春の全国交通安全運動の期間中。また警察やその協力者の道交法違反が繰り広げられる時期がやって参りました、みなさまいかがお過ごしでございましょうか?(挨拶)。というネタを書こうと思ってたけど、まだ根拠法を色々チェックしているところなので後回し。道交法的には町内会とかのおじさんおばさんが、横断歩道で勝手に交通整理しちゃいけないはずだよとか、大きい交差点近傍の歩道上に安協のテントが建ってたりするけど、道路占有許可証を掲示しているのを見たこと無いよねとか、交機が違反車両の陰に隠れて取り締まりしちゃまずいだろとか。
怒りが有頂天のあまり(誤用)、前置きが長くなりました。先にお約束を書いておきますが、トラックバック打てないはてなブログはくs もとい、うんこ。
題名の通り、馬鹿のせいでMVNOでLINEが使えない落とし穴がどんどん深くなる | More Access! More Fun! を読んで、反対意見というよりは補足を書いておくべきかなと思ったので。ネタの再利用とも言いますけど。
上記のエントリを要約すると、下記のようなことになるでしょうか。
- ガンガンSIM差し替えや端末取り換えしているとLINEのIDを移す苦労がある
-
「LINE電話」における端末・電話番号確認プロセスの強化について : LINE公式ブログのせいでさらにめんどくせえ。
- エロ馬鹿と金の亡者がネットをどんどん不便にする
- 『個人確認の手数料を有料にしてもいいから、まともな人がフツーに使えるサービスにして欲しい。』
LINEを使う気もないし今のところ使う予定もないので、LINE電話Android先行オープン(原文ママ)以降ニラヲチしているだけのわたくしとしては、LINEアプリとMVNOのSIMの件はいい検証だなあと思うとともに、LINE電話/LINE Callの番号偽装問題ウオッチャーとしてちょっと書いておきます。
【決定版】MVNOでLINE電話をしよう!発信がLINE電話、着信がSMARTalkで決まり! - マネー報道 MoneyReport についてはまあ、LINEアプリの新バージョン出てから再度検証要ですね。
本件、番号偽装というよりは番号詐称という表記のほうが実態に近いと思いますが、番号偽装の方の検索が多そうなので以降番号偽装で。
■関連エントリ(古い順)
LINE電話の番号偽装問題
まず時系列に状況を整理
- 2014年2月26日 LINE電話/LINE Call発表(発表内に、すでにdocomoでは非通知扱いであることが記載されている)
- 2014年3月17日 Android先行オープン(原文ママ)
- 同日すぐに番号偽装可能である検証が出る LINE電話で発信者番号通知の偽装ができる件 - kanai6274's blog
- 2014年3月28日 「LINE電話」の仕組みに関するご説明 : LINE公式ブログ
- 同日 執行役員Twitterで発言
【ご報告】LINE電話の件、皆さんのtweetなど拝見いたしました。ありがとうございます。ご指摘いただいている点については、さらに安心してお使い出来るよう強化策を実施することを先ほど決めております。来週中を目処に適用することで動きます。
— 舛田淳 (@masujun) 2014, 3月 28 - 2014年3月31日 KDDIとソフトバンクが「電話番号偽装」問題にコメント――ソフトバンクは非通知対応も検討 - ITmedia Mobile
- 2014年4月4日 「LINE電話」における端末・電話番号確認プロセスの強化について : LINE公式ブログ
「先行オープン」てのはすごい表現だなあ。3月から使えるようにするという記者発表をしておいて、3月後半に「先行」という表現はすごい。そしてサイトならオープンだけど個々の端末で動作するアプリで「オープン」ていう表現は他で見た記憶が無い。しかも「Android版LINEの最新バージョン(ver. 4.1.0)で「LINE電話」がご利用いただけるようになりました!」ですよ。オープンの要素が無い。どこがオープンなんでしょうか。普通に「リリース」でいいんじゃないでしょうか。
番号偽装できた場合の図
どうでもいいところを突っ込みました。済みません。番号偽装できた場合、どういうことになるかを図解しました。
図のようにBが掛けた電話の発信者番号は、被害者Aの090-MNO-PQRSを通知しています。こういう番号偽装では悪用したとすると、図のようにいたずら電話(しかも自分側は隠れたまま金を掛けずにDoSできる)か、折り返しの電話は自分にして欲しくない詐欺者ということになります。折り返しの電話は自分に欲しくない詐欺の場合、一発目の電話で詐欺を完結させるか、何度目でも必ず自分から掛けなければいけません。何度目でも必ず自分から掛ける場合、詐欺を成立させるのはちょっと難易度が高そうです。何度か電話のやりとりをするタイプの詐欺では、確実に自分に折り返してもらう必要があるため、この番号偽装を使う意味はありません。
LINE株式会社の対応の問題点
今回の対策内容とauやSBMの動き
前回「LINE株式会社がLINE電話/LINE Callの番号偽装問題の対策内容を発表したので意見と今後の予想を書いてみる」ではさらっと書き過ぎました。もう一回LINE株式会社にもわかるように噛み砕いて書いておきます。
まずdocomo。ふぉーんなハナシ:LINE電話で発信者番号が通知されない理由をドコモに聞いてみた - ITmedia Mobile にあるように、docomoはLINE電話/LINE Callを非通知扱いしています。
ドコモ広報によると、「LINE電話では、1度国際網を介して相手の端末に発信することになります。弊社では、電気通信事業者協会(TCA)が定めた『発信者番号偽装表示対策ガイドライン』に準じ、ドコモ端末以外からの国際電話は基本的に『非通知』などの表示となります。ただし、海外にはさまざまな事業者があるので、それら全てを非通知にするように対応できているわけではありません」とのことでした。
このガイドラインは、発信者番号の偽装による悪質な犯罪を受けて、TCAが2005年7月に策定したもの。LINE電話の登場で改めてスポットを浴びる話題になったようです。Viberが提供する「Viber Out」などの電話サービスも国際網を介して相手の端末に着信が来るので、同様の措置が取られています。ただし、「海外からドコモの端末で発信した際は通常通り発信者番号が通知される」とのことでした。
前々回の「KDDIとソフトバンクがLINE電話/LINE Callの番号偽装問題に見解を出したので意見と今後の予想を書いてみる 」(すみません、毎回わざと題名を似せているのでどれがどれやら分かりにくいです)に書いたように、auやSBMもdocomoと同じようにTCAのガイドラインに沿った対応に改める可能性が強まりました。具体的にはKDDIとソフトバンクが「電話番号偽装」問題にコメント――ソフトバンクは非通知対応も検討 - ITmedia Mobile にあるように非通知対応です。auは非通知とは言っていませんが「シャットアウトの方法は」と言っているので、非通知かそれ以上(シャットアウト≒繋がない?)ということですが、いくらなんでも繋がないのはやり過ぎなので穏便な対処を考えれば非通知扱いでしょう。大穴は国番号+81以外の識別番号を付けての発信者番号表示ですが、番号偽装には対応できないので意味ありません。
KDDI広報は「現在非表示対応は取っていませんが、弊社もTCAのガイドラインに準じた対策をしてきました。また、今後も対策をしていきます。それは弊社のポリシーにのっとったもので、シャットアウトの方法は他社と異なるかもしれません」ということだった。また、ソフトバンク広報は「これまでもTCAのガイドラインには準じてきましたが、今後は対策を一層強化していきます。セキュリティの問題もあり詳細は話せませんが、非通知対応も含めて検討中です」とコメントした。
LINE株式会社の「LINE電話」における端末・電話番号確認プロセスの強化について : LINE公式ブログの対策内容は下記の通りです。
まず、第一弾として、4月中を目処に現行バージョンのアップデートを行い、下記の端末・電話番号確認プロセスを追加適用いたします。
- 端末のSIM情報の確認
- ネットワーク接続状況の確認
- 不正使用検知アルゴリズムによる確認
上記の確認要件のうち、いずれかもしくは複数が確認されない場合、電話番号を利用した再認証を行います。再認証が完了しない場合、当該アカウントからの「LINE電話」での発信は全て非通知となります。
なお、今後提供を予定している上記を適用した新バージョンを公開以降、現行バージョンで「LINE電話」を利用する場合には、全ての番号が非通知となります。ご利用の皆様には、最新バージョンへのアップデートへのご協力をお願い致します。また、再度の電話番号認証をしていただく場合がございますので、ご了承ください。
つまり、番号偽装問題(2014年3月17日発覚)についての対応です。2014年3月28日の公式ブログの発表内容で沈静化できなかった番号偽装問題に対し、執行役員がツイートした発言への対応ということになっています。この内容なら番号偽装はほぼ無理でしょうけど。
ここでLINE株式会社は対応を間違っています。ITmediaの取材ベースですが、2014年3月31日にはauやSBMも非通知対応する可能性は公知の事実となっています。docomoに加えてauがSBMが非通知にしてしまえば、LINE電話からの着呼は多くの携帯電話で非通知ということになります。現ソフトバンク傘下、6月にヤフー傘下でY!mobileとなるE-MOBILEとWILLCOMも追随するかもしれません。そうなると国内の携帯電話キャリアとの契約で動いている携帯電話は、ほぼ全てLINE電話を非通知扱いにすることになります。MVNOの場合、MVNOとMNOであるdocomoとの契約形態に依存しますが、電話部分をdocomoの設備で動かすのであれば、docomoの仕様=非通知ということになります。データ通信部分よりも面倒で金が掛かる電話部分を自前で実装するMVNOは考えにくいので、MVNOも事実上非通知扱いになると思われます。
つまり、LINE株式会社が優先すべき問題は携帯電話キャリアの「非通知扱い」対応だったわけです。元よりdocomoが非通知扱いとしているので40%程度(ドコモ分のみ)の携帯電話で非通知扱いです。
業務で利用している携帯電話であれば、番号非通知であっても構わずに電話に出ます。しかし、個人が業務以外の用途で使用している電話の場合、非通知だとほいほいと電話に出る人は多くないのではないでしょうか。
番号非通知というのも一つのメッセージと捉えられていて、「番号通知できないなんらかの事情がある」と考えます。個人が着呼する場合は、その「なんらかの事情」の一つには「悪意」があります。それを確認するためには、番号非通知で着呼した場合一度留守電に音声メッセージを入れさせたりして相手を確かめ、悪意が無いことを確認するものです。つまりLINE電話からのコールが非通知扱いになれば、個人同士の利用が多いLINE電話は電話としての役割を大きく毀損します。
LINE株式会社は、番号偽装問題への対応をする際にSIMとの結びつきを強くするという対応を取ることで、事実上番号偽装の可能性を無くすことには成功しますが、一方で馬鹿のせいでMVNOでLINEが使えない落とし穴がどんどん深くなる | More Access! More Fun! で指摘されているように、さらに利便性を落とします。
LINE株式会社に必要な対策
LINE株式会社におかれましては、auやSBMの番号非通知対応が発動する前に、なんらかの手を打っておかないと、LINEというキラーアプリ及びLINEアプリを中心に作りつつあるエコシステム全体に大きな影響を及ぼすことになります。素直に考えれば050番号を付与するしかないわけですが。それともdocomoが指摘し非通知扱いの論拠とする「LINE電話は国際網を通る」に対応して、絶対に国際網を通らないようにできるんでしょうか?
一方で、馬鹿のせいでMVNOでLINEが使えない落とし穴がどんどん深くなる | More Access! More Fun! で指摘されているような不便さは解消するべきでしょう。
まとめ
現在のLINEの認証が面倒で、さらに番号偽装問題対応で面倒になる問題は「エロ馬鹿と金の亡者のせい」じゃなく、単純に元々のLINEの認証方法がクs もというんこである上、TCAガイドライン準拠なら非通知となるはずのLINE電話/LINE Callの仕様でGoを出したLINE株式会社のせいです。永江氏もそれは承知の上で馬鹿のせいでMVNOでLINEが使えない落とし穴がどんどん深くなる | More Access! More Fun! を書いたと思いますが。「個人確認の手数料を有料にしてもいいから、まともな人がフツーに使えるサービスにして欲しい。」ということですから。
ちなみにLINE民の場合、こんな感じです。昨日Android-x86にLINEって入るんだべかと調べている際に目にして目が点に。
Google PlayでLINEのレビュー。すごい世界だなwwこの切り取った中にまともなレビュアーがギリ1人しかいないwww pic.twitter.com/UV5dbSvJNq
— shigeo_t (@shigeo_t) 2014, 4月 7
何があり得ないんでしょうか?LINEの世界では小さい「ゎ」を常用する人たちが多数のようです。こういう状況でLINE電話がauやSBMでも非通知扱いになったら、もっとすごいことになりそうです。感情をぶつけるだけで何を言いたいのか分からないレビューが殺到しそうで大変楽しみです。
ちなみにAndroid-x86はサポート外端末ということでLINEのインストールは不可です。
そんなわけでまともな連絡手段の提言
最後に、誰にでも使える(かどうかは端末を選ぶのでそうでもない)LINE以外の選択肢を提案しておきます。馬鹿のせいでMVNOでLINEが使えない落とし穴がどんどん深くなる | More Access! More Fun! の終段に「もしくはビジネス用のメッセージサービスを誰か作ってくれ。」と書いてありますので。
好みの問題はありますが、Yammerでどうでしょう。無償のYammer BasicでもLINEよりも機能がありLINEよりも安全です。独立企業だったYammerはMicrosoftに買われてから、OfficeシリーズやLyncとの連携を強めています。同じMicrosoftに買われたSkypeとの連携はこれからのようですが。
Yammerが気に入らないならChatterですが、SFDCのCRMライセンスが無いと使えなかったりするので、ちょっとお高い感じが。
ではごきげんよう。下にSMSが使える(あるいはSMSオプション追加可能)MVNOを紹介しておきます。
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