隣りの部屋で大音量発生中。なんかこないだウチの部屋でやってたようなコンクリ部分にビス打ちしているような音。隣も漏水?そろそろ一度大きく直す必要がありそうだなこのビル(挨拶)。
スピード測定の追試を行った。暦の上はで秋だがまだ夏の気温なので、題名では夏が続く。
追試の条件は下記の通り。
- enchantMOONとThinkPad Tabletの2台でサイクリックに計測(前回は他にW520,AT3S0,Surface RTを使用)
- 無線LANルータ(WZR-HP-AG300H)まで約1mの距離にenchantMOONを設置(前回は遮蔽物あり約3m)、ThinkPad Tabletはそこから約+0.1m
- 使用するサイトはRapidnet(同じ)
- 測定回数は同じく20回
今回明らかになったのは、やっぱりenchantMOONの無線LANは感度が悪いということ。下りの平均、中央値、最頻値いずれで比較しても、enchantMOONは約2Mbpsの向上。ThinkPad Tabletの下りは平均で約0.2Mbps、中央値、最頻値で0.1Mbpsの違いで大きな差異は無い。同様に差分は小さいが、enchantMOONは上りも向上している。
もう一つ目立つ数値はenchantMOONの下りの標準偏差や分散。前回と比べて明らかに小さくなっている。無線LANルータと約1mでスピードテストすることで、計測値のばらつきが減少したことを示している。標準偏差で約5分の一、分散では約26分の一である。ThinkPad Tabletでも、もともとの値は小さいながらも標準偏差および分散の値はさらに小さくなっている。
これで仮説の一つであった「無線LANの接続がギリギリで回線速度にムラが出る」ということが実証できた。
前回値と追試値でExcel2003のftest関数を用いてF検定も実施した。ThinkPad Tabletの上りのF値のみ0.05を超えていて分散が同じといえる。一方、enchantMOONの上り・下り、およびThinkPad Tabletの下りは0.05を大きく下回っており、同じ分散とは言えない。enchantMOONの下りに至っては、1.58332×10^-9とかなりF値が小さい。
今回の計測では、enchantMOONとThinkPad Tabletの標準偏差・分散の値が近似している。一方で多少enchantMOONが有利と思われる無線LAN環境においても、enchantMOONはThinkPad Tabletよりも速度が出ていないという計測値である。
ここから導かれる答えは、enchantMOONのOS(及びブラウザ等関連ソフトウェア)・ハードウェアの組み合わせはThinkPad TabletのOS(及びブラウザ等関連ソフトウェア)・ハードウェアの組み合わせよりも性能が劣るということである。
まわりくどい表現だが、enchantMOONのOSであるMOONPhaseはAndroid4.0.4ベースのOSで、ThinkPad TabletのAndroid4.0.4と全く同じとは言えないから仕方ない。前回の調査でブラウザはWebkitの同じBuildなのでほぼ同じということになる。無線LAN廻りは多分ハードウェアに差異があるはずのなので、ドライバは異なるだろう。
まあ、まわりくどい言い方をやめれば、enchantMOONが劣る計測値の理由はハードウェア差「バックグラウンド処理が重い」「CPUあるいはメモリに余裕が無い」ということになる。
無線LANのざっくりとしたシグナル強度は、ThinkPad Tabletに入れたWifi Analyzerで測った。上のスクリーンショットはThinkPad Tabletの計測場所、中のスクリーンショットはenchantMOONの計測場所のものである。少しの差だがenchantMOONの測定場所のほうが良い条件である。
下のスクリーンショットは無線LANルータ近傍のものである。距離が離れることに応じて強度が低下することが分かる。数字が分かるスクリーンショットを撮ればよかった。後の祭りだピーヒャララ。
今回実測を思い立ったきっかけは、enchantMOONの遅さである。使っていて気になるアクションフィードバック(操作してから動作するまで/操作したときに操作したというフィードバック)の遅さについては、これまでの回線速度計測に含まれていない。
含まれてはいないが、本来ほぼ同じ(あるいは上回る)計測値となるべき回線速度に差異が発生する理由がハードウェア差ということになると、利用者が期待するアクションフィードバックを実行できる機体では無いということになる。有体に言えばもっと高性能の機体じゃないと、enchantMOONのようなUIを作っちゃいけない。製品企画ミスという結論。
enchantMOONの場合はペン書き、手書きのコマンド・操作指示を読んで処理を行う。通常のAndroid端末では、目的のアプリのアイコンをタップすればアプリの起動が行える。もしくは常時表示されていて操作すら必要が無い。
性能面から言えば、操作が発生する可能性を少なくすることも、UIのデザインに含まれるべきではなかったか。もしくはenchantMOONで実現したかったことを実現するに足る性能を持つ機体を使用するか。コスト/プライシングを折り合わせるために、機体を安く上げたことによって、本来必要なレスポンスを実現できていない。どうせAndroid上に作るんだったら、デジタイザペンが使える推奨ハード+MOONPhase仮想マシンみたいな形のほうが良かったと思う。
そうそう、ThinkPad Tabletはデジタイザペンが使える。
以下、enchantMOONとThinPad Tabletのハードウェアスペックである。タブレットについて言えばThinPad Tabletは2011年夏(2年前)の商品なんで、すでに数世代前という日進月歩のカテゴリーである。
- AllWinner A10 1.2GHz(シングルコア)
- 8インチXGA
- RAM 1GB
- ROM 16GB
- 専用デジタイザ・ペン
そういえば、単6電池買ってこなきゃ。ThinkPad Tablet用デジタイザ・ペンの電池が切れた。enchantMOON用ペンから電池を抜いて使用中。enchantMOONのペンはいつも使う前に探す儀式が行われているので、なんか紐で本体に括り付けようかな。ペン用のストラップだけっていうのは売ってないな。