弊社の開発用マシンは支給するものは全てThinkPad W530でメモリ32GB、SSD500GB(その時の調達で480GB~512GB)くらいである。ついでに言えばCore i7。弊社、お金が無いので中古PCを買って、社長(つまりオレ)がメモリとストレージを交換して10万円以内に収めるという形。
オレ(ThinkPad T430s)と専務(ThinkPad X220)が使うモバイルマシンはメモリ16GB(ストレージはSSD/CPUはCore i5)だがこれで開発をするわけではなく、他にメモリをしっかり積んだマシンを持っている。
この退職エントリ、メインではないが重要な部分を引用する。
セキュリティに限らず、研究所以外の場所ではソフトウェアの開発をしているというのにメモリが4GBとか未だにHDDを使っているとかそんな非人道的な環境での作業を強いられている部署もあるという証言もあった。メモリ4GBなんてイマドキのエンジニアであればブラウザだけでゆうに使い切ってしまうが、そこでEclipseやらメールソフトやらを立ちあげなくてならずスワップが発生して環境立ち上げだけで途方もない時間がかかるとの話である。メモリとSSDの数万円をケチって何百万円分の人月稼働をドブに捨てているかという自覚を持てない人間が指揮を執っている可能性すらある。面白いのが一説として「今の経営層の現役世代のPCはメモリが128MBとかの世界だったから、4GBというのが途轍もなく巨大な容量に見えているのかもしれない」という話で、なるほど大企業的かも知れないと納得するに至った。
昔使ってたVAIO C1 MSXでさえメモリは256MB。普通が128MBって言うとWindows 2000くらいの頃か。
仕事用PCでメモリ4GB&HDDは人権問題である。CPUが多少遅くてもメモリに余裕があってSSDなら耐えられる。
大企業の場合、大量に購入するので値引きがどれくらいまで行くのかわからないが、HPの安いデスクノート(いわゆるデスクトップ置き換え用途のノートPC)で見てみよう。
モニタが15.6インチワイドHDなので1366x768だが、まあまあ仕事になるだろう。BTOメニューを見ると、下記の通りである。
メモリ
4GB(標準)→8GB +8,000円(税抜)Up→16GB +18,000円(税抜)Up
ストレージ1
SSDなし(標準)→128GB SSD +8,000円(税抜)Up→256GB SSD +16,000円(税抜)Up→512GB SSD +32,000円(税抜)Up
なお、SSDは128GBはSATA、256GB/512GBはNVMeなので大容量のほうが速い。
WD 内蔵SSD M.2-2280 / 250GB / WD NVMe Black / PCIe Gen3 NVMe / 5年保証 / WDS250G2X0C
- 出版社/メーカー: Western Digital
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ベースモデルを『HP ProBook 450 G5/CT ビジネス利用におすすめ!長期保証セット・キャンペーン2』59,800円(税抜)とする。ベースのままだとメモリ4GB、HDD500GBである。CPUがCeleronなのでロースペックだけど。
メモリを16GB、SSDを256GBにすると93,800円(税抜)で10万円以内に収まる。メモリを16GBのままSSDを512GBに変えると109,800円(税抜)と10万円超えてしまう。
計算しやすく100人に100台(つまり予備とかは考慮しない)値引きなしで支給するとすると、
となる。
これで人件費と比べてどうかという話になるわけだが、今どき物理マシン4GBで仕事をしていないので、ちょっとTwitterで検索。
メモリ4GB、HDDなこああいふぁいぶのマシンのWindows Updateが終わるのを眺める仕事で2人月発生している
— ぺかそ⌨️2日目東ナ-16a (@Pekaso) November 26, 2018
開発者用に限らず、Excelで添付ファイルを開きながら、Outlookでメールと予定表は常時開きっぱなしにしつつ、社内のWebシステムをIE11強制で開かせて、通知のPDFをAcrobatで閲覧させる会社のWin7PCのメモリが4GBだったりするので、「さてはお前、足し算できねぇな?」ってなるよね。
— モフ・加齢、あまりにも加齢! (@Mofu_Master) November 26, 2018
メモリ4GBのゴミで強制労働という人権侵害を受けてる
— もってぃ (@mot_skmt) November 26, 2018
まあワイもメモリ4GBのマシン渡されたらそれ決めたやつ殴るのに使う鈍器ってことやなと理解するよ
— はむたろす (@hamuhamu9434) November 26, 2018
まあ、こんな感じだよねえ。未だ32bit OSだと、4GB積んでもオレみたいにOSが使わない部分はRAMディスクにしちゃえぐらいしか利用者側では頑張れない。
きっちりとした数字では言えないが、「遅くて仕事にならないから休憩しようっと*1」みたいなロスを含めると、人件費の無駄遣いっぽい感じではある。PCは3~5年使うけど、人件費は毎月だし。
ブログも書かれてた。ヤバい個別事情である。
1.何故かPCスペックの高いPCが職位の高い順に割り振られている
ウチは冒頭に書いたように平等である。
2.何故か「スペックが高いと仕事以外のことで使い出す」と思われていた
犯罪とかは困るけど、仕事の成果が必要なのであって余力で何を走らせようと気にしない。
3.PCスペックと人件費が紐づくという発想がなかった
これは上記で検証(とまでは言えないか。データが無いので。)した通りである。というか、見えるコストをカットして自社の競争力も毀損するタイプって多いよね。
こんなのもある。
社員のPCのメモリ4GBな会社ってこういう会社なんだろうな。 https://t.co/jjANpn6NZ0
— めた|CBA-NCEC|10.7 ジャンボリー (@metalefty) November 26, 2018
つらつら書いてきたが、弊社の最速マシンは機械学習用なので人権とは関係ない。
Crucial SSD 500GB 7mm / 2.5インチ MX500シリーズ SATA3.0 9.5mmアダプター付 CT500MX500SSD1/JP
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