言われてみればそうなんだろうけど、これくらいの発電量減少は荒天でも起こりうると思っていたのでびっくり。
日食は、20日午前9時から正午にかけ、ポルトガルからフィンランドに至る欧州全土を横断する。午前中に日食が太陽を隠すまでの時間が快晴の場合、日食によって発電量が3400万キロワット(kW)急減する恐れがある。これは、中規模の従来型発電所80か所分の発電量に相当する。日食が始まるまでの空が快晴の場合、太陽光発電量の減少率は最大75%に達する可能性がある。
なるほど、快晴→日食で急変するのがヤバいわけね。火力にせよ原子力にせよ、発電量はコントロールしているわけで、通常急変はしない。
≪写真は2012/5/21の金環日食@横浜≫
日本時間2012年5月21日の金環日食は、金環日食だけなら東京で約5分、食の始まりから終わりまでは約3時間17分。ちょっと欠けているだけなら大雨で真っ暗な時よりも明るいと思うんだが、快晴時の皆既日食/金環日食のように快晴から一気に多くの地域が暗くなることは無い。
2012年5月21日の金環日食は、日食に入ってから曇っていてギリギリ見えた感じだからあまり変動は大きく無さそう。
変動しまくる発電の代表格である風力発電を見せてもらったことがあるんだが、NAS(ナトリウム硫黄)電池で発電量変動に対応していた。充電したり放電したりを細かく制御するの。発電した分を垂れ流しで売電しているわけではない。
NAS電池って300℃で動作する(外部電源は不要)しデカいので設置は大変だけど、発電量の変動リスクに対応することはできる。記事には書かれていないけど、欧米のメガソーラーってNAS電池とかみたいな仕組みは持たせていないのだろうか?
日食みたいにまれな大変動はともかく、自然エネルギーだけでは電力の安定供給が難しい。「自然エネルギーだから善」みたいな発想の人たちは、もう少し脳みそ使った方がいいんじゃないか?
自然エネルギーの可能性と限界?風力・太陽光発電の実力と現実解?
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某国首相も日本に「自然エネルギー使え」って言う前に、自分の国の電力状況を把握しておくべき。通常から自然エネルギー発電の平準化が図られていれば、来ることが分かっている日食でこんな騒ぎにならないだろう。
最も大きな影響を受ける可能性が高い国はドイツだ。同国では、太陽光による発電能力が4000万kWで、2014年の電力消費量の18%が太陽光発電で賄われた。