今日こそ必ずやっているはずと思った警察による道路走行車速度計測大会、やってました当たりです入賞せずに済みました(挨拶)。ま、ネズミ取りとも言う。
本エントリのタイトルはベネッセの問題は産業構造の問題ではない - novtan別館 へのオマージュです。ありていに言えばマネっこです。
ベネッセに学ぶ - ホールディングス体制の危うさ を読んで頭湧いているのかと思った。過度の一般化は真実から遠ざかる。
『会社名に”ホールディングス”が付く会社は慎重に見た方がよい』と以前にコメントしたが、今回のベネッセ・ホールディングス(HD)による顧客データの流出騒動はこの法則にピタリと一致する事例と言えるだろう。
この話題はセンシティブな時期にあるので、すべてを語ることは控えたい。ただ、外部から企業を観察する一投資家としては、ノーサプライズというのが正直な感想である。そのくらい同社のガバナンスはザルであるという認識を持っていた。
法則といえるほど、ホールディングス制を取っている企業群で問題が数多く表出しているわけではない。とすれば元エントリの筆者が「法則」と思っているだけで、法則でもなんでもない。だいたい、上場しているホールディングス制の企業数がどれだけあると思っているんだ?
あと、持株会社であっても「ホールディングス」と付けていない企業もある。吉本興業とか。「ホールディングス」と付けているホールディングス制の会社には問題があるけど、「ホールディングス」と付けていないホールディングス制の会社には問題が無いということ?その割には「ホールディングス体制」なる用語がタイトルに書かれているけど。
このベネッセに学ぶ - ホールディングス体制の危うさ は、すでに容疑者は確保され一部手口情報も出てきていた2014年7月18日18:00にBLOGOSに載ったので、別にセンシティブな時期でもない。「すべてを語ることは控えたい」と書いてはいるが、読んでいる側からするとこの後続の文を読んでも、特に何も知らないんだなとしか思えない。内部者ではなさそうなのでインサイダーとして株式市場のことを気にする立場でもないし。
結局出てくる話はベネッセとベルリッツ、業界的には近いところにある2社。たまたまその2社がホールディングス制だったわけだが、ではガバナンスが弱い会社が必ずホールディングス制か、全く異なる業界でホールディングス制を採る企業群でガバナンスが弱いのか、全く裏付けが無くベネッセに学ぶ - ホールディングス体制の危うさ は終わる。「法則」?。自分で勝手に思っているだけでは法則ではない。
ガバナンス(Governance)とは、組織や社会に関与するメンバーが公益性にもとづき、主体的に関与を行う意思決定・合意形成のシステムを指す。言い換えると、古典的なGovernment型ではカバーできない範囲・深さの統治を考え、中央に権力を集中するのではなく、関係者一同が利益を享受できるような形で自らを統治するということである。これがGovernanceの本来の意味である。
辞書に訳語として書かれている「支配・統治」という端的な訳では表現されないこと(=「関係者一同が利益を享受できる形で自らを統治すること」)までを考え、構築することができて初めて、その企業における望ましいガバナンスということができる。
どうやらベネッセに学ぶ - ホールディングス体制の危うさ の筆者はコーポレートガバナンスの意味をGovernment型で理解しているようだ。それでは話が噛みあわないわけだ。例えばベルリッツの件。
やがて、同じようなことが「ベルリッツ」でも生じ始めた。また、有価証券報告書に、小規模ではあるが理由がよくわからない投資案件が散見されるようになり、その都度説明を求めたが、クリアにはならなかった。経営陣は白を切っているというよりは、本当に現場の状況を把握していないように思えた。
わざわざ事業会社と持ち株会社を切り離すホールディングス制、持ち株会社には複数の事業会社がぶら下がるわけだが、上にも書いたようにコーポレートガバナンスとは『古典的なGovernment型ではカバーできない範囲・深さの統治を考え、中央に権力を集中するのではなく、関係者一同が利益を享受できるような形で自らを統治する』である。正しくコーポレートガバナンスを理解していれば、事業会社には一定の裁量が認められることも理解できるはずだ。一方で持株会社は企業グループ全体のガバナンスとして事業を捉えているわけで、有報(有価証券報告書)に載るような大きい案件であっても、事業性や企業グループ全体のコントロールなどの観点でOKを出していても、詳細までを把握しているとは限らない。言い換えれば針の穴をつつくような質問には答えられない可能性が高い。
何か大問題であるかのように書いているが、ある程度組織が大きくなれば当然のことである。程度の問題であって、適切なガバナンスができていなければ、長期で見ればやはり業績悪化や問題発覚という形で表れるし、上場企業であれば市場での評価が下がる。
ベネッセに学ぶ - ホールディングス体制の危うさ の筆者は気付いていないかもしれないが、同様の事は親会社が事業会社であっても発生する。例えば上場していたような大きい子会社を上場廃止して完全子会社化すれば、大規模な投資などはやはり親会社の有報に書かれる。やはり針の穴をつつくような質問をすれば答えられない場合がある。で、ベネッセに学ぶ - ホールディングス体制の危うさ
の筆者の論理だと、ホールディングス制だから問題ということになる。ホールディングス制じゃないのに。
トラッキング・ストックなどで資金調達する場合以外は、子会社が直接金融をする機会は無くなるので(厳密にはトラッキング・ストックだって親会社名で行われる)、個々の事業会社は株式市場から直接見えない。
親会社の有報に書いてある子会社のことについて、「自分がした質問に答えられなかったからガバナンスできていない」という判断は個人の判断としてはありだが、客観性に欠けるので「法則」などと言わないのがまともな投資家・まともなビジネスマンである。
今回のベネッセのインシデントは、情報セキュリティの問題で、ある程度仕組みは整えていたが実運用体制では緩みや抜けがあったというもの。株式会社ベネッセホールディングスと株式会社ベネッセコーポレーションは別法人であるが、ホールディングス制だから緩んだ・抜けがあったと直接決めつけるだけの材料はない。
結局、ベネッセに学ぶ - ホールディングス体制の危うさ は「愚者は経験に学ぶ」という程度の話ではある。
それにしても「愚者」と打とうとすると「グ社」って変換するくされMS-IMEはどうにかならないのか?
ピコーン(AA略)あ、こういうときは某社のIMEにすればいいんだ(棒
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