あ、Pontaも持ってないよ。
TSUTAYAやファミマ、マルエツなどのトランザクションが多そうな店のレートを調べてみると、200円(税抜)につき1ポイント、そして1ポイントは1円と等価である。
最新データではないが、コンビニでは下記の通り。
平均額で789円。分布でみると500~599円と1,000~1,499円にピークがあります。
2~3円、あるいは5~7円で購買情報を売っている。
スーパーマーケットの場合、こちらもデータは2008年と古いが、
1回当たりの食料品購入金額は、「1000~3000円未満」が約6割でボリュームゾーン
である。5~14円といったところか。
「200円で1ポイントってお得~」と考えるか、自分の購買情報を多くても10数円/回で売っていて損と考えるか、大きな違いである。オレは後者だけど。
Tポイントは家や車のような高額商品には適用されていない(Tサイト[Tポイント/Tカード]参照のこと)。
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家電、カメラ、スポーツ用品や眼鏡などのように購入頻度は低いけど、一回当たりの金額が多いものであっても、数万円から数十万円の購入金額なので、カメラを買って1,500円、冷蔵庫を買って500円とか、安すぎるんじゃないか?
ましてやCCCのようにモラルが低い企業に、自分のデータを安く売るなんてちょっと恐ろしい。