笑いごとではない。
その結論はいつ出るんですか?何年後なんですか?道民は今年の話をしているんです。この冬の電力が確保できるなら原発だろうが何だろうが構わないんです。マイナス20度の極寒の中で凍死するよりマシです。
— 進撃の老人 (@caad12_caad122) September 11, 2018
ですよねー。
問題になっているのは苫東厚真発電所の全面復旧が11月以降になっているから。
すでに北海道では朝の気温が一桁の場所が出てきている。稚内では氷が張ったとか言ってるし。
泊原発再稼働に反対してる人間
— ウェスティン (@kazu_k7) September 10, 2018
これが北海道のリアルだぞ。
今の気温が13度。
明日、明後日の最低気温は1桁の予報。
これでまた停電が起きたらというのを頭の中で想像できるか? pic.twitter.com/OSczz1VFU7
130年ぶりに早い氷点下観測https://t.co/IgcoonduH3
— NHK北海道 (@nhk_hokkaido) September 11, 2018
秋分の日を過ぎれば日照時間ももっと加速度的に減っていくので、どんどん気温が下がる。日照時間が短くなるだけじゃなく寒気団も入ってくる。
札幌で今日9月12日は5:11に日の出17:51に日没、晴れなら12時間40分の日照がある。これが10月末には日の出が6:07日没が16:29で10時間22分である。
電力は現に足りていないのに、冬にはさらに電力需要が増えるのに、「凍死は無いと思いますよ?」って。なんだよそのクエスチョンマークは。なお東日本大震災の時は北海道では長期の停電はしていない。
最終的に泊原発を動かすか動かさないかは別として「動かすという選択肢を最初から除外する」という反原発は人の命を何だと思ってるんだろうな。
— tadataru (@tadataru) September 11, 2018
北海道の場合、断熱がきちんとしている住宅は多いけど、だからと言って数日間外気温がマイナス10度以下が続いている状態で暖房無しだと、間違いなく家の中もマイナスになる。
「北海道でもし冬に今回のような大規模停電があった場合にどうなるか」という話、「大勢死ぬ」「死人なんか出ない」という言い合いも生じてるようですが、現地の冬を知る道民として考えると、「具体的な人数はさておき、やはり相当数死ぬのでは」と思います。
— PKA (@PKAnzug) September 10, 2018
オレも2年間の札幌での貧乏学生生活で身に染みた。安アパートだから暖房しても室内マイナスとかあったし。若いからなんとかなったけど、幼児や老人は耐えられないよ。
ではなぜ停電状態で暖房できないのか?
北海道の住宅でメインで使用する暖房器具、いくつかの種類はあるけど基本的に商用電力を使用する。着火の時だけ乾電池を使うタイプ、対流型のたとえばこんなのとか、
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反射型のこんなのは補助的にしか使用しない。
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あと、こういう煙突が無いタイプは一酸化炭素中毒の危険もある。だから24時間暖房が必要な北海道では主力としては使えない。しかもぼんやり燃焼させているだけなのでそれほど暖まらない。
主力の暖房器具として使われるのは排気が外部に行われる器具だが、こういう石油ファンヒーターとか、
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ガスファンヒーターは電力が来ていないと使用できない。
また、こういうタイプの石油ストーブもやはり商用電力を使って風を送って燃やしているので、停電時に使用できないわけではないが燃料を最少にしないと不完全燃焼してしまう。
言うまでも無くエアコン等のように電気を使用する暖房器具だと、電気が無ければ使えない。そういえば、昔住んでいた家では横浜なのに暖房には都市ガスを使うエアコンで、冬場すごく暖かかった。
というわけで、今回の北海道胆振東部地震直後のブラックアウトみたいなことがあると、かなり危険である。
薪にしろとか石炭にしろみたいな話も出ているみたいだけど、どれだけ使うと思っているんだ?
その昔、家には石炭小屋があってですね、ひと冬分の石炭を備蓄しておったのですよ。北海道じゃなくて弘前の話ですよ。石炭ストーブにしろだの薪ストーブにしろだのという人たちは「備蓄」の問題をどう考えてるんですかね。灯油タンクは圧倒的に便利です
— kikumaco(10/29ベアーズ) (@kikumaco) September 11, 2018
薪ストーブ使ってます。
— ぬき (@nukipapa) September 11, 2018
メインの暖房に使うと関東地方でも年間4トンとか使うのですよ。
それを切って割って積んで1年以上乾燥させなきゃいけないので大変です。
人によっては伐採からやります。備蓄までのプロセスが色々あるんですよ。
とても人には勧められません。
オレも八戸出身で弘前よりちょっと寒いからよくわかる。祖父の家で薪”も”使ったり、学校で石炭使ったりしたけど、備蓄に使用する物理的な容積は半端ない。つまり容積と熱の関係を見ると、石油や、自宅に備蓄しない都市ガス以外は主暖房に使うことが難しい。
それに集合住宅では元々使用している石油ファンヒーター・ガスファンヒーター等以外に転換するのは物理的に難しい。マンションなんかは普通は煙突の穴が無いしな。開いているのはこういうタイプの排気口。
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一軒家で石油だとすると、家の大きさや断熱の具合によっても変わると思うけど、こういうタイプのタンクのデカい490リットルタイプとか使っている。Amazonで探したら250リットルが最大だった。490リットルはこれのほぼ倍である。多分「両面タイプ」とかになるんだと思う。実家でもこういうデカいのを使っている。
こういう室内に置くタイプだと、ヘタすると寒い日は1日に何度も給油することになる。
というわけで、家の中の暖房器具に絞って考えても停電の長期化・頻発化は危険である。さらに、停電時には調理の熱源を失う家庭も多いはず。また、停電を契機として物流が滞ったらもっと状況は悪化する。
あと、凍死についても誤解があるかも。
寒冷に起因する低体温が原因の死。寒冷によって血液の粘性が増加すること,末梢血管が収縮して心臓の負担が増し,心機能の停止を招くことなどが原因と考えられる。凍死は低温のほか湿潤,強風,飲酒,疲労,空腹などによって促進される。
凍死って「凍って死ぬ(こおってしぬ)」じゃなくて「凍えて死ぬ(こごえてしぬ)」だからね。
凍死無い派は北海道の冬を甘く見過ぎ、凍死の意味を知らな過ぎ。