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いろいろやってみるにっき

なんとか自分の会社を立ち上げるところまで漕ぎ着けた、てきとーに生きている奴の日記

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また燃料投下。もうPCデポという名前では商売できないんじゃないの?

Tech biz 言及した

危機感持ってないな、この社長。

いくつか引用する。まず最初のページ。

――騒動後、解約を希望する会員は増えていますか。

 契約内容の説明を進める中で、「聞いていなかった」とコース変更や解約を決めた会員は実際に存在します。しかし、その割合は40万人の会員のうち1%以下です。平時でも0.7%前後の解約は起きていて、8月の解約率は1%程度になる見通しです。

 この数字が正しいとして、話を進める。PCデポの場合、プレミアムサービスと呼ぶ月額会員制保守サービス型商品の伸びが業績の伸びを支えている。

個々のIR資料は直リンクできない(動的リンクのためURLを貼ってもエラーになる)ので、IR資料室のページのリンクである。この中に2016年05月25日付 2016年3月期 決算説明会資料がある。

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 物品販売はシュリンクしている中、サービスは前年比20%以上の伸びである。2014年3月期比で2015年3月期で21.4%、2015年3月期比で2016年3月期は25%の伸びである。しかも、2016年3月期は商品とソリューションサービスはほぼ同じになった。今回の件でどのようになるかはまだ読めないが、このまま行くと物品販売はこのままシュリンク傾向、ソリューションサービスがビジネスの柱となるであろうことは予測できる。そして売り上げは3期で見ると横ばいであるのに対し、利益は高い数字で推移している。

 

社長の発言で問題なのは、触れているのが解約率という点である。平常時0.7%で8月は1%程度ということであるが、前年比21~25%という契約の伸びに対しては発言が無い。普通に考えれば、今回の騒ぎでこの伸びを維持できるのかが問題である。

もう1点。解約料については述べていない。きっかけとなった件では、約20万円という提示に対して約10万円で妥結した。しかし「2016年8月25日 弊社プレミアムサービスの具体的な取り組みに関するご報告」によれば、75歳以上は無償にて解約を承るとある。これも直リンク除けされているのでトップページを貼っておく。

1.今後の弊社プレミアムサービスご契約のお客様への対応内容
1)お客様の使用状況にそぐわないプレミアムサービス及びその他関連サービス契約の加入者様に関しては、コースの変更及び契約の解除を無償(注1)で対応いたします。
2)70 歳以上のお客様が新規にご加入される際は、原則、ご家族様、もしくは第三者の方の確認をいただくとともに、ご加入後3カ月以内のコース変更及び契約の解除を無償(注1)で対応いたします。


なお、現在は 75 歳以上のお客様が新規にご加入される際、加入後1カ月以内のコース変更及び契約の解除を無償(注1)にて承っております。
3)75 歳以上のご加入者様に関しましては、ご加入期間に関係なくコース変更及び契約の解除を無償(注1)で対応いたします。


(注1):加入者様にご提供をしている商品につきましては、ご返却をお願いいたします。

解約率が0.3%多いよという程度の問題ではない。解約で発生するはずだった解約料は計画よりも少ない。そして棄損したブランドエクイティに対し、20%以上というソリューションサービス契約の伸びを維持できるのかが問題である。再び2016年05月25日付 2016年3月期 決算説明会資料から引用する。

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今期の計画では、ソリューションサービス売上高は前期比18%増。ここまでの話の流れで分かる通り、売上も利益もソリューションサービスの伸びがこの計画の根幹である。問題発覚してからの期間を含む、2017年3月期2Qの数字が出てから再度見通しを見てみる必要があるが、多分下方修正することになるだろう。

 

ダイヤモンドの記事の2ページ目から。

――高齢者をカモにしているというネガティブイメージがつきました。どう払拭していきますか。

 丁寧に説明をしていくことに尽きると感じています。8月17日に発表した対応策で、75歳以上の会員は解約料を無料にしました。

 わが社の会員のうち、75歳以上は全体の6.5%で、40台、50台のミドル・シニア層が中心です。今後、会員の契約内容について、結果的には使っていないサービスについては見直しを薦めることなどを通じて、信用を回復していくしかないでしょう。

75歳以上の契約構成比は6.5%ということだが、都道府県,年齢(5歳階級),男女別人口-総人口(平成26年10月1日現在)と比較すると、低い数字である。75歳以上は13%、さすがに85歳以上はほぼ無理だろうということでそこをカットしても9%。

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「2016年8月25日 弊社プレミアムサービスの具体的な取り組みに関するご報告」発表時に、75歳以上6.5%という数字は把握できていたはず。今後は、70歳以上の契約は本人だけでなく家族あるいは第三者の確認要としているが、無償解約の対象ではない。これなら業績への影響は少ないと踏んだのだろう。

社長の言葉にウソが無いという前提で考えれは、40歳台50歳台を合わせると26%。日本の人口の4分の1である。この層は今回のようなトラブルの情報は割合入手しやすい。解約や変更だって別に急いで駆け込む必要はない。8月の解約が1%だからといっても、これが上限とは考えにくい。

今回のきっかけとなった件について、息子さんのインタビューや交渉の様子をTVで見たが、やっぱりなんで焦って解約したんだろう感が否めない。交渉中の言葉の荒さも気になったけど。82歳の原契約者ということなので、その息子は上は60歳台から下で50歳台。嫌いな言葉ではあるが情弱っぽい。月に約1万5千円、当初提示された解約料は約20万円、妥結額が約10万円。割り算すれば急いで解約するより、時間を掛けてもっとよい条件を引き出すほうがお得であることが分かる。10万円で妥結せずに今回の騒ぎにすれば、無償解約の対象だった。当初の20万円なら13か月分以上、10万円でも6か月分。時間は使えた。事前にPCデポの店頭に赴いて「親父が来ても契約するな」と言っていたらしいので、そういう時間の使い方はできる人である。そういう時間が取れるのなら、成年後見制度を使っておくべきだった。

 

同じ2ページ目。

――第三者委員会に徹底的に調査してもらう考えはないのですか。

 今回の件は、社外取締役と社外監査役にも報告しながら対応しています。社外取という外部の目がありますので、そこで適切な指導をしていただけると考えています。

おいおい今までだって社外取締役を複数置いているじゃないか。今回の件を受けて社外取締役制度を取り入れたわけではない。中には弁護士もいる。なんでこんな大問題になっていると思っているんだろう。問題となったサービスは、リーガル面でもグダグダなんだけど。

社外取締役は細かい実務をするために存在するわけではないので、事実上本件であまり手を打つ気が無い、上っ面の対応で済ませると宣言しているに等しい。いやあ、すごいな(褒めてない)。

 

 3ページ目。

――売掛金の割合が増加しています。成長しているサービス事業にリスクはないのですか。

 サービス事業の売掛金の回収に関しては、過去も含めて焦げ付きは少ないです。われわれのサポートサービスは機器1台1台を技術者が設定し、顧客に渡すものなので、実際に使っている機器を突然返却して解約する会員が急増することは、さほど心配していません。騒動後に、実際に解約する会員が急増したわけでもありません。

売掛金の急増はここ2年のことで、一昨年以降、iPhone6や高額なタブレット端末を提供するサービスが増えたからです。端末代を3年かけてサポート代金として回収するモデルですので、あと1年経てば、売掛金と回収のバランスがとれてくる見込みです。

 カード払いなら焦げ付きは少ないだろう。PCデポにおけるクレジットカードについてのうわさが払拭できればだが。カード会社が取り立ててくれるし。オレならクレジットカードの月払い契約を他のカードに移して、そのカードにPCデポの月払いだけ残してカード解約して様子を見る。

 

問題は、「端末代を3年かけてサポート代金として回収するモデル」である。社長本人の言なのでPCデポとしてはそう思っているんだと思う。実質的には割賦販売かリースの形態である。割賦販売だとすれば割賦販売法に従う必要があるし、リースなら個人なので消費者契約法特定商取引法に従う必要がある。

割賦販売なら、本体代金を支払い終わった後は支払い中と金額が異なるはずである。リースなら契約期間満了時までと満了後では別契約である。社長の言う「端末代を3年かけてサポート代金として回収するモデル」であれば。

割賦販売なら支払い終了後は所有権が完全に購入者へ。リースなら再リースか残存分の販売ということになるだろう。再リース自動更新ならそれなりの手続きが必要。もし、3年以上契約期間が継続していて、金額も変わらず更新手続きも無いとなると、リーガル面ではグレーからブラックである。8月の解約が1%というのもここら辺に掛かっている可能性がある。もし怪しいサービス契約があったとしても慌てる必要が無い。本体代金を支払い終わったところで解約を仕掛け、無償で解約を勝ち取ればいい。

 

野島社長はこの時間軸を甘く見ているような気がする。 社外取締役、役に立っていないじゃないか。取締役会で指摘があってしかるべき。開催されていないかもだが。

 

3ページ目からもう一つ。

――騒動で株価が急落しています。株主へはどう説明していますか。

 株主からも、ビジネスモデルに関して、多くの問い合わせがありました。ビジネスモデルそのものが「いかがなものか」と問う声や、分かりやすさや体制などの課題について、指摘をいただいています。

 こうした声に対し、今後、高齢化社会が進み、パソコンを趣味とする高齢者が増えていくこともあるため、「ビジネスのニーズとアプローチに関しては自信がある」と回答しています。ただ、将来に向けて、現状のわが社のガバナンス体制やコンプライアンス体制のままでよいのかは、早急に検討すべきと考えています。

「早急に検討すべき」じゃなくて、この改善内容をインタビューで答えるべきだった。全然「早急」じゃない。雇われ社長ならともかく、創業社長なのに遅すぎる。

ネットで出ている噂についても、公式には8月25日の弊社プレミアムサービスの具体的な取り組みに関するご報告と、8月18日付の元従業員と名乗る者によるクレジットカード情報不正取得に関する一連の情報について | 【PC DEPOT】、8月27日付のWeb本店における中古品買い取り・販売に関するお知らせ | 【PC DEPOT】、8月31日付のWeb本店における中古品買い取り・販売再開に関するお知らせ | 【PC DEPOT】だけである。

 

棄損したブランドエクイティを回復させるだけの動きはまだ見せないPCデポ。このままPCデポという店舗名で商売を続けるのは、かなり難しいレベルに足を突っ込んでいると思う。ケーズの全株式売却もうなずける。ヤバい。

ブランド・エクイティ戦略―競争優位をつくりだす名前、シンボル、スローガン

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戦略的ブランド・マネジメント

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 インタビューの全体を通してみると、やっぱり燃料投下である。最初から最後まで謝ってない。