タイトルは下記の書籍のパスティーシュ。父さんの話では無く倒産の話。
- 作者: ロバートキヨサキ,シャロン・レクター(公認会計士),白根美保子
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2000/11/09
- メディア: 単行本
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円安倒産増加?
こんな記事を見掛けたので調べてみた。1ページ目は目的とする数字が無いので2ページ目をリンク。
実はほんの2年半前はこんな感じ。
為替の(短期)変動によって「仕入れ額の上昇」や「販売価格の実質低下」が発生し、価格決定力の無い中小企業が苦しいという当然の結果。そっち方面の話は上の記事にも書いてある。
ドル円の動き
こうやって記事になった状態では、なんらかの意見・意図が付加されていたり、集計する(期間や規模などの)範囲が異なっていて比較しにくい。こういう時は一時ソースに当たるに限る。ということで、倒産集計 | 帝国データバンク[TDB]を見てみる。
とはいえ今回の円安、加速具合はここ数か月~数週のような気もするので、比較したい期間で米ドル/円 - FXレート・チャート - Yahoo!ファイナンスに推移を描かせてみた。
円高最高値をマークしたのは2011年10月21日なので、少し見切れてはいるが、トレンドとしては2.5回の上昇と見てよさそう。2011年10月21日には1ドル75円78銭まで円が上昇している。
上のグラフでの大幅上昇は、2013-01-14を中心とした大幅なドル高(円安)が1回目。70円台後半から90円台半ばまで上昇している。
次が昨年2013-12-30に向けて上昇したもの。これは上昇幅から0.5回分とした。
そして今回。90円台後半から一気に120円越えである。
倒産集計を見てみる
このスケジュール感で倒産件数を倒産集計 | 帝国データバンク[TDB]から見てみたい。残念ながらもう少し待てば2014年11月版が出ると思うのだが、最新は全国企業倒産集計2014年10月報 | 帝国データバンク[TDB]。各月の報はその月の集計数とトレンドが書かれている。なお今回は、個別の倒産理由(円高、円安、経営の失敗、他)については見ていない。数字(倒産件数など)だけを見た。
今回の一気に120円台までの上昇前なのではあるが、円安に転じてからは倒産件数は減少トレンドに見える。
では全国企業倒産集計2014年度上半期報 | 帝国データバンク[TDB]を見てみよう。集計の単位は半期ごとである。
これってどう見てもリーマン・ショックが特異点で、倒産件数や負債総額だけで見れば「円安だから倒産件数が増えた」とは言えない。上の期間だけなら減っているようにしか見えない。ちなみに2005年~リーマン・ショック(2008年9月)までのドル円相場は100~110円台。さっき政権放送見たけど、「円安で皆さんの暮らしが苦しくなっている」って元政権与党の党首が言ってた。でもこうやって数字を見てみると、某報道機関・某政党の言っている通りではないのではないか(今回は他のファクターを見ないので言い切らないw)。
あと、それぞれの月報・期間などは各自参照頂きたい。
で、円安は倒産件数を増やすのか
いずれにせよ上にも書いた通り、為替の(短期)変動によって「仕入れ額の上昇」や「販売価格の実質低下」が発生し、価格決定力の無い中小企業は苦しい。倒産は円高でも円安でもそれぞれ外需型企業(円高)、内需型企業(円安)に起こる。
今回は為替と倒産件数だけで見たので、結論は円高円安は倒産原因としては認められるけど、為替そのものよりも不況のほうが影響が大きいのではないかというもの。
不況の場合、需要は内需・外需共にシュリンクする可能性があり、影響が大きいということだろう。 上で見た期間で言えば、リーマン・ショックは金融危機なので、それだけであれば一般の企業には影響は大きくない。リーマン・ショックによって不況が引き起こされ、それによって倒産件数もドンと上昇したのだろう。
為替といえばFXだろうと、FXでAmazon検索したら目薬だった(´・ω・`)。 あと、1ドル360円時代に生まれたオレからすると、ドル円121円台とかまだまだ円高だよ(´・ω・`)。