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てきとーに生きている奴の日記

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理解に苦しむ形状のバス停が増えている@横浜

オレが散歩で歩く範囲やバスによく乗る範囲は西区・中区なのだが、いくつかの新型屋根付きバス停の形状が理解に苦しむ。

こういうものは、文章で説明する前に写真で見てもらったほうが話が早いので、まずは写真を貼っていく。どう使われているかも写真に撮ればいいのだろうが、色んな人が映りこむと色々問題が生じるので、誰もいない早朝の写真である。

理解に苦しむバス停の形状

外観

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屋根があり、ベンチがあるところまでは見て頂けるだろう。

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デジタルサイネージが進行方向に付いている。ロール式で広告の中身が変わる。バリエーションとしては、広告の位置と時刻表掲示位置が逆転しているバス停もある。

理解に苦しむベンチ設置位置

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ベンチのサイズは、真ん中の仕切りを中心に左右に目測90cm。上の写真でも分かるように進行方向には子供でも足が入る隙間が無い。

つまり道路向きには、せっかくガラスで道路の状況を視認できるような構造を持っているのにも関わらず、もし座るとすると道路に背を向けることになる。

ところが別バージョンも存在する

外観

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基本的な構成要素は、上の道路に背を向けるタイプのバス停と変わらない。屋根、進行方向の非デジタルサイネージ、ガラスの風除けとガラス部分に掲示された時刻表、ベンチである。

道路に向かって座れるベンチ

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このタイプはベンチも大きいし、道路向きに座れる。仕切りの位置がヘンだけど。

道路に背を向けて座るタイプのバス停で座って待っている人を見ることはまれ

ベンチは幅が狭く、詰めれば4人座れるわけだが、まともに座っているところを見たことが無い。座っていても乗降口側に一人が進行方向を向いて腰掛け、もう一人分は荷物を置いている。あとは空きかやはり荷物置き。

いや、座れと言う方が無理がある。道路に背を向けていたら、バスが来たかどうかを視認しにくい。音では分かるが。バスの乗客全てが、聴力や、聞いたあとの判断が正常ということはあり得ない。

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複数の行先のバスが来る場合は、どの行先のバスが来たのかを確認したい。このベンチ形状だと左から(1)(2)|(3)(4)と番号を振ると、(2)(3)の人は完全に道路に背を向けることになり、よほど待ち時間に余裕が無いと座る気にならないのも当然である。乗降口と「並んで待つ」の関係性からいえば、最初に来た人は一番視認しやすい(4)を真っ先に選べない。後から来た人は、先に来た人がそこらで並んで待っている時に、座るという選択は難しい。

あと目測90cmと書いたが、この幅だと1人分45cmとなり、小さい子供や小柄な人以外、2人座ると密着する可能性が高い。電車のベンチシートならともかく、この空間構成で密着して座っているのは他人同士なら無理がある。 

人と人との快適距離―パーソナル・スペースとは何か (NHKブックス)

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家の近くのバス停も道路に背を向けるタイプが設置されたので、工事中に見ていてわかったことがある。このタイプのバス停を設置するためには、設置場所の歩道に穴を掘り、土台を作って固定する。屋根を2本の角鉄柱で支える形状なので、適当に置くことはできないだろう。ロールスクリーン式のサイネージも重そうである。非常にバランスが悪いので、耐震性は心配である。分かったことは穴を掘る数と場所である。

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道路向きに座れるタイプはバス停側鉄柱2か所、ガラス部分2か所の計4か所、ベンチは離れた場所に3か所である。全部で7か所ということになる。

一方、問題の道路に背を向けるタイプは角鉄柱2か所、ベンチ+ガラス部分2か所、全部で4か所である。ベンチの足がガラスも支えている。フットプリントが小さい。多くの人はバス停の脚部分をフットプリントとは言わないだろうが。

フットプリントが小さいという事は、つまり工事費用も安く済むのである。掘削の数は確実に工事費用に影響する。また、設置場所となる歩道によっては、埋まっている物を避ける意味でも簡単になる。道路のヘリ(車道・歩道の境目)に様々な管を通すことは少ない。歩道を通すとしても、歩道中央部に通すことが多い。車道側から歩道に入ってくるものは、バス停設置の際に避ければよいだけ。ベンチ部分が別になっている道路向きに座れるバス停の場合、ベンチ設置場所に何も埋まっていないことが前提となる。

 

しかしである。やはりバス待ちをしている人たちに安心して使ってもらうということを考えれば、道路に背を向けて座るタイプはあり得ない。ベンチ無しのほうがまだマシなんじゃないだろうか。並んで待つことをアフォードするし。またベンチを設置するにしても、ベンチは今まで通り、簡易に固定するもので良い訳だし。 

新版 アフォーダンス (岩波科学ライブラリー)

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両タイプとも、同じような部材が使われているので、どこかの企業の工業製品なのだろう。しかし、いくらカタログに載っていても、バス待ちする人の心理を考えれば、道路に背を向けるタイプは普通は選ばないだろう。つまりカタログに載せている企業側の問題では無く、設置者(選定者)側の問題と考える。

この形状のバス停、横浜市内でしかまだ見ていないのだが、工業製品だとすると他の都市でも採用されている可能性がある。どちらのタイプを設置しているのだろうか? 

となりのトトロ 【バス停】

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