日産ノートe-POWERに記事に、スマートグリッドという単語が出てきたので色々考えてみた。
リーフはいわゆるスマートグリッド構想を前提としたクルマである。原子力発電は一度炉を稼働してしまえば、出力の大幅な調整が難しく、常時一定の発電をしてしまう。電力需要は昼間と夜間では差が大きく、昼間の電力ニーズに合わせて発電量を決めれば、夜間に電力が余る。そのために調整の難しい原発以外に、発電能力がコントロール可能な火力の一部や水力などをブレンドして夜間の発電量を調整できる体制がとられたのだが、これだけでは十分ではなかった。
(中略)
このスマートグリッド構想には、電気自動車が最適なのは言うまでもない。しかも劣化して使えなくなったバッテリーは、電力会社が買い取って電力プール用のバッテリーとして活用するという構想まででき上がっていた。電気自動車はバッテリーの劣化が始まると航続距離がてきめんに短くなってしまう。しかし、クルマの動力源として使うのには厳しい弱ったバッテリーでも、電力プール用ならまだまだ十分に使えるからだ。つまり電気自動車のバッテリーがインフラとして役立つだけでなく、使用済みバッテリーまでプール用に使えるという妙手だったのである。
こうした先進的なスマートグリッド構想の下にスタートしたリーフだったが、震災以降、原子力発電所の再稼働は政治的ハードルが高く、遅々として進んでいない。その結果、当初の予定にあった夜間電力の余剰が目論見より大分減ってしまっているのだ。
スマートグリッドの説明はこんな感じ。
スマートグリッド化を進めることによるメリットとしては、下記の4点が挙げられる。
昔こんなのを書いていた。
実際のところ戸建て比率はどうなんだろう。これは以前調べたんだった。
戸建てかどうかは第3表が該当する。戸建て比率は全国で54.1%。持ち家比率は第8表が該当する。持ち家比率は61.7%である。持ち家の集合住宅もあるので、細かく分離しないと正確な数字は出ないが、ざっくり計算すると、33.3%が持ち家の戸建てということになる。
普通のハイブリッドは、アクアやプリウスが月間販売数トップになるくらいなので、持ち家の戸建てじゃなくても買える。でもEVともなると持ち家の戸建てか、戸建てで大家さんにすぐに話ができ、充電設備を準備できる家庭じゃない買えない。PHEV(プラグインハイブリッド)にしても、自宅に充電設備を持たないと、高い金を払ってプラグインする意味がないし。
日本の場合、スマートグリッド化が進んでもEV化が進むのはもっと先のような気がする。EVを買いそうな層が住んでいる都会は、戸建ても持ち家も少ないんだもの。集合住宅でも充電設備を持つようになるまで、なかなかEV化は進まないのではないだろうか。
ノートの話なのに、ここまでリーフの話だった。池田直渡「週刊モータージャーナル」:日産ノート e-POWERの狙いはリーフの緊急救援 (2/3) - ITmedia ビジネスオンラインに進むと、e-POWERの話になる。EVっぽく書かれているが、以前書いた下記エントリの通り、分類的にはシリーズハイブリッドである。
2~3ページ目で、使用しているエンジンの特性について書いているが、わかりやすい。やっぱり発電専用エンジンのほうがいいよね。
まとまり無いけど、今回はここまで。
街を駆けるEV・PHV(電気自動車・プラグインハイブリッド自動車)-基礎知識と普及に向けたタウン構想-
- 作者: 日刊工業新聞社
- 出版社/メーカー: 日刊工業新聞社
- 発売日: 2014/09/26
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログを見る
電気自動車工学 - EV設計とシステムインテグレーションの基礎
- 作者: 廣田幸嗣,小笠原悟司,船渡寛人,三原輝儀,出口欣高,初田匡之
- 出版社/メーカー: 森北出版
- 発売日: 2010/12/17
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 7回
- この商品を含むブログを見る