こんなポストが。
この客のようなタイプの人はまあまあの割合で存在する。仕事とか日常生活とか色々な場面で遭遇するはず。
駅員さんも今まで接した客が「それなら西明石往復で」ばっかりだったのかな。良かれと思って提案するだけ無駄。通じないと思ったら表情のにこやかさはそのままに、新神戸往復切符売ればいい。
国鉄時代から往復切符は距離で割引の有無が決まるから、オレは時刻表に書いてある路線ごとの起点駅からの距離を調べたり、それが特別扱いされる区間(都区内均一など)とか調べて駅窓口で聞いたりしてたけど、
shigeo-t.hatenablog.com
それが普通・常識かというとそうでもないんじゃないかとは思っている。大体、子供の頃から長距離列車の指定席や乗車券を買う訓練なんて恵まれていないけど恵まれている環境でしか発生・頻度がない。恵まれていない(大都市圏等から見ると遠方に住んでいる)けど、恵まれている(大都市圏などに行く機会が数度ある)である。もちろん恵まれていない条件無しで大都市圏間を移動する機会がある子供も存在するけど、親などがチケット手配しちゃったら自分で調べて買う機会は無いしな。
ポストの件に限って論評してみる。
まず往復割引の規定があり、たまたまその条件に当てはまって近隣の先の駅まで購入する方がお得というコネタを理解できる頭があるか。今回のポストでは
「西明石まで乗らなくて良いんです。往復600km超えると乗車券が1割引安くなるんです」と丁寧に説明してたけど、客の方は聞く耳を持たなかった。
ということなので、まず理解できる範疇の話ではなかったのだろう。これって
がたまたまうまく組み合わされないと先の駅まで買ったほうがお得という話にならない。岡山まで買ったら安くはならないでしょ。さくっと運賃を調べてみたけど西明石までのほうが高い。新神戸までと西明石までは同一区間扱い(同一運賃)ではない。ということで運賃差額より往復割引の割引率が効くという形。
これ、図解すれば分かる人も増えると思うけど口頭じゃわかんない人には分からないと思う。
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東京から岡山間は片道601キロメートル以上ありますから往復割引の対象となります。「ゆき」、「かえり」とも732.9キロメートルで、切り上げて733キロメートルとします。これを721から760キロメートルの欄にあてはめると運賃は10,670円で、1割引すると9,603円。は数は切り捨てて9,600円になります。9,600円+9,600円=19,200円が往復割引運賃です。
実際には運賃にはリアルの数字を入れるんだけど、運賃改定後にも備えて運賃A,Bにしている。
また、なんで0.9?っていうくらい算数を忘れている人もリアルには存在するのでちゃんと※)を書いた。不等号そのものは忘れていても算数習った時に理解していなくても、リアルな数字が入っていれば大小の判断はできるでしょ、いくらなんでも。
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この時理解すべきことは、
- 往復割引の規定
- 西明石は新神戸の先
- 片道なら新神戸までより西明石までの運賃のほうが高いけど、往復割引適用後は西明石往復の方が安い
- 途中下車有効(西明石までの乗車券で新神戸下車はOK)
である。多分この客は「会社の領収書として使うので、新神戸までで」では無さそう。並以上のビジネスマンなら交通費を支払う時は交通費精算は常に念頭にある。すぐにそういう回答が出る。
買う手間一回の利便性のみで往復切符を欲しがったので、#1を理解する気が無い。初手でつまづいているので、ここから先はムダである。そこのあなた、そういう人は復路分の切符を無くしそうとか言うんじゃない。自動改札機に3枚(往路指定席、往路乗車券、復路乗車券)まとめて入れそうではあるが。復路指定席も買ってたら4枚か。重ねて(あるいは連続で)投入できるタイプの改札機が悪い(いや、違う)。
駅員さんなら、「あ、これは今回出してはダメです」って返してくれるけど(昔は割とよく見た)。
あと、通学定期、通勤定期を買う時に同一料金区間のちょっと先まで買うっていうテクニックを使っていたりすると、「おおっ」ってわかりそうなもんなんだけど、そういう経験も無かったんだろう。たまたまそういうテクニックが効く区間では無かったか、そもそもそんな発想が無いか、そんなセコいテクニックを使う必要が無い大金持ちか。
定期券の場合、記名者本人が規定内で正規に使う限り定期区間が含まれていれば日に何度使っても途中下車も乗り越し(追加運賃は発生する)も途中から他路線も自由である。
へえ日テレ、商標押さえてないんだ~
いやこれわかんない人いるのか?って思う人が大半じゃないかと思うけど、多分初手からつまづいているので、こういう客に当たってしまった駅員さんにはすみやかに新神戸往復の発券を求める。