「さらなる」という単語が嫌いである。ここ数年、そこ別の言い回しのほうが適切じゃないのというところまで「さらなる」が使われたりして、気になってしょうがない。NHKのニュースあたりでは使ってなかったと思うのだが、この頃は耳にすることが増えた気がする。統計を取っているわけじゃないので、気がするだけだが。こないだはタイヤのCMでも使われてて、コピーライターのくせに言葉に気を使わない奴もいるんだなと思ってしまった。
なぜ嫌いかというと、誤用だと思っているからである。 手っ取り早くGoo辞書で引いてみる。Goo辞書はデジタル大辞泉が出典と記されている。
まあ、皆さんが思っているような意味が書いてある。でもわざわざ《文語形容動詞「更 (さら) 」の連体形から》と書いてあるので、「さら」に飛んでみる。
あれあれ?これじゃ、連体形になっても「一層の」「ますますの」という意味にならないよねえ。「いまさらめいているさま」「わざとらしいさま」「いうまでもないさま」「もちろんだ」としか書いていない。
ということは、本来的には「さらなる」は「今となっては遅すぎる」とか、そういう意味になるはず。同一辞書内で単語の意味がつながらないのはおかしいでしょ、小学館さん。一応、「更に」も引いておく。
一応2が今の「さらなる」につながりそう。しかし副詞なので活用(五段活用とかの活用)は無いはず。どっから今の「さらなる」が生まれたんですかね?なんか気持ち悪いでしょ。
せっかく「一層」「ますます」という良い表現があるんだから、そっちを使ってほしい。