読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

いろいろやってみるにっき

なんとか自分の会社を立ち上げるところまで漕ぎ着けた、てきとーに生きている奴の日記

関連記事を探すときは、読んだ記事と同じカテゴリをクリックしてください。

記事のカテゴリは記事タイトル下に表示されています。カテゴリ一覧はサイドバーにあります。


値段が高い=ぼったくり としか認識できないと色々大変だろうな

Tech Network 言及した

安いMVNOには安い理由がある。

【初心者向け】格安SIMに乗り換えたから調べたこととか全部書いとく - 今日はヒトデ祭りだぞ!

「ぼったくってるからだよ!!!!」で閉じた。インフラビジネスなめんな。

2016/04/03 13:52

初心者向けなんだろうけど、誤字脱字はともかく誤認も多くて「うへえ」と思って読んでいたら、 「ぼったくってるからだよ!!!!」で力尽きた。ブログなんで文体は好きに書けばいいけど、文体の問題じゃなく内容そのものも雑。

 

まずMVNOがキャリアの提供価格よりも安いのは、まず第一に提供内容が異なるからである。以前書いたので引用する。

IIJmioの中の人がきちんと説明している。図がおかしいので指摘のエントリを書いたのだが。元記事はこちら。

そして修正した図がこちら。

http://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/s/shigeo-t/20150620/20150620042040.png

これだとMVNOが安い理由が分からない人には分からないと思うので、さらに書き足す。

f:id:shigeo-t:20160404031219p:plain

左上にキャリア=MNOからインターネットに抜けるルートを書いた。キャリア契約の人はこちらから抜ける。MVNOが遅い理由を説明するための図なので、帯域の数字と契約数はイメージ。実際の帯域や契約数では無い。

キャリアはインターネットへの接続は必要十分な帯域を確保している。一方、MVNOの場合には、MNO─MVNO間接続やMVNO─インターネット間はMVNOが費用負担するので、あまり大きな帯域を持ちたくない。契約者数の増加に応じて増やしていく形になるが、どうしても後追いになる。「契約者数が増えて設備投資が必要になったので、料金上げます」なんて言えるわけもないわけで。

 

もっと端的に言えば、詰め込んでいるから安い。キャリアとMVNOの現状の規模の差で言えば、契約数で平成27年度第1四半期調査で16倍弱の差である。

例えると、キャリアが用意しているのが2DK~3LDKで全16戸用意されているマンション1棟だとすれば、MVNOが用意しているのは1Kのアパート1戸分である。全世帯5人と仮定すると、雑魚寝が精一杯のMVNOは安くて当然である。

 

件のブログでいえば、”キャリアは儲けている、だからぼったくり”だそうだ。しかし、SIMだけ差し替えて回線利用料のみを払うMVNOとの契約と、端末費用+回線利用料のキャリア契約を単純に比較するのは乱暴すぎるのではないだろうか。

 

オレの例で言うと月額で比較すると、docomo契約のiPhone 6sは先月2,626円なのに、母親用のmineo契約は5,700円台。MVNOのほうが高い。カラクリは、iPhone 6sはMNP時に一括で払った。端末費用実質0円の割引が月額費用に乗っている(というか減算されている)ので安い。一方、mineoはMNP時に端末も購入して月額費用に乗っている。

 

また、”キャリアは儲けている、だからぼったくり”だそうだし賛同するブコメも付いてるけど、インフラ屋さんは先に設備を作って皆様の月額利用料でその投資を回収するビジネスモデル。利益を出して投資余力を持たないと生きていけない。直接金融・間接金融で資金調達するにしても、元となる売上・利益が無ければ資金調達の条件が悪くなる。そして携帯キャリアの場合、施設・設備の更新頻度が高い。

 

現在4G(第4世代移動通信システム:元々は3.9Gだったはずなんだがいつのまにか商売的に四捨五入された)である。東京オリンピック(開催できるのか?)の2020年には5Gのサービスも目標としているし、途中にもLTE-Advanced Evolution(仮称)も予定されている。

 

1Gに位置付けられるアナログ方式は1980年代から2000年くらいまで。1990年代半ばからは2GのPDCやEDGEやGSMなどで2012年まで。3Gは2001年からで現在も使用されている。3Gの廃棄は2020年目標だろう。3Gの廃棄が難しいことはかつて書いた。期間が被っているところも移動通信システムの特徴。端末が残っている限り、古い世代を勝手に廃棄できない。

携帯キャリアの設備投資の道は永遠に終わらないんだろうな。

 

上記エントリは携帯キャリアが通話定額に走った段階で書いたものだが、MVNOは通話定額が難しいのであまり多くない。

ちなみに、docomoが格安SIMを運営するMVNO事業者に卸す通話料金は30秒20円です。格安SIMの一般的な通話料金と同じですね。つまり、格安SIMを運営するMVNO事業者は通話料金では利益を一切あげていないということになります。

http://i0.wp.com/androidlover.net/wp-content/uploads/mvno-flat-rate-calling.png

 

こういう状況下であることを認識すれば、携帯キャリアの価格が高いと思ったらMVNOにMNPすればいい。それが一定数を越えてくれば携帯キャリアの経営にも影響が出てくる。現在は16倍弱の契約数差があるけど、もっと差が詰まればMNOとしてリセールできていても収益に影響が出る可能性が高まる。そうなれば、携帯キャリアの価格政策にも変化が出るだろう。最も影響が出るのはMNOになれない携帯キャリアなので、そこから何か出てくるかも。

 

一方、MVNOは一定の制約条件のもとに価格設定されているので、キャリア契約のままで使っているよりはなにか不都合があることもきちんと周知すべき。そこらへんをすっとばした書き物は批判されるべきだろう。不都合な部分を隠蔽するのは情報商材ビジネスの常道だとは思うけど。

 

現在VoLTEじゃないSIMフリー端末でMVNO契約の人って、携帯キャリアが3Gを廃棄する段階になったら端末買い替えが発生するけど、携帯キャリアの端末乗換優遇施策も無いし、どうなるんだろうな。まだ4年くらいはあるから、オレはその間にVoLTE端末にするけど。この件は『MNPで負けても構わない?ドコモが通話定額を強制する本当の理由【後編】 | BUZZAP!(バザップ!)』 について - いろいろやってみるにっきに詳しく書いている。

 

ぼったくりと思うのは勝手だけど、そういう薄っぺらい認識しかしない人って、なんか騙されやすそうだよな。

>