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軟禁されたことはあるか?「ITエンジニアのためのハイプレッシャー下での対応術」

2011年4月発刊のITエンジニアのためのハイプレッシャー下での対応術 が話題らしい。


現在Amazonには中古しか在庫が無い。 

ITエンジニアのためのハイプレッシャー下での対応術

ITエンジニアのためのハイプレッシャー下での対応術

 

ねとらぼから引用してみる。

「こちらの落ち度や瑕疵(かし)が原因で相手が激怒し、机をたたいたりするハイプレッシャーな状況ではSEもプロマネも弱いもので、頭が真っ白になってしまいます。そんなとき、黙ってしまったり、その場しのぎで無理難題に『分かりました』『何とかします』などと言ってしまったり、自分の立場を正当化するために『仕様がおかしいかもしれませんが仕様通りです』『現場がそう言っているので』『これは他社製品の問題でウチの責任ではありません』などの発言をしてしまったり、逆に『この原因はお客様側にあるかも知れません』と火に油を注いでしまったりするものです」――鳥山さん。

えー?。こっちに落ち度や瑕疵があるなら、相手が怒っているのは想定の範囲内じゃないのー?というかヒートアップさせるほうがアタマワルイ。

そういう時の<ごめんなさい>の方法はまた別途書くとして、ざっくり言えば

  1. きちんと謝意を示し相手に謝意を受け入れさせる
  2. 対策案を示す

の2点を愚直にやるしかない。大体、会社同士の付き合いなんだから、多く場合、顧客側の対応者は立場上怒っているだけ。立場上怒っているだけの人をマジギレさせるのは、コミュニケーション能力に問題がある。一定の割合で最初から「オレの面子がー(怒」という顧客側の対応者もいるけどね。何回か会話していれば、大体どっちかわかる。

 

今回書きたいのは、こっちに落ち度や瑕疵が無いのに軟禁された経験について。全2回。特定を避けたいので2社とも広い意味での金融機関ということで。

 

1つめは、金払いのいい(当時)某社。大会社である。ビッグなプロジェクトを受注できたのはいいが、エンドだけは決まっているのに顧客側の検討期間が長引き、こちらの実際の設計・構築が中々スタートできない。

こちらが催促しまくって顧客側の検討が3か月遅れでようやく形になった。それを我々が要件定義ということで書き物にし始めた頃に事件が。顧客側取りまとめに要件定義やスケジュールのドラフトを見せたところで軟禁された。

  「要件Aの実現レベルがこちらの想定よりも低い。こちらの言う通りに書け」

    ∫

  「要件Zの(以下同文)」

  「スケジュールは翌年8月初までにウチに引き渡しにしろ(9/末検収完了のため)」

こちらはできもしないことを書くわけにいかない。残された時間で実現可能な優先度の高い範囲を開発し、優先度を下げて溢れた部分は(こちらが想定する)問題ない方法でスケジュールをずらして実現するという提案内容であった。間に合わないのは3か月もオーバーした顧客側の問題であって、検収・売上を考えればこっちだって当初スケジュール通りにしたい。積み残しをするのは苦渋の決断ではある。

後工程を考えれば、顧客の言い分を飲んだら双方に不利益がある。死ぬほど働いてもできないものはできない。例えば6ヶ月トータル100人月だからと言って、1ヶ月に100人集めても半分も終わらないという話である。また、言う通りに書いてもいいのだが、できなければそれでGoを出す顧客側の取りまとめ者の失敗という事にもなる。 

失敗は「そこ」からはじまる

失敗は「そこ」からはじまる

 

 当初の60分予定を超えて「言うとおりに書け」「書きません」「書くと言わなければ帰さない」で5時間軟禁されたw。オレは昼過ぎと夕方、別の顧客先に予定があったんだよ。

最終的には、どんなに工数を積み上げても実現可能なスケジュールはここまでであるという説明と、直近の面子とプロジェクトの失敗時に潰れる面子、どちらが大きくてヤバいかの説明の合わせ技ということになった。結果を言えばこちらはほとんど書き換えをしなかった。

しかし朝一から軟禁状態になったので、昼飯は15時近くw。昼すぎの予定を一個飛ばすはめになった。軟禁状態で誰もトイレにも行けなかった。トイレ的にも焦った。そんな時間に昼飯食ってる場合かとお思いでしょうが、こちらのメンバーも6人くらいいたので、そのままそれぞれ次の予定に行くとミーティング時間が取れないため、遅い昼飯食いながら善後策の検討。

 

「言う通りにするまで部屋から出さない」って明確に言われるのは、灰皿飛ぶよりもハイプレッシャーだと思う。

 

もう一回についてはこちらも無謬では無かった。引き合いが来て、ヒアリングして提案したら、お前のところに仕事を出すと。複数社に引き合いを出していたのでコンペ状態。あんまり大きくないオーナー会社。この段階で急遽うちの役員から「そこはやめとけ、ヤバい」指令が。 

あなたを危機から救う一分間謝罪法

あなたを危機から救う一分間謝罪法

 

まだこちらも電話で受注の話を聞いただけで、受注しますとまでは言っていなかったので、受注辞退のために訪問。いきなり社長室に軟禁である。

  社長「おまえ、気に入った。お前のところに仕事出す。」

  オレ「済みません。受注できません。」

全力で受注拒否なのだが、受注しない本当の理由を説明すると角が立つw。「信用情報が~」とか、他社がその会社の案件をやった時に起こった事件とか、こちらが持っている情報を言えねえww。

失敗したのは女性の部下を連れて行ったこと。行くときは軟禁状態になるとは思っていなかった。明確にではないがコンペなのでウチに負けた他社もいるわけで、ウチが断っても受注したい会社はある。というかリプレース案件だったので、被リプレース社もそこそこ頑張っているのは知ってた。なので、オレが断ったら次に話が行くと思ってた。自分一人ならまあ殴られる覚悟くらいでいいし、男性の部下だったらせいぜい同じく殴られるくらいまでの覚悟でいい。しかし、女性の部下っていうのは心配事が多すぎる。なんとか無事に社長室から抜け出さなければならない。

結局はこの時は根競べに持ち込んだ。本当の事、言えないしな。4時間粘って無事解放。あの時はマジで焦った。やっぱりトイレ的にも焦った。

 

ということで、ITエンジニアのためのハイプレッシャー下での対応術が増刷されたら買ってみたい。レベル1~3を経た軟禁というのはレベル4なんだろうか、レベル5なんだろうか?

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