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なんとか自分の会社を立ち上げるところまで漕ぎ着けた、てきとーに生きている奴の日記

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『Why! なぜ日本人は住宅ローンに大金を払う? ドイツから見えた日本の家の異常さ』について

misc 言及した

 なぜ「Why?」とは思ったんだが。 スクリーンショットを貼っておくのは、ブックマークコメントにこのエントリのURLを貼るから。

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Why! なぜ日本人は住宅ローンに大金を払う?:日経ビジネスオンライン

なぜドイツからなのにWarumじゃなくWhy? 後で何か書く。

2016/02/22 07:55

 

ブコメに「何か書く」としたのは、ドイツ出羽守なのにドイツ語じゃなく英語を使っているからではない。

 

記事本文を読めば、住宅ローンの話ではなく住宅政策の話である。ドイツには行ったことが無いしドイツの住宅政策を調べたことも無いので、記事に対する反論では無く、「日本のWhy」日本の住宅政策を俯瞰した話を書く。

 

端的に言えば、日本では「建築物着工統計」は重要な経済指標のひとつである。

調査の目的

建築動態統計調査は次の統計調査からなっており、全国の建築物の動態を明らかにし、建築及び住宅に関する基礎資料を得ることを目的とする。

建築動態統計調査

①建築着工統計調査
・建築物着工統計
・住宅着工統計
・補正調査

②建築物滅失統計調査
・建築物除却統計
・建築物災害統計

○建築物着工統計
全国における建築物の着工状況(建築物の数、床面積の合計、工事費予定額)を建築主、構造、用途等に分類して把握する。

○住宅着工統計
着工建築物のうち、住宅の着工状況(戸数、床面積の合計)を構造、建て方、利用関係、資金等に分類して把握する。

○補正調査
建築物の竣工時に実際にかかった費用(工事実施額)を実地に調査し、着工時における工事費予定額との乖離を明らかにする。

○建築物除却統計
全国の建築物のうち老朽、増改築等により除却される建築物の状況(建築物の数、戸数、床面積の合計、建築物の評価額)を用途、構造等に分類して把握する。

○建築物災害統計
全国の建築物のうち火災、風水災、震災等により失われた建築物の状況(建築物の数、戸数、床面積の合計、建築物の損害見積額)を災害種別、用途、構造等に分類して把握する。

調査の対象

建築基準法15条第1項では、建築主が建築物を建築しようとする場合又は、建築物の除却の工事を施工する者が建築物を除却しようとする場合にはこれらの者は、それぞれその旨を都道府県知事に届け出なければならないと定めており、また同条第2項では、建築物が災害により滅失した場合には、市区町村長は都道府県知事にその旨の報告をしなければならないと定めている。(ただし、いずれの場合も10㎡以下の建築物は対象から除外されている。)建築動態統計は、これらの届出や報告をもとに都道府県の建築主事等が必要事項を調査票に転記作成して国土交通省に送付する方法により行われている。

 統計ページは下記。

  統計情報 - 国土交通省

 

重要な経済指標なので、統計数値が下がれば統計数値が上がるような施策を採る。住宅ローン減税などをはじめとして、太陽光発電エネファームなどあの手この手で補助金・減税・優遇制度などを整備し、住宅の購入&着工が促進されるような施策を打ってくる。

 

USでも住宅着工件数は重要な経済指標である。そのため、「サブプライムローン」のように、本来なら住宅ローンを組むような収入/資産が無い「サブプライム層」に対して無理矢理なローンを組ませてまで、住宅を売ったりしてきた。サブプライムローンについては以前に書いた。 

サブプライム問題の時に何が問題の根っこだったかについても軽く補足しておく。古い話なので忘れている人もいるだろうし。USはノンリコースローンなので払えなければ家の鍵を返せばいいわけだが、サブプライム問題の時はプライム層(ちゃんと金を返せる収入/資産がある層)だけでなく、サブプライム層(プライム層よりも収入/資産が少ない信用度の低い層)にもドンドン住宅を買わせてローンを組ませた。そのローンがサブプライムローンという名前。

 

貸出し側がサブプライムローンの原資を作り出すためにMBS(Mortgage-backed securities;不動産担保証券)という仕組みを使った。MBSサブプライムローンの債権を証券化したもの。住宅価格が上昇している間はMBSが高い格付けで高価格だったが、住宅価格の低下と返済率の低下などが連動して起き、MBSも暴落して銀行その他が大損。それで世界的な信用収縮信用不安という結果。

 

このような施策だけを見れば、住宅を買う人たちを助けているように見えるが、実際には新築住宅を買う人たちは”お財布”であり、住宅建築・販売などに関わる産業を支援するために動いていることが見えてくる。

日本のケースでいえば、住宅関連の産業のほとんどは日本国内で回る。輸入品を使う部分が無いわけではないが、基本的には内需なので経済施策としてはダイレクトに効くということになる。

 

日本の場合、地震・台風などの自然災害、高温多湿、木造が多いなど、"住宅が長期間もたない"ことが前提となる側面も大きいファクターではあるが、景気対策/経済施策であるという側面も非常に大きい。住宅関連産業がシュリンクしてもいいという、思い切ったかじ取りが無い限り大きな変化は無いだろう。もう一回書くけど、国の施策から見えてくるのは『新築住宅を買う人たちは住宅関連産業の”お財布”』である。

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<バックはランドマークタワー

 

オレの好みは中古でしっかりした躯体の建物に、リノベーションである。周辺環境や隣人などについても、分譲新築マンションや分譲建売のように住んでみなければ分からないというギャンブル性は低い。事前調査が可能である。

現在住んでいる賃貸ビル(建物の名称が■■ビルで元オフィスなの、低層だけど)もリノベーション物件である。

 

そんなわけで、中古物件を買おうとして調べたことがあったが、新築住宅・新築マンション購入とくらべるととても条件が悪い。記事本文P4中段に

中古住宅を正当に評価する制度は日本にない。日本でのエネルギー・パス導入を呼びかけている日本エネルギー機関代表の中谷哲郎氏は「評価されないから、省エネ目的の改修・補修という形で中古住宅に投資するインセンティブが働きにくい。建物の価値を評価せず、中古向けにお金を出し渋る金融機関のスタンスにも問題がある」と訴える。

とあるが、金融機関のスタンスはまさにその通りである。当時所属していた企業のグループ金融会社の住宅ローン担当者と会話した際、「同じローン金額なら新築ではこの条件なんですけどねえ」って言われた。もう全然違う。結局、物件を見るところまで気力が続かず購入を断念。やっぱり賃貸でいいやと思った。あの時ローンを組まなかったから、会社を早期退職できたというのはある。

 

新築住宅・新築マンションの建築~販売で潤う形態になっている住宅関連産業をどうするのか、土地・建物の資産についての考え方をどうするのか、きちんと議論し大きく転換しない限り現状と同じ状態が続くだろう。

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