あたまおかしい。中小企業に開発できるとでも?技術力云々じゃなくキャッシュフロー廻らないって。この手の長期プロジェクトの開発工程は、ある程度の期間(最短でも数か月とか)開発して検収を経て入金だぞ。機器とかなら納品すればすぐ検収されて売り上がるかもしれないけど、開発の人件費は検収終わるまでずーっと売り上がらない。その間給与や外注費払わなくても済むならいいけど、少なくとも給与は払わないと自社の従業員が働けない。外注費は客(この場合は国)の検収通ったら元請―外注先間も検収完って契約にすれば入金連動にできるけど。それでも1か月くらいは先に払うことになるかも。
マイナンバーカード巡る巨額発注
— かばさわ洋平 (@ykabasawa) 2023年7月31日
大企業8社が独占
財界本位にマイナンバー事業を拡大し、大企業はがりが税金で潤う構図です。 pic.twitter.com/4qjmheeTTE
誤字は突っ込まないよ。あと、最初見た時には無かったけどコミュニティノート付いたな。
消えると意味がわからなくなるので画像を引用。
あとPDFもあったのでリンクを貼っておく。
ポイントは2つ。
わかりやすいほうから。「8社が独占」。いやいやいやいや、8社もいたら独占じゃないだろ。
独占禁止法の説明はこちら。
(2) 事業分野占拠率要件
ア 1社の事業分野占拠率が50パーセントを超えるか又は2社の事業分野占拠率の合計が75パーセントを超えることを要する。
マイナンバーカードのシステム開発その他一式の事業は事業分野というわけでもないけど、一般に独占って言われたらこういうイメージだろ。8社が独占はパワーワード過ぎる。
もうひとつは見落とすかもしれないけど、「10年2810億円の9割」。独占というならほぼ100%だろ。独占と言い切るなら9割5分(95%)でもどうかと思うけど90%かよ。
あと、名前が出ている8社のうち下請け無しで動いているのは何社だろうね。システム開発系の企業は多分2次請けまでは存在するはず。あと、工事が発生しても多分2次請けまでは存在するはず。いずれも子会社かもしれないけど。そういう意味では「8社が独占」とかウソじゃん。
国の事業だから入札条件・発注条件・契約できちんと縛っていれば、階層が深い多重下請け構造ではないはずだけど。あまり多層にするとヤバい人が入っても分からないからね。
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ここからは蛇足。オレがおもしろいと思ったポイント。
10年2,890億円って意外と小さいな。マイナンバー発行者全員の処理をある程度のピーク性を持って実行できる規模だし、これから色々なシステムが乗ってくるし。
マイナンバーカードでトラブってるってニュースになっているのが大抵富士通なのに、序列8位なのも面白い。トラブってるシステムがマイナンバーカード側じゃない可能性もあるけど(つまり住基や各市町村システムなどのマイナンバーカード以外の既存側)。
実カード関連、凸版印刷とDNPデータテクノか。どっちかはいると思ってたけど、両方いるとはどういう住み分けなんだろう。記事にはカード発行は凸版って書いてある。凸版は本体で大日本印刷は子会社っていうのもおもしろい。
マイナンバーカード関連、システム方面はあまり興味を持っていなかったので、関連するエントリはこれくらいか。なぜか変な人が湧いてくるのもマイナンバー・マイナンバーカード関連。
なお、使っているカードリーダーは接触型。