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職場でキレさせる技術─『職場でキレる技術 | サイボウズ式』にインスパイアされました

全力で逃亡した件、少しずつ書いていく。今回は使ったテクニック。

 

場や人間関係をコントロールする意味では、キレる技術は大切である。

我を忘れてキレてしまった時点で何もかもが台無しになってしまう。だけど冷静にキレるのは話がちがう。それは職場という自分の人生の一部におけるセルフプロデュースだ。積極的に推奨したい。

 

今回は逆に、「職場でキレさせる技術」について書く。多分多くの人は「キレさせるのはまずいんじゃないの?」という疑問を持つだろう。

 

「キレさせるのはまずい」と考える理由は分かる。オレも「不用意に」あるいは「いつも」など、相手をキレさせることによって生じる不利益については理解している。「不用意に」あるいは「いつも」など、アンコントロールなキレさせ方は、技術では無く単なる「まずい行動」「まずいコミュニケーション」である。まず第一に、自分に利益が無い。そういうキレさせ方を「技術」とは言わない。

 

「キレさせるのはまずい」事は普遍的ではあるのだが、皆がそう思い込んでいることによって「相手に一旦キレさせたほうが自分に利益がある」シチュエーションに気付いていないのも問題である。そういう「相手に一旦キレさせたほうが自分に利益がある」シチュエーション、例えば次のような場合のAND条件である。

  1. 双方感情的になってはいけない状況
  2. 相手のほうが立場が上(あるいは対等)
  3. 相手は職業的に<怒り>を使う人間では無い
  4. 相手は自分の言動に一貫性を持たせるタイプ、あるいは言動に一貫性を持たせなければいけない役職
  5. 1年くらいは同じ相手やその観測範囲をキレさせていない

ある結論に向けて状況をコントロールしたい場合、非常に有用な技術である。ただし上の条件#5にも書いたように、多用はできない。

 

まず#1であるが、職場なので当然なのだが、そうは言っても結構エモーショナルな人間は多くて、いつも感情剥き出しの相手にはこの「職場でキレさせる技術」は難易度が高い。使いやすい相手は、感情的な言動→反省というサイクルを持つ人間である。この反省が#4に効いてくる。

 

続いて#2。これは単純で相手の立場が下の場合は、キレさせることによるデメリットが大きい。相手の立場が下の場合は、まさに職場でキレる技術 | サイボウズ式でキレられる状況である。マネジメントやチームビルディングができないというあなたの評価にもつながる。こちらの立場が上であれば、キレさせることなく、ある結論に向けて状況をコントロールすればいい。それができないのであれば、その立場から降りるべきである。

 

次に#3。「職業的に」という部分であるが、例えば警察官。あるいは800番台後半の職業の方。ちなみに八百屋さんではない。彼らは相手を威嚇によってコントロール下におくことを職業的に行う。簡単にキレるしそのキレ方もコントロールされている。そのため、キレさせても意味が無いどころか、不利益しかない。

一般の職場内では通常そういう人はいないと思うので、この条件はクリアが楽。

 

続いては#4なのだが、どちらかというと後者の「自分の言動に一貫性を持たせなければいけない役職」のほうが使いやすい。通常の行動で自分の言動に一貫性を持たせるタイプかどうか見極め出来ていればよいのだが、そういう相手ばかりでもない。そういう時は役職で判断するしかない。

職場でキレる技術 | サイボウズ式(下線はオレ)では、下記のように書かれている。

むやみにカドを立てる必要はないけれど、嫌な気持ちを抱えてまで大人の態度に甘んじる必要はさらさらない(サラリーマンである以上、直属の上司だけは例外)。

「職場でキレさせる技術」は逆で、直属の上司が最も適する相手である。

一方、自分の言動に一貫性を持たせないタイプの人間や、自分の言動に一貫性を持たせる必要が無い程度の役職の相手に「職場でキレさせる技術」使っても、単なる口喧嘩をやっただけ、あるいは感情的に叱責されただけになる。疲れるだけでメリットは無い。

 

最後の#5。これは不意打ちだからこそ効果的な技術である。#1でも書いた、相手の「感情的な言動→反省」というサイクルを利用するので、こちらが「職場でキレさせる技術」の使い手であることを認識させてしまうと、抑制が強いタイプの相手をキレさせることができない。読まれてしまう。いつも感情だだ漏れの相手ならキレさせることは容易であるが、そのような相手は反省が足りないということである。「職場でキレさせる技術」による効果も薄い可能性がある。そういう意味では常用するのではなく、ここぞという場面で使うべきである。

 

ではどうやって「相手に一旦キレさせる」のか。下のねこのように「おまえはどう考えているのよ」みたいに指をさして挑発する態度をとってはいけない。

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まず「相手に一旦キレさせる」の「一旦」にポイントがある。相手が一時的に感情を爆発させた後、感情的な言動を反省した時になぜキレたのか分からないという状況が望ましい。なので少し難しい。だから「職場でキレさせる技術」なのである。

相手とのコミュニケーションの流れに沿ってキレさせるわけだが、会話の流れ、相手がこちらに言わせたいあるいは承服させたいことがコントロール対象である。キレさせ方には3原則がある。

  • 【原則1】態度、言葉遣いは丁寧・慇懃に
  • 【原則2】正論、事実で攻める
  • 【原則3】相手が言わせたい言葉、承服させたいことに抵抗し続ける

上にも書いたように、相手が反省した時に、なぜキレたのか分からないという状況を作るのが「職場でキレさせる技術」である。

【原則1】は相手に付け入る隙を与えない第一歩である。こちらの態度や言葉遣いが悪ければ、相手はキレた理由をそこに持って行く可能性がある。キレさせた後のコントロールが難しくもなる。相手から見ても第三者から見ても文句を付ける要素が無い態度と言葉遣いは重要である。

 

実は【原則2】で相手をキレさせるのがこの「職場でキレさせる技術」の肝要である。正論や事実しか言わないのになぜキレるのか。多くの人は正論や事実であっても言われたくない事がいくつかある。例えば課長が相手だとすると、実際の作業は担当者であるあなたの職務範囲なので、今の現実を知っているのは担当者であるあなたである。課長は過去の現実は知っているかもしれないが、今の現実を知らない。そこは物事を判断するときに指摘されたくない事実である。もちろん、表現が稚拙だとバカにしていることが丸わかり。【原則1】を守れていない。そこでボキャブラリーの豊富さで少し言い換えて表現する。現実を知らないという言われたくない事実を突きつけられてキレる可能性がある。

もっと簡単な手は、少し議論がヒートアップした時に、「随分感情的であるがその状況で正しい判断は可能か」ということを表現を丸めて伝える手である。#1の状況だとすると感情的になっている時点で相手に問題ありで、そういう正論は部下から言われたくないものである。言われた瞬間にキレる可能性がある。しかし指摘は正論そのものである。

 

そして【原則3】。実はこの<抵抗し続ける>というのが難しい。議論を打ち切られて結論を出されては、こちらの目的を達成できない。クローズされそうになるたびに別の観点の情報などを追加しながら、結論を出させないということが<抵抗し続ける>ということである。

 

逆にやってはいけないことは、話し合いに対する態度が悪い、言葉遣いが悪い、相手の人格を攻撃するなどである。必要なことは、サッカーの岡田武史監督の言葉で言えば「冷静にファイトする」である。相手はヒートアップさせるが、自分は冷静に状況をコントロールし、決定打につなげていく。

あと、大切なのは場所である。「まあまあ」と割って入る人間がいたら台無しである。周到に相手がキレる状況をコントロールしているのに、勝手に第三者にクールダウンされては台無し。同じ手は使いにくくなる。かと言って自分と相手だけの完全密室はこれまた良くない。歯止めが効かない可能性がある。周囲の人間にもミーティングの雰囲気が分かりつつも、割って入られない程度のミーティングブースなどがベストである。

 

さて【原則1】【原則2】【原則3】を守って相手をキレさせたとしよう。ここでミスをすると台無しなので要注意。こちら側の勝利条件を達成するためには2つのプランがある。

 

プランAでは、一気に反省モードに入らせ、打合せを打ち切ってしまう。もちろん結論は持越しだが、相手は無駄に感情的な態度を取ってしまったことを反省し、あなたの言い分を改めて聞こうということになるだろう。そのミーティングまでセッティングできれば上々。【原則2】で「随分感情的であるがその状況で正しい判断は可能か」という表現を使ってキレさせた時はキレさせる言葉と反省させる言葉に差が無いので、プランAは難しいかも。

 

そしてプランB。相手にキレさせたままこちらの目的を言わせてしまう。口喧嘩モードである。意見が相反するときに、「だったらお前の言う通りやってみろ」などという発言を引き出す。

  相手「だったらお前の言う通りやってみろ。」

  当方「意見が合いましたね。そうします。」

という流れである。ご下命とあれば従うべきである。意外と感情的になると売り言葉に買い言葉、そうすべきじゃないと本人が思っていることも言ってくれる。

今回全力で逃亡するにあたってはこっちを使った。詳細は割愛。こっちは「意見が合いましたね。」と言ってクローズ。コミュニケーション能力をパーパーしゃべることだと思っている感情的な人間は、割とコントロールしやすい。感情的なので、ここまで持ってくる段取りは難しいが。

 

こんな事を書くと人間性が疑われると思うけど、まあそういう人間なので仕方ない。相手の言動に問題があってパッシブに対応する職場でキレる技術 | サイボウズ式に対して、この「職場でキレさせる技術」はアクティブな運用が必要。多用はできないので練習しにくい。いざという時のために、シミュレーションを繰り返しておくべきである。

 

なお、これは「職場でキレさせる技術」なので、ネットや家庭、友人関係に使わないほうがいい。使って人間関係を壊しても責任は負わない。 

キレるソフトバンク

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