昨日、こんなツイートが流れてきた。
ま〜た閣議決定。
— ポピュリスト監視で委員会 (@tonden2) 2017年4月4日
閣議決定の重さがどんどん失われて今や塵のような軽さになってしまった安倍官邸ww
閣議決定って政策について意思決定する場だと思ってたけどね…
https://t.co/KZMgjYCNX4
そのうちバナナはおやつかどうかも閣議決定されるな。
— 帰社倶楽部() (@kishaburaku) 2017年4月4日
昨日だけではない。
疑惑を晴らす責任は一切果たさずに、この「閣議決定」。なんでも「閣議決定」すれば片付くと思ってるのか? https://t.co/ZLDaNOV0gz
— 平野啓一郎 (@hiranok) 2017年3月28日
閣議決定のニュースが流れるたびに、「アベガー」連呼の人たちから「こんなことも閣議決定か~」のツイートが。多くて全部がTLに流れてくるわけでもないので、こちらでどうぞ。
で、なぜこんな下らないことを閣議決定しているのか。オレも疑問だったのだが、大屋 雄裕先生のツイートで理解した。
このニュースに《こんなことまで閣議決定するのか》とか騒いでる人たちがいるんだけど、書いてある通り質問主意書に対する答弁書だから閣議決定が必須なの。文句は主意書を出した方にどうぞ。
— Takehiro OHYA (@takehiroohya) 2017年3月28日
>政府、昭恵夫人に公用旅券 外遊同行、運賃請求せず https://t.co/LVH03yT697
いくら相手が法律の専門家でも、そのまま鵜のみにするのは、頭が鵜並みということになってしまうので自分で調べてみた。確かに質問主意書 - Wikipediaにもこのように書かれている。
その後、内閣総務官室、与党国会対策委員長への内容説明などののち、仮転送から6ないし7日後の閣議決定を経て、正式な答弁書として提出議院の議長に提出される。(太字下線はオレ)
要約すると、「議長が受け付けた質問主意書は内閣に転送され、担当省庁などが答弁書案を作成し閣議決定を経て議長に答弁書を提出する」という内容である。
いやいや、ここで色々な人が書くことができるWikipediaを鵜のみにするのかって話ですよ。
ソースがWikipediaでは裏付けが弱いので、もっときちんと国会法や関連法規を知る必要がある。
そこで調べてみると、参議院さんがきちんと書いていた。引用は少し長いが、きちんと読んでほしい。
質問主意書の最大の特徴は、本会議や委員会において議題の範囲内で口頭で行う質疑とは異なり、国政一般について問うことができることです。また、内閣の見解を確実に引き出せること、法律案と異なり議員1人でも提出できることも特徴となっています。
議員が国政について内閣に問う場合、例えば、委員会では、各議院規則で定められた委員会の所管事項外の場合には詳細な答弁は期待できません。また、本会議や委員会での質疑の場合、原則として所属する会派の議員数に比例して質疑時間が決まるため、少数会派の議員や会派に属しない議員にとっては必ずしも望んだ質疑時間が確保できない場合もあります。
これに対し質問主意書は、議院の品位を傷つけるような質問や、単に資料を求めることは認められないなど一定の制約はありますが、広く国政一般について内閣の見解を求めることができます。また、議員一人でも提出することができるので、所属会派の議員数等による制約もありません。
さらに、答弁書は、複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、閣議決定を経て、内閣総理大臣名で提出されます。このため、内閣の統一見解としての重みがあります。
これを読むとまず第一に、本会議や委員会等の質疑のチャンスが無い議員にも質問の機会があるということがわかる。これは、議員は国民から選挙で選出された代表者という背景を考えると重要な項目である。無所属や少人数会派で質疑ができない、あるいは十分な質疑時間が確保できない議員でも、質問主意書を提出して質問することができる。
第二に『複数の行政機関にまたがる事項であっても、必ず関係機関で調整され、(中略)~このため、内閣の統一見解としての重みがあります。』とある。本会議や委員会では、関係省庁が多岐にわたる場合は答弁者が続々と立つことになるが、質問主意書に対する答弁書では内閣の統一見解を得ることができる。
第三に閣議決定は必須と定められている。
そして、『議院の品位を傷つけるような質問や、単に資料を求めることは認められないなど一定の制約はありますが』とあるので、議長が認める質問主意書しか内閣に送られない。
というわけで、「バナナはおやつかどうか」を閣議決定するためには、質問主意書に対して議長の承認が必要である。議長次第では「バナナはおやつかどうか」を閣議決定可能とも言えるが。
日本は民主主義国家だし三権分立の法治国家なので、政権を批判することも非常に大切で、権利としても確立している。でも、
制度を調べればわかることを調べもせずに揶揄するのはカッコワルイ。
下らない内容の閣議決定は、下らない内容の質問主意書への答弁だからである。
どうしてブーメランが大好きなんだろう、この手の人たちは。
そんなオレは相変わらずバナナチップスにはまっている。
昨晩のお供はこれ。上記エントリでは紹介していない。
バナナチップスんまい。