いろいろやってみるにっき

てきとーに生きている奴の日記

古いエントリのサムネイル画像がリンク切れになってたりするけど、チマチマ修正中


LINE株式会社がLINE電話/LINE CallのAndroidアプリ番号偽装対策版を出したので意見と今後の予想を書いてみる

平成の日ができる頃にオレは生きているんだろうか?(挨拶)。

 

■関連エントリ 

今回の動き 

昨日【速報】LINE株式会社に100円お布施してLINE電話の番号偽装防止機能を確認した。これなら番号偽装は多分できないけど…… に書いた通り、LINE電話/LINE Callの番号詐称・番号偽装(以降番号偽装で統一)の対策をしたAndroid版LINEアプリ4.3.0が出た。普通には番号偽装できないはず。これにより、LINE株式会社がLINE電話/LINE Callの番号偽装問題の対策内容を発表したので意見と今後の予想を書いてみるでLINE株式会社が約束した4月中を目処に現行バージョンのアップデートを行い、」については守られた。

 

以前のエントリでも書いたようにLINE株式会社は本件をコンプライアンス案件とは捉えていないようで、今回も例によって「LINE電話」の利用時に端末・電話番号の確認プロセスを追加しました : LINE公式ブログのみが公表された情報。LINE株式会社 | Newsにもお知らせ - LINE電話 | LINE(ライン)にも情報は無い。「LINE電話」の利用時に端末・電話番号の確認プロセスを追加しました : LINE公式ブログの中身は下記の通りで特に得られる情報は無い。

※本人確認プロセスは、以下の内容を確認した上で実施します

  • 端末のSIM情報の確認
  • ネットワーク接続状況の確認
  • 不正使用検知アルゴリズムによる確認 

 

なお、確認方法・基準の詳細についてはセキュリティ観点上、開示を控えさせていただきます。

これって……。SIM情報の扱いについては何を見てどう処理しているかをアプリ利用時の同意事項にしなきゃまずいんじゃないの?少なくてもAppleはプライバシー問題として「ご注意! プライバシーへの懸念の高まりを受けてAppleはデバイスIDにアクセスするアプリを拒絶し始めた | TechCrunch Japan」のような動きになっている。SIMの何を読んでどう扱うかは今回の「LINE電話」の利用時に端末・電話番号の確認プロセスを追加しました : LINE公式ブログでは公表しなかったので、今回のAndroid版LINEアプリ4.3.0によってプライバシー問題が新たに仕込まれたと見ていいだろう。

 

非通知扱いが増えたことについても、LINE(ライン) - 無料通話・メールアプリ - Google Play の Android アプリにも『- [LINE Call] 発信者情報を表示するための電話番号再認証機能を追加』の一文以外特に情報は無い。

レビューのほうにも、旧バージョンが全部非通知扱いになった件、ちょい誤魔化して動かしているLINEアプリでは非通知になる件のレビュー(という名のコンプレイン)は見つけられなかった。LINE民のレビューは相変わらずなので、読んでいると疲れる。

 

予想と実際の動きの差異

 ということで、例によって答え合わせ。

(1)スケジュール

iPhone版出せるんですかね?このまま行くと4月末までにAndroid版の対応が精いっぱい。

当たりかな。まだ4月29日(祝)だけど、「IPHONE COMING SOON」のまま。相変わらず他社商標の誤表記もそのまま。iPhoneだっつーの。

(2)他社の動き

IIJ mio meeting #3:MVNOからみたLINE電話とは?――IIJ宮本氏「ちょっと普通じゃないところがある」 - ITmedia Mobile なんだが、IIJ宮本氏も他社のサービスなんで「まずい」とまでストレートには言いにくかったのかも。実質的には言っているようなものだけど。記事から引用する。

総務省の「事業用電気通信設備規制」では、発信者が本来のものとは異なる電話番号(いわゆる“番号なりすまし”)で発信した場合、「必要な措置を講じなければならない」旨が定められている。ただし「他の利用者に対し、発信元を誤認させるおそれがない場合は、この限りでない」ともある。

 

 

 発信元の誤認とは何を指すのだろうか。総務省が2008年4月21日に公表した「異なる電気通信番号の送信の防止に係る省令の取り扱い方針」では、電気通信番号の役割の観点(地理的識別、品質識別、サービス形態の識別、社会的信頼性の識別)から、「発信元を着信者に誤認させないよう必要な措置を講じていること」「発信番号通知を受けた人が当該番号に発信した場合に、発信元への着信が確保されていること」を満たしていれば、問題ない旨が記載されている。LINE電話がこれら2つを満たしているかといえば、微妙なところだ。

ここで話をFMCに持って行っちゃうのは違うと思うけどね。FMCFMCとしてきちんと規定を作って規定通りに運営すれば問題ない。LINE電話の話とは違う。

 

そして今のところau(KDDI)やSBM(ソフトバンクモバイル)に動きは無い。

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今後の動きの予想

LINE株式会社はこれで番号偽装問題については問題収束、iPhone版LINEアプリもAndroid版LINEアプリ4.3.0に準ずる本人確認を入れれば問題なしと考えている可能性がある。

しかし、取材ベースとは言えKDDIとソフトバンクがLINE電話/LINE Callの番号偽装問題に見解を出したので意見と今後の予想を書いてみるにあるようにKDDIソフトバンクが非通知扱いかそれに準ずる何かをする可能性がある。そうすると、今回のAndroid版LINEアプリ4.3.0に追加した本人確認プロセスは全く無駄で、LINE電話から発呼すると全部非通知ということになってしまう。

auSBMについては総務省からのプレッシャー次第だろう。この2社+新生Y!mobileについては社会インフラとしても認識されており、ふぉーんなハナシ:LINE電話で発信者番号が通知されない理由をドコモに聞いてみた - ITmedia Mobile にあるようにauSBMガイドライン破りしちゃったわけで、TCAの規定≠法令、TCAの規定≠総務省の規定とはいえ、ガイドライン遵守を求められると認可事業としては突っぱねにくい。

ドコモ広報によると、「LINE電話では、1度国際網を介して相手の端末に発信することになります。弊社では、電気通信事業者協会(TCA)が定めた『発信者番号偽装表示対策ガイドライン』に準じ、ドコモ端末以外からの国際電話は基本的に『非通知』などの表示となります。ただし、海外にはさまざまな事業者があるので、それら全てを非通知にするように対応できているわけではありません」とのことでした。

 

 このガイドラインは、発信者番号の偽装による悪質な犯罪を受けて、TCAが2005年7月に策定したもの。LINE電話の登場で改めてスポットを浴びる話題になったようです。Viberが提供する「Viber Out」などの電話サービスも国際網を介して相手の端末に着信が来るので、同様の措置が取られています。ただし、「海外からドコモの端末で発信した際は通常通り発信者番号が通知される」とのことでした。

auSBMは対策するにしてもシステム変更を伴うし、利用者が多くミスできない(想定外不通時間があると事故扱い)ので「ちょっとパラメタ変えて対応しました~」というわけにもいかない。テストやリハーサルを何度かやるはずなので、ちょっと時間を食う。今からちょっと間が空いてみんなが(というかLINE株式会社が)忘れたころにauSBMが非通知対応を発表すると、途端に大騒ぎになる可能性はある。

 

LINE株式会社は今から050番号付与の準備をしておくべきだけど、準備しないと思う。自前で用意しなくても携帯電話用IP電話サービスをやっている企業からOEMで買う方法もあるし、それならアプリと課金の対応だけで済む。通話料上がっちゃうけど。

 

それよりもiPhone関係は2つある。1つは単純にLINE電話/LINE Call対応がいつできるのか。【LINE】LINEから国内外の固定・携帯電話番号へ低料金で通話ができる新サービス「LINE電話/LINE Call」を、2014年3月より日本・アメリカを含む世界6カ国で開始によれば先月の3月には開始されているはず。この発表は2月26日。4月29日の本日(10:00)に至るまで3月後半の「Android先行オープン」のまま。iPhoneユーザでLINE電話/LINE Callに期待していた人は、存在そのものをもう忘れているかもw。オレはヲチャーなのでニヨニヨしながら週1くらいでチェックしてる。これは5月に出せるかどうか。4月内(今日・明日しかないw)に間に合うとは思えない。他のバグフィックスや新規機能開発に合わせてAndroid版LINEアプリ4.3.0に準ずる仕様を組み込んでAppleの審査を通すのは神業。

そしてもう一つはAndroid版LINEアプリ4.3.0に準ずる本人確認方法を、Appleが通すのか?繰り返しになるがAppleご注意! プライバシーへの懸念の高まりを受けてAppleはデバイスIDにアクセスするアプリを拒絶し始めた | TechCrunch Japanという動き。下図(Android版LINEアプリ4.3.0の確認画面)の文面通りのことをやっているとすると、Appleに拒絶される可能性がある。

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オプトインだから何やってもいいというわけじゃない。うまく[同意]ボタンを押させることを前提としていて「利用者が同意するんだからいいじゃん」という話はAppleには通じないだろう。これ米議会からのプレッシャーもある件だし。

そういう意味ではiPhone版はずるずる遅れるほうに賭けたいw。

意見

100円お布施したことだし、もう少し面白い方向だとありがたい(ひどいw)。そういう意味ではauSBMAppleに期待したい。

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