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てきとーに生きている奴の日記

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日本沈没のおもひで

このニュースを見て思い出した。


小松左京著の日本沈没は1973年の発行。自分で購入したわけではなく実家にあったものを読んだので、多分兄が購入したのだろう。最初に読んだのは小4か小5くらい。発行日からそれほど経っていない。 

日本沈没(上)

日本沈没(上)

 
日本沈没(下)

日本沈没(下)

 

 

時は流れて1990年の1月か2月くらいの寒い時期の金曜日。大阪に日帰り出張していた。

当時、某証券会社担当で紙テープシステムの開発を担当していた。 もちろんアイドルなどに紙テープを投げるようなシステムではなく、紙テープにデータを打ち出す(穿孔・パンチ)システムである。

  紙テープ - Wikipedia

 

Web上に当時の証券取引所の注文・約定システムの情報が無いので簡単に書いておく。きちんと歴史書いておけよ、JPX 8697。ざっくりし過ぎだろこれ。

間違った情報は見つけた。誰が間違っているのかは分からないけど間違っている。

その「ルパン三世」第1シリーズ、忘れがたい傑作は数多くあるが、第22話「先手必勝!コンピューター作戦」もそのひとつ。ルパンの行動を100%予想するコンピューター相手に、さすがのルパンも苦戦するというお話。なにしろ70年代初期の話だから、くるくる回るオープンリールから打ち出される紙テープで結果が出力される時代。いくらFBIの高性能コンピューターでもそんなのでルパンの行動パターンを計算できないのではないか?

新潮流 【新潮流】第171回 コンピューターに勝つ方法|マネックス証券

コンピュータの周辺機器でオープンリールって呼ばれるものは磁気テープ。磁気テープ装置から紙テープは出てこない。穿孔くずが出て相当な騒音・振動が出る紙テープパンチャー。磁気テープを高速回転させ磁気ヘッドと接触させて読み書きするため、振動に対してセンシティブな磁気テープ装置。これを一緒にするやつはアタマワルイので、そんなバカな装置は実在しない。すぐに故障するわ。「先手必勝!コンピューター作戦」の描写が間違っていたのか、上記のコラムの筆者の記憶違いか。チャンスがあれば確認したい。

 

当時の証券会社と証券取引所間の注文は、大きく3つ。証券会社の場立ちが手サインで証券取引所に売買注文を出す方法。立会場銘柄と呼ばれていた。

2つめは紙テープで注文を出す方法。証券会社の顧客から入った売買注文は、証券会社の紙テープ穿孔システムから紙テープに打ち出される。それを証券会社の担当者が証券取引所側の紙テープリーダに読み込ませることで注文が証券取引所に入る。なんでこんな面倒なことを1990年代まで続けていたのかは、話すと長いので割愛。システム銘柄と呼ばれていた。

3つめは証券会社システムと証券取引所側の提供する中継機が接続され、中継機から証券取引所に注文が入るシステム。

 

紙テープシステムの背景説明が長くなった。オレと後輩の2人で開発をしていた紙テープシステムは、UNIXワークステーションに小型の紙テープ穿孔装置を接続する小型のもの。当時最新鋭のUNIXワークステーション(一台あたり当時人気車種のソアラ一台分の価格と言われていた)に、製造がシュリンクしてきていて探すのが大変という紙テープ穿孔装置という謎の構成である。その他の周辺機器はドットインパクトプリンタ。ドットインパクトプリンタもうるさいが、小型ながら紙テープ穿孔装置はくらべものにならないくらい大騒音。そんなわけで、専用の静音箱をかぶせて使用する。

 

すでに1989年中に東証債券システム向けとして稼働し、ノートラブル。担当していた某証券会社の債券部に納入。

大阪への出張は、某証券会社の大阪支店に大阪証券取引所用として、まずは機器搬入だった。これがなんで日本沈没につながるのか。

 

出張したのは開発側はオレ。オレが搬入手配は紙テープ穿孔装置と静音箱。回線の手配は別の担当が済ませて当日立ち会いではなくすでに準備済。UNIXワークステーション一式は、機器販売を主とした別会社の担当者が搬入手配で、そいつも搬入立ち会いに来ていた。昼過ぎに搬入、夕方には接続確認が完了して東海道新幹線で東京に戻れる手筈だった。

 

しかしUNIXワークステーション一式が届かない。手配ミスだった。時刻指定が抜けていた模様。届いたのは支店の定時が過ぎた18時前。で、なんとその手配ミス野郎は「新幹線の時間なんで帰ります。あとよろしく。」とブツが届く前に帰っていった。客前なので「あ、ああそうなの?」と済ませ、帰ってから上司からその会社の上のほうに厳重抗議してもらった。

 

届いてからは大阪支店の偉い人に頭を下げながら開梱、設置、接続確認を一人で済ませ、なんとか完了したのが帰りの新幹線がもう無い時間。オレも日帰りのはずだったのだが。最寄りの本町駅のそばでビジネスホテルを急遽探すのは難しいかも、という大阪支店の偉い人のアドバイスに従い、新大阪に移動して飛び込みで宿を探した。

 

部屋に入りぐったりしていると、TVで放送されていたのが「日本沈没」。

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映画かドラマかはよく覚えていない。

 これは大阪から東京に戻るのは無理だなあと思いながらぼーっと見ていた。現実ではないのに。まあ、日中の出来事が衝撃的過ぎたというのもある。日帰りの予定が急遽宿泊だし、ミスした本人は搬入立ち会いもせずに担当ではない別会社のオレに任せて帰ってしまうし。

そして、寝てからも分断されて帰れない夢でうなされたwww

 

オレは土曜日の午前から予定があったんだけど、当然移動時間に取られるので予定はキャンセル。今みたいに携帯電話やメール/SNSなどで簡単に連絡がつくわけではなく、結構大変だった。

 

そんなオレは筒井康隆ファンなので、日本以外全部沈没のほうが好き。というわけで、朝鮮民主主義人民共和国小松左京派だと思う。

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