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『日本のリバースモゲージはどうなっていくのだろう?: 極東ブログ』を読んで色々考えた

日本のリバースモゲージはどうなっていくのだろう?: 極東ブログを読んで、色々考えたので少し書いておく。オレが色々考えたことは、元ネタのfinalvent翁の観点とは異なる。

 

翁の考察範囲は主に高齢者の介護・終末医療とその財源、日本のリバースモーゲージは役に立たないのではないかというもの。

問題意識の核心を最初に提示しておくと、これから日本が超高齢化社会を迎えるにあたって、高齢者の介護・終末医療が大きな課題になるが、そのお金を誰が出すのだろうかということだ。

 

(中略)

 

国もダメ、家族もダメで、どうするか。というあたりから、本人の資産を担保にして老後を考えてくださいというのが、リバースモゲージである。もちろん、資産ないとなるど、どうにもならないが、あるなら最後は資産を売って、老後の生活に当てるということになる。

 

オレは2000年くらいからリバースモーゲージについて考えている。なぜ日本でリバースモーゲージが普及せず、まともな商品が無いのか、理由はわかっているがなんとかならないのかというもの。独り身の上、賃貸派だから自分の資産も無いし、今のところ購入の予定もないのにw。

過去にも一度リバースモーゲージについて書いた。

再度リバースモーゲージの説明を書くのはかったるいので、前回エントリから引用する。

貸出し側がサブプライムローンの原資を作り出すためにMBS(Mortgage-backed securities;不動産担保証券)という仕組みを使った。MBSサブプライムローンの債権を証券化したもの。住宅価格が上昇している間はMBSが高い格付けで高価格だったが、住宅価格の低下と返済率の低下などが連動して起き、MBSも暴落して銀行その他が大損。それで世界的な信用収縮信用不安という結果。

 

MBSという単語のMはMortgage(モーゲージ)なのだが、ここ数年で「リバースモーゲージ(Reverse mortgage)」という金融商品が普及した。これは持ち家派を助ける金融商品

何がリバースかというと、持ち家を元にお金を貸すから。一般にモーゲージローン(住宅ローン)は家を買った時にその代金(購入、借り換えなど)の返済をするためのローン。その反対?で家を元手に金を貸す。

通常、住宅ローンを組むと何年か(何十年か)を掛けて支払っていく。当代だけで支払い終わる真っ当な住宅ローンとしても、一般には払い終わった時にある程度年齢が行っているわけで、払い終わったと思ったら老後の心配が必要となる。そこでこのリバースモーゲージ。先に「持ち家を元手に金を貸す」と書いたが、もう詳しく少し書くと「高齢者などが持ち家を担保にして生活資金を借り、死亡したときに持ち家の売却代金で一括返済するシステム」。

家を買ったはいいが、歳を取れば就労しにくいわけで、給与収入は漸減する。住居はあってもお金が無いという人もいるわけで、リバースモーゲージを契約できれば死んだときに住宅を売却して返済完了。生きている間はリバースモーゲージで借金はどんどん増えていくが(契約内容の範囲内で)、リバースモーゲージなら住宅を売却して返済完了。リバースモーゲージは商品ごとに融資金や利息や返済などの設定が異なるので、詳細はそれぞれの取扱金融機関へ。

 

元々2000年くらいにリバースモーゲージに着目したのは、当時の職務上なにかビジネスのタネにならないかと金融商品について調べていてである。我が社wの書棚には一般の人が手にしないような本が並んでいる。個人の投資活動には全く役に立たない。 

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なお2000年当時、リバースモーゲージはごく少数の自治体でしか運営されていなかった。リバースモーゲージの課題と展望から、歴史的な経緯を引用する。

日本で81年に東京都武蔵野市が導入し、続いて東京都世田谷区、神戸市などの自冶体や信託銀行も導入したが、活用例が極めて少なかった。その理由としては、制度自体の固有のリスクや、家族に家・土地を継承させたいという日本人特有の不動産への思い入れがある。先駆的自冶体により、比較的早い時期から導入され、その後信託銀行など民間も参入したリバースモーゲージであるが、本格的に普及するに至らず、バブルの崩壊で地価が下落したため、制度自体が死に体となり、活用がしばらく低迷した。高齢化社会到来と年金制度の崩壊危機で再び、近年、脚光を浴びてきた。2002年度に、厚生労働省が全国規模でリバース・モーゲージを導入すると発表し、2003年度以降、厚生労働省が貸付原資の3分の2を補助する形で、全国都道府県が「長期生活支援資金貸付(リバース・モーゲージ)制度」を導入して以来、同制度の利用件数は顕著に増加し始め、大手住宅会社なども自社住宅の販促や団塊ジュニアによる新築ブーム終焉後を睨んだ戦略からリバース・モーゲージの商品開発が進んでいる。

 

2000年当時は金融機関(主に保険会社)担当のプリセールスとかプレSEとか呼ばれる仕事をしていた。いわゆる提案活動がメインのシステムエンジニアである。

多くのプリセールスとかプレSEとか呼ばれる人たちは製品説明からの提案活動がメインなのだが、オレの場合は特定の製品は持たず案件単位か、顧客側に何もないところから活動していた。そして後者の「何もないところから」の一つとしてリバースモーゲージを候補とした。

しかし、リバースモーゲージについてはシステム化の構想までは考えたのだが、一度も提案すること無く終わっている。一度も提案していないどころか、雑談でもネタを金融機関側の人に話すことなく終わった。SOAとアンバンドル、データ統合やメタデータ管理などを盛り込んだ構想であった。細かくは覚えていないが、リバースモーゲージをきちんと機能させるためには、リバースモーゲージを販売する金融機関だけでなく、複数の異なる業種の金融機関とその子会社(不動産販売など)が連携する必要があり、当時ホールディングス制が進み始めたメガフィナンシャルグループに対し、連携の形のシステム構想の提案としては打ってつけだったのだが。

 

ここまでが前置きである。すでに2,500文字超えた。

 

一度も提案すること無く終わった理由、それは中古住宅市場の低調さである。日本のリバースモゲージはどうなっていくのだろう?: 極東ブログでも翁が書いているような、「なんちゃってリバースモーゲージ」の理由であろう。

日本の場合、欧米に比べて中古住宅市場は活発では無く、売り物となる住宅自体の利用年数が短い。その他:中古住宅・リフォーム市場の活性化に向けた取組み - 国土交通省から引用する。

我が国の全住宅流通量に占める中古住宅の流通シェアは約13.5%(平成20年)であり、近年ではシェアは大きくなりつつあるものの、欧米諸国と比べると1/6程度であり、依然として低い水準にあります。

 

(中略)

 

中古住宅市場については、質に対する不安が大きいことや、木造であれば築後約20年~25年で価値がゼロと評価されてしまう慣行が市場活性化の阻害要因とされており、この解消に向けた取組を進めています。

これからの少子高齢化の進行を前提とすれば、持ち家がある一人っ子同士の結婚ということは十分に想定できる。双方の親が亡くなれば相続する持ち家は2軒である。しかも子世帯がいずれかの相続した持ち家に住むことなく、他に住居を購入していたとすると、一家族に3軒ということも考えられる。孫世代がうまく相続分の2軒を使えればよいかもしれないが、若い世代が活用したくなる立地条件かどうかといえば、なかなかそういうわけにもいかないだろう。

相続しても活用できないのであれば、生きているうちに生活資金、介護・終末医療の財源として活用できればよく、それがリバースモーゲージに求められる機能である。しかし、リバースモーゲージを販売する金融機関は、営利としてリバースモーゲージを成立させる必要があり、その営利の根幹は担保とした住宅がきちんとリセールできるかどうかが大きなカギ。国内の中古住宅市場が小さく、住宅の耐用年数も短いとなれば利用者にとっても金融機関にとっても双方Win-Winのリバースモーゲージは作りにくい。

 

また、建物と土地の問題もある。マンション等の集合住宅の場合は建物部分所有なのである意味土地の問題は切り離して考えられるが、一軒家の場合は建物と土地の扱いが難しい。土地も販売対象なのか定借(定期借地権)なのかでも難しさの中身が異なる。建物と土地が一体となった売り物なのか、別の売り物なのかでトータルの価格は大きく変わる。

例えば我が社wから徒歩1分の、3台しか停められないコインパーキング、こないだ土地の売値を見たら約1億円( ゚Д゚)であった。広さとしては132.23㎡。元は一軒家だったと思われる。というか昔はなんか集合住宅以外の何かが建ってたという記憶が。しかし建物に資産価値が無いのなら更地で売った方がいいということになる。

オフィスビルのように、元オーナーが持ちビル売却~賃貸借契約による家賃収入だけでなく、買い取ったビルをREITに組み入れて金融商品としても稼ぐようなスキームはできないものか。

 

昔、中古マンションを買ったら支払いはどうなるかということで少し調べたことがある。各社の住宅ローンの規定では、中古住宅に対しての条件があまりよくない。購入する住宅を担保として捉えた際、資産価値が新築よりも大きく劣後することと関係性が高いのだと思う。ローンだけでなく、制度的にも中古住宅は買いにくい。

 

色々考えた割にはこれといった答えは無いのだが、個人的な要望としてはリバースモーゲージと中古住宅市場は活性化して欲しい。そしてボロのまま住むのではなく中身はリノベーションして住むという形が増えれば、新築ばかりの現状よりも環境破壊も抑えられる上に最新設備を使った生活が可能である。リバースモーゲージを前提として資産を考えることができるようになれば、公的機関の負担も減る。今は色々デッドロックしているように思う。

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