朝の散歩では、もふもふタイム以外は色々考え事をしながら歩いている。その日や仕事などの段取りだったり。
歩きにしたことで、交通安全関係の注意割合は相対的に減った。散歩コースは全ての行程において、きちんと歩道が独立していてガードレールがある。そのため、横断歩道歩行時以外は歩道を走ってくる自転車や、歩道を横切って建屋などに出入りする自動車などに注意すればよい。早歩きなので6km/h程度、加害側にはなりにくい。
そんな中、この頃気になっているのは、商用車の車体に書かれている書字方向である。見ていると、どうやら車体右側は右から書かれているようだ。もちろん、昔に比べると左からの割合の方が多い。
横書きは歴史が短い。せいぜい200年程度のようだ。
横書き登場―日本語表記の近代 (岩波新書 新赤版 (863))
- 作者: 屋名池誠
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2003/11/20
- メディア: 新書
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戦前までは右からが主流だったようだ。
現在は戦後生まれの割合が多く、そのため多くの人は横書きは左から右で習っている。横書きの文書、文章はほぼ左から書かれている。昔の文書以外で右から書かれたものに接する数少ないチャンス(?)が、車体右側の右から書かれた社名などである。
車体右側としているが、車体左側はほぼ左から右に向かって書かれている。道路を歩いている時にちょっと見て欲しい。
車体に社名を書くということは、社名を周知したいということだろう。しかし右から書かれると、一瞬読めない。社会式株と書かれていると。「社会式の株?いや株式会社を右から書いたのか」という変換が必要である。このように決まった単語なら、頻度も多いのでそれほど読むことは難しくない。今まで見た中では、これは読めないというのが下記の写真である。
文字数多すぎ。「。すまいてし用使を料燃ルゼーィデルブタジベ」分からん。右から読んでみると、「植物廃油をリサイクルしたベジタブルディーゼル燃料」ということらしいが、なぜ車両に書くにはかなり長い文章を右から書いた?
歩きながらなのであまり写真は撮れていないが、社名などが右から書かれている車両の多くは運送業やダンプカーなどである。散歩コース上の路線バス各社、法人タクシー各社は左からである。個人タクシーなどではたまに右からを見掛ける。
漢字のみ、あるいは、漢字とひらがな、漢字とカタカナ交じりは右から書かれているものを見掛ける。上記のルゼーィデルブタジベ燃料トラックのように3種交じりもある。
一方、ひらがなのみ、カタカナのみは右から書かれると分からないためか、あまり多くないようだ。法人格を入れると漢字が入るし。しかし、㈲や㈱㊑㍿(記号で機種依存)というように一文字で処理されているとひらがなのみ、カタカナのみと変わらない。
アルファベットだとさすがに右からは無いだろうと思ったら、裏焼きがあった。見えにくいがトラック後方にはNU company(companyは筆記体)とあるし、筆記体部分が裏焼きだから裏返しと分かるが、アルファベットだけだと一瞬読めない。
右から社名などが掛かれている車両は、大きい車だけではなく、軽自動車まで存在する。車の大小ではなさそう。
という感じで資料集めはまだまだこれからといったところであるが、「なんで右から書くの?」というところが最大の疑問である。右から書いている会社の決定者に聞いてみるしかなさそうだ。だって右から書いてあると読みにくい。宣伝効果を狙って書いているなら、その目的を達していないことになる。なんで?