今週のお題「私のブログ・ネット大賞2016」
DeNAのキュレーションサイトWELQの件とちょっと迷ったけど、やっぱり株式会社ピーシーデポコーポレーション(以下、PCデポ)の解約金商売、あれこれ法的におかしいサービス契約の件。ゴルスタの件は、もうみんな忘れたよね。
かつては2ちゃんが「味方にすると頼りないけど敵に回すと恐ろしい」と言われていたが、それがもっとネット全体に広がった感がある。
一部上場企業の株価に大きく影響が出た。出元はこちら。
当初、20万円の解約料を請求されたのは事実です。これが20万円の根拠のようです。フォロワーさんから教えていただきましたが、解約料に消費税はないみたいです。
— ケンヂ (@kenzysince1972) 2016年8月15日
何から何まで悪質です。#PCデポ pic.twitter.com/fbckpekraQ
そして大炎上を加速させたこの記事。この記事を推したい。
本件は、このブログでも何度かフォローした。まずは謝っていない謝罪文の段階はこちら。
続いて東洋経済のインタビュー記事で、社長が燃料投下した時点のエントリがこちら。
8月は10.5%減益という報道の時点がこちら。
9月は丸々一か月このトラブルだった初めての月。社長が東洋経済に燃料投下した時は強気だったのに、2Q決算月の9月は前年同月比23.4%減。
そして8月途中まで右肩上がりの業績だったはずなのに、2017年3月期第二四半期は減収増益だった。益はどっから来た疑惑はあるがそれは後ほど。2016年11月8日発表、2016年11月11日説明会の資料である。サイト掲載は2016年11月14日付けである。
2017年3月期2Qの場合、2016年7月~9月がその範囲だが、解約金騒ぎの発生が8月中旬。好業績の2Q前半と問題対応・販売自粛の2Q後半、2Q全体が悪かったわけではないので色々作文の余地がある。
でも通期予想は下げている。上のほうが霞んでいるグラフってww。おいおい、東洋経済のインタビュー記事の強気はどうしたw。問題ないんじゃなかったんかい。
でも、このグラフの後のページは、「これからも詐欺っぽい商売(プレミアムサービス)を続行するのでよろしく」である。
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で、その結果がこれだよ。
グラフの期間を6か月にするとよくわかるが、解約金騒ぎでドンと半値に下げたあと、半値を下回ってグダグダやったあと、ようやく半値ラインに乗ったぐらいな感じ。
で、減収減益の件。こちらのブログが端的に書いている。
収益だけ3年分まとめて計上しているため、実際にキャッシュが入ってこなくても利益が出ると言うことです
当然、費用は当年分しか計上してませんからw
これがどういうことかというと、粉飾じゃないのということになる。
いやこれ、売掛の長期(1年以上後に回収)・短期(1年以内回収)を区別してないうえに、貸倒をちゃんと処理してなくて不良債権がズンズン積み上がっていってないか…。どう見ても粉飾じゃん。PCデポまだこんなことやってんのか。
— ぺんかま (@penkama) 2016年12月23日
「まだこんなこと」って言うけど、これやめたら色んな方面から矢が飛んできて、死んじゃうレベルでしょ。ずっとこうやって数字を作ってきたんだから。
また燃料投下。もうPCデポという名前では商売できないんじゃないの? - いろいろやってみるにっきでも書いたが再掲する。
問題は、「端末代を3年かけてサポート代金として回収するモデル」である。社長本人の言なのでPCデポとしてはそう思っているんだと思う。実質的には割賦販売かリースの形態である。割賦販売だとすれば割賦販売法に従う必要があるし、リースなら個人なので消費者契約法、特定商取引法に従う必要がある。
割賦販売なら、本体代金を支払い終わった後は支払い中と金額が異なるはずである。リースなら契約期間満了時までと満了後では別契約である。社長の言う「端末代を3年かけてサポート代金として回収するモデル」であれば。
割賦販売なら支払い終了後は所有権が完全に購入者へ。リースなら再リースか残存分の販売ということになるだろう。再リース自動更新ならそれなりの手続きが必要。もし、3年以上契約期間が継続していて、金額も変わらず更新手続きも無いとなると、リーガル面ではグレーからブラックである。8月の解約が1%というのもここら辺に掛かっている可能性がある。もし怪しいサービス契約があったとしても慌てる必要が無い。本体代金を支払い終わったところで解約を仕掛け、無償で解約を勝ち取ればいい。
では、わかりやすく書かれているツイート群を貼って今回はおしまい。株価の基調を見れば、いつも通りのレピュテーション話は書くまでも無い。
#pcデポ の「サービス一体型契約」というのは、月額で役務を提供するサービスで、そのために必要な機器も提供しその商品代も月額に込み、という構成がしっくりくるの。であればリースじゃなく客から商品返却も成立。
— 魔女っ娘・ヨンセン (@buffett3649) 2016年12月23日
ただ・・それだと売上は毎月計上になるの。売掛で利益の事前計上は粉飾に。
だから #pcデポ は、粉飾か貸金業法違反か詐欺、どれかには該当になるはず。
— 魔女っ娘・ヨンセン (@buffett3649) 2016年12月23日
どれかの容疑を否定する理屈は全部成り立つけど、その理屈が両立しないの。
どれかOKなら別のがアウト
それぞれ当局が違うから、別々に説明してるのかしら?
金融庁と監視委員会と警察が協力したら逃げれないの
売掛の異常性判定は、売掛金が売上の何か月分か?で判定するの。
— 魔女っ娘・ヨンセン (@buffett3649) 2016年12月23日
それを、当該企業のビジネスモデルから「回収期間」を想定し、概ねその範囲内に収まっていればOK。単純に長い(売掛多い)から粉飾、ではないの。#pcデポ は小売で現金販売BtC、だからそもそも売掛あることが異常なの
#pcデポ の場合はどうなのかしら?
— 魔女っ娘・ヨンセン (@buffett3649) 2016年12月23日
「仮に」粉飾していた場合は、株価急騰と増資がセットで行われてるから、発覚した時のペナルティは極めて重いの。
粉飾していなかった場合は、貸金業法とか、商品の所有権に対しての客への説明とかで別の問題が懸念されるの
会計上棚卸資産を増やす技として、使用済み機器を「レンタル品で使いまわす」設定にすると、「事業に使っているもの」だから価値を計上できるの。
— 魔女っ娘・ヨンセン (@buffett3649) 2016年12月23日
新古品でも市場価値は皆無なケース多いけど、資産としてしまえば減価償却で引いた残りの価値は残るの。少額品なら前額OK?
例えば、#pcデポ が客から回収した古いipadも、次の客にPSの「サービス一体型」として貸す場合は、資産として計上されるの。現実にはそのipadを仕入れた金額が出費になるのだけど、資産に載るからPL上は差し引きゼロ。
— 魔女っ娘・ヨンセン (@buffett3649) 2016年12月23日
結果「原価無しで売上=粗利」が成立するの。
もちろん実際にアップルにお金払って仕入れてるから、キャッシュ上はマイナス。こうしてPLの利益は増えるけど、現実の営業CFは増えないというカラクリなの。
— 魔女っ娘・ヨンセン (@buffett3649) 2016年12月23日
ちなみに、これ「工夫しないと」粉飾でアウトだけど、上手くやると上層部は責任回避できて粉飾にならないの。デポに限らずよくある手法
最終的に辻褄が合えば粉飾にはならないから、しばらくは「会計上価値あるもの」と扱っておき、何処かで価値ゼロに処理するの。
— 魔女っ娘・ヨンセン (@buffett3649) 2016年12月23日
大抵は、営業部門や店舗などに押し付けて、現場担当者のマイナス成績にすることで辻褄合わせするの。よくある現場の尻拭い。
まあ本当はこれも粉飾なのだけどw
したっけしたっけ。