え?そうなの?
whenをifみたいに言う文法レシピ本でしか見ないんだけど、誰か元凶がいるんだろうな pic.twitter.com/2ddMS0UFnp
— 𒁃 (@eSgfa_) 2024年8月8日
関西弁に when と if の区別がないから誰を真似るでもなく関西弁母語話者が「標準語」っぽいものを書こうとすると自然とこうなります https://t.co/Q4OwS8T1fv
— ふとずし (@futozushi) 2024年8月8日
今まで見てきたレシピで気にしていなかった。というわけで検索してみた。「溶け出せば」「煮立てば」「柔らかくなれば」の中でも料理以外で使われなさそうな「煮立てば」を検索する。
まず先頭は辞書。
よくわからねえ。
とりあえず「煮立てば」に注目して検索結果のスクリーンショットを貼っておく。
最後の柳原先生(調べてみると東京出身っぽい出身校ばかり)を除くと、分かる範囲では西日本が強い。宝酒造、京都市、広島市、四国電力、ダイエー。
鉄塔好きはいるだろうけど、鉄オタみたいに悪目立ちしないからそりゃレアだろうな。
送電 ってところが渋い。
脱線(いや、断線か?)している場合では無かった。「溶け出せば」「煮立てば」「柔らかくなれば」の件を追う。スクリーンショットの中にもある専修大学の記事がわかりやすい。
先月のコラムの続きのような話ですが、それはそれとして。 私が「あらあら?」と思ったのは、
(2) (1)が煮立てば、冷凍そばを入れ、強火で約1分煮ます。
の部分です。ここは私の語感では
(2) (1)が煮立ったら、冷凍そばを入れ、強火で約1分煮ます。
であってほしいと…。
そうですね。
先月のコラムでも話題になっていましたが、これは日本語学・日本語教育学の分野では「条件法」(~と、~ば、~たら、~なら)としてとても重要な研究対象になっている表現です。これらの表現が全国共通語でどのように使い分けられているか、その原則をここで述べるのは話の中心から逸れるので、詳しいことは文法の授業で学んでもらうことにして、先に進みます。
方言研究者の間では、条件法が現れる文脈で、関西では「~たら」が高頻度で使われることが以前から知られていましたが、客観的なデータとしてそのことが明らかになったのは、国立国語研究所の研究成果『方言文法全国地図』(全6集、1989年~2006年)が初めてだと思います。
『方言文法全国地図』は電子データでも公開されているので、ちょっと見てみましょう。例えば、条件法に関する調査項目のうち、項目番号167「降れば(船は出ないだろう)」では、「~降ったら」系の赤いマークが関西に多いことがわかります。
これ以上引用すると引用要件満たさなくなるので、あとは割愛。
いやあ、知らなかったけど「関西弁に when と if の区別がないから誰を真似るでもなく関西弁母語話者が「標準語」っぽいものを書こうとすると自然とこうなります」の信憑性が高まった。
これ書き終わったらTogetterでまとめできてた。まあ、個人の感想と研究者の実例を挙げた例示とどっちを選ぶかって話に。