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(実質的な)フルスタックエンジニアって日本に存在するんだろうか

久しぶりに「フルスタックエンジニア」って単語を見た。 

必須経験:フルスタックエンジニアの実務経験3年以上(笑) - カレーなる辛口Javaな転職日記

フルスタックエンジニアふたたび、蘇るフルスタックエンジニア、帰ってきたフルスタックエンジニア、えーとあとなんだっけ?

2015/09/10 07:58

このブログで調べているように、

これで「2013年6月14日」.しかも,たぶんこれはシリコンバレーの話で,おそらくこの時点では日本でそういう求人はない.

でみると,上記Publickeyの記事があった2013年6月に始めのピークがあり,その後2014年4月まで綺麗に0.2014年5月に次のピークがやってくる.
おそらく,日本での求人は早くても2014年5月.実質はもっと後だろう.

実務期間3年はほぼ無理。

 

2014年5月のピークで便乗商法は出たのは既報通り。エントリの日付を見ると2014年6月末。

講座を無事開催できたのか、カリキュラムを完遂したかどうかは不明だが、2014年7月からの募集だけでその後の募集は行われていない。もちろん、申込のページがhttp://のままという点も直っていない。そういうレベルなので(詳細は上のエントリで)、まあこの講座を受講しても「どこに出しても恥ずかしいフルスタックエンジニア(笑)」しかできない。

 

で、必須経験:フルスタックエンジニアの実務経験3年以上(笑) - カレーなる辛口Javaな転職日記と同じ感想は持ったけど、同じことを書いても仕方ないので、まず誰がフルスタックエンジニアって言いだしたかを載せておく。

まず必須経験:フルスタックエンジニアの実務経験3年以上(笑) - カレーなる辛口Javaな転職日記から引用。

 ちなみに「株式会社ファーストリテイリング フルスタックエンジニア」 http://www.find-job.net/list/j108426.html は「この求人広告は一時的に非掲載となっております。」になっている。魚拓の方を見て頂きたい。

そして大喜利会場ははてなブックマーク - 株式会社ファーストリテイリング - フルスタックエンジニアの転職・求人情報 | Find Job !である。

 

多分ファーストリテイリングは、六本木にシリコンバレーかなんかで働いているfull stack engineerを呼びたかったんだよ。それなら給与は円安を考慮すべきだと思うけど。

 

ここまでが前振り。実務期間3年は措いといても、日本に「実質的なフルスタックエンジニアって存在するんだろうか」問題。

だって、こんなバカ案件が話題になる国だよ。 

軽減税率の還付金額 上限4000円で検討(日本テレビ系(NNN)) - Yahoo!ニュース

所得を捕捉するんだから、所得が低い世帯の所属税減税でいいじゃん。

2015/09/08 13:33

昔からの知恵、ネッティング(相殺)だろmax4,000円なら。所得に合わせて所帯別に外形標準課税(Wikipedia)ならぬ外形標準減税しとけばOK。ポイントだの軽減対象商品を扱う店舗にカードリーダーだのマイナンバーを隠すカードホルダーだの、下らねえ。作るんじゃねーよ、こんなもん。

 

別件(焼きそばとか)で大変盛り上がったドワンゴのあの件。日本にフルスタックエンジニアは存在しないんじゃないかと思える要素が詰まっている。ちょっと長くなるけど引用する。

— naoya:そういう風に言いつつ、かなり動かれたって聞きましたよ? 当時、インフラエンジニアとアプリケーションエンジニアの間で、サーバーシステムに触れるかどうかの線引きのルールができてしまっていたと。でも、『ニコニコ動画』みたいな、大規模トラフィックのサイトっていうのは、アプリケーションエンジニアも、インフラを触れた方がいいはずなのに、そこに組織的な壁ができてしまって動きにくかった、って。その打開に向けて、政治的問題をいかにうまくさばくかということを、権限で補うしかないってことで、川上さんが動いた、って聞いたんですけど。

— 川上:インフラの問題を解決しなきゃいけない、っていう結論はみんな見えていたんだけど、それを決断できる人っていうのが、現場のエンジニアの中にいなかった。経営判断として上から落とすしかないと思った。なので最初の決断だけ、僕がやりました。

— naoya:やっぱり揉めましたか?

— 川上:そりゃ揉めましたよ。実はその頃、インフラエンジニアが10人くらいで、仕事量的には30人くらい必要なことをやっていたんですよ。いきなり求人出して人を増やすっていっても、10人を倍の20人にするのも難しいわけ。仕事がきついから数人採っても、すぐ数人辞めてしまうんです。まったく増えないw そこで考えられる唯一のソリューションは、サービスを開発しているエンジニアをインフラエンジニアに一挙に10人コンバートするっていうもの。本当はもっとコンバートしたかったけど、元が10人しかいないから、インフラ側で受け入れられる人数も10名が限度だろうと判断しました。この方針を開発エンジニアとインフラエンジニアの両方に説得することからスタートしたんですよ。

— naoya:「君、インフラやってみない?」って、一人ずつですか?

— 川上:基本は志願者を集めたんですよ。各部署ごとにインフラをやりたい人、やりたくないけど会社のためにやってもいい人、やらされたら辞めるだろう人、それぞれ何人ずついるかを報告させたんです。インフラエンジニアにコンバートされるぐらいだったら辞めるって人多かったですよ。

— naoya:やっぱりなにもやってなくないじゃないですか。それって結構大変だと思うんですけど…

— 川上:大変でしたよね。でも、それで、インフラに対して文句言ってたセクションマネージャークラスの人間が、じゃあ僕たちがやるしかない、っていうんで名乗り出てくれたんですよ。彼らがインフラに異動してくれて、そこからは風通しもよくなっていって、だんだんと落ち着いていったんです。

— naoya:そんな風に、技術の問題というより権限や組織構造の問題的なことがボトルネックになっていたことって、他にもあったんですか?

 ドワンゴみたいな会社でも、ある程度の規模になって以降は、インフラ側だアプリ側だって別れてしまう。まあ仕方ない側面はあるが、上から下までレイヤの全てを面倒見る現場のエンジニアはいなくなる。そしてセクショナリズムが生まれる。上と下、左と右で違う考えで作ってなんてことをやって、それを組み合わせたら、そりゃ問題も起きるというもの。

運が良ければ、上から下まで全てのレイヤをデザインするアーキテクトはいるかもしれない。それなら問題が起きる確率は下がると思うけど。

ちなみにみんな大好き(批評対象として)SIerは、もっと分業制なのでフルスタックエンジニアが生まれる素地はほとんどない。 

システムアーキテクチャ構築の原理 ITアーキテクトが持つべき3つの思考 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践)

システムアーキテクチャ構築の原理 ITアーキテクトが持つべき3つの思考 (IT Architects’Archive ソフトウェア開発の実践)

 

 

引用した部分では、コンバートしたからある程度問題を改善できたという話になっているけど、じゃあそういうコンバート話がよく聞かれる話かといえばほとんど聞かない。

 

立ち上げ段階、少人数で全部をやってる時にキャリアをスタートしたエンジニアは、フルスタックエンジニアになれる可能性はある。でも、そのあとフルスタックであることを意識しながら働くのは至難の業。自分の意思と関係無く、アサインされた作業に注力しなければならないのは担当者として当然。フルスタックと言えるほど全てを把握するためには、ある程度の期間が必要。ある程度キャリアを積んで、フルスタックエンジニアであろうとした時、多分自ら担当してこなかったレイヤが足を引っ張る。

 

というように考えてみると、フルスタックエンジニアになるためには、人材の流動化がもっと必要。フルスタックエンジニアが必要とされる小中規模のプロジェクトを、一定のタームで複数渡り歩くことが可能でなければならないのではないか。 

何年間も同じ会社にいては、やはり組織の一員としての影響が大きい。ビジネスがうまくいけば要員規模も大きくなり、それに伴い担当範囲は狭まりかねない。 

そんなわけで今の日本のITエンジニアには、フルスタックエンジニアでいることが難しい環境ではないかと思う。