こんなツイートが流れてきた。
新卒でいろんな研修をする前にまずこの心構えを教えてほしかったよね。
— ふにい (@funi_mina) 2021年5月12日
『入門者のLinux』より pic.twitter.com/5w8HWRAgru
この本ね。
別に仕事や技術などの習得に限らないんだけど、「Aは〇〇」「Bは□□」ということを学んだとして、単純にそのまま固定化されてしまう人がいる。物事を単純化したいのかもしれないけど、物事が全て単純なわけではなく正確な情報としては「条件が××ならAは〇〇」「条件が△△ならBは□□」だったりする。
自分はというと、割と硬めの情報か柔らかめの情報かを見ていて、柔らかめの情報なら頭の中で仮置きできるタイプである。なんなら情報の扱いだけでなく、自分が決定しなければいけないことについても平気で仮置きできる。時間が解決する場合もあるし。めんどくさがりで怠け者だからできる話でもある。もちろん、放っておいたら問題が大きくなることが明確な場合は仮置きしないけど。
例えに他人を使うとアレなので弟の例を。兄・弟の関係で子供の頃の話なので当然年齢差による知識量は異なるが、知識差ではなく知識の使い方に「こいつヤベえ」と思ったの2つのエピソードを書く。
まず1つめは双方小学生の頃。母方の祖父母に大阪城に連れて行ってもらった時。祖父母との遠距離の旅行で、兄弟3人そろってというのは多分その時くらい。兄と弟では6歳違いなので兄は中学生である。その時には新幹線に乗った思い出が無いので、東京から車である。祖父元気だな。オレたちは車で寝てればいいけど。
大阪城で祖父が1人1つずつお土産を買ってやるというので、それぞれ選ぶことになった。兄はなぜかペナント。プロ野球球団でもないのにペナント欲しがる奴いるんだな。オレは大阪城が中に入ったガラスの文鎮、弟はプラスチック製の大阪城と鷹?鷲?が組み合わされた置物。温度計とかついてた。オレは「プラスチック製はすぐ壊れるから別のものを選んだほうがいいよ」と軽くアドバイスした。弟は「ガラスのほうが割れるでしょ」。えええええ?いくら小学生とはいえ、ガラス屋の息子がその認識?確かに板ガラスの薄いものは簡単に割れる。でも文鎮だよ。ガラスの塊だよ。ガラスが簡単割れるのは薄い状態の場合であって、塊だと簡単には壊れない。ドラマで殺人の時にガラスの灰皿で殴るというのはよくあったけど、
ガラスのごつい灰皿がどこにでもあった時代、ドラマや映画で「咄嗟にその辺の物で殴る系の殺人事件」の凶器にどれだけなったことか。バールのようなものの比ではない。禁煙が進んでこういう悲劇も減ったのか、それとも別の咄嗟凶器が現れたのだろうか。 pic.twitter.com/VqDOXPikxD
— 松田洋子 (@matuda) 2021年5月4日
簡単に割れたら凶器にならないだろ。ガラス瓶で殴るにしてもかなりの打撃の結果として割れるのであって、殴った瞬間に簡単に割れたら打撃を与えることができない。例えばただのプラモデルを打撃用の凶器には使えないだろ。「ガラスのほうが割れるでしょ」を聞いて絶句してしまった。
なおそのお土産を実家まで持ち帰った結果。兄のペナントはしばらく貼られてた。プロ野球球団でもないのに(以下省略)。オレの文鎮は大学進学で実家を出るまで無傷。実家に置いていったので今どうなっているかは知らない。弟のプラ製の置物は実家に帰るまでに鳥の羽部分が折れた。温度計が付いていたのでしばらく置いてはあったけど。
次はもう少し時代が進んで弟が高校生、オレが大学の冬休みで帰省していた時。TVの天気予報を見ていて「明日は朝から晴れ」「朝方は冷え込む」と流れてきた時の事。「晴れなのに寒いんだって」と言う弟。えええええ、高校生にもなって放射冷却理解してない?晴れだから寒いんだよ。晴れで暖かいのは日照があるからだろ。というか、冬場の天気予報ではよく放射冷却という単語が出てくるだろ。
オレは中学校からテニスをやっていたので天気予報を見るのは日常。中・高なんてほぼ屋外だけなので雨だとテニスにならないし。一方の弟は小学生の頃からアイスホッケーをやってて、八戸は屋内リンクもあるし屋外であってもよほどの大嵐じゃない限りアイスホッケーはできる。当時は天気予報を普段気にしなかったのかもしれないが、それにしても「晴れ=暖かい」に固定化され過ぎだろ。
単純化すればそれだけ処理は早いだろうけど、得た知識を仮置きしておいて、新たに情報が加わり精緻な知識に置き換えることができた時の快感はなかなか気持ちが良い。もう少しペンディングする気持ちがあってもいいのかもしれない。