総務省さん見てますか?文部科学省さんは見てないかな?(挨拶)。
まさかまた佐賀県のICT授業の件を書くとは思ってなかった。今回は佐賀県立高校だけではなく佐賀市・武雄市の小学校も含まれる。切っ掛けはGunosyにお勧めされたコレ。いわゆる2chまとめサイト。
【悲報】タブレット導入した佐賀市「立ち上げ6分、不具合15分、授業は30分以下」バカすぎワロタwww : IT速報
内容は題名から推して知るべし。「>>2がいいこと言った」の逆パターン。ほとんど的外れコメントが並んでいるので、そういうまとめ方針なんだろう。2chまとめサイトの場合、一種のキュレーションなのでどういうコメントを使ってまとめるかで同じスレでも雰囲気が変わってくるわけだし。
iPadってネットワークがダメな環境でもダウンロードが快適にできるらしいにも書いたけど、「iPadなら問題ない教」すげえ。タブレットの種類が問題では無い事例で、こんなにiPadを推すのはもう宗教なんだろうな。iPad推しについて書くと同じことの繰り返しになるので、iPadってネットワークがダメな環境でもダウンロードが快適にできるらしいを参照頂きたい。
【悲報】タブレット導入した佐賀市「立ち上げ6分、不具合15分、授業は30分以下」バカすぎワロタwww : IT速報 のスレの元ネタは「端末はサクサクと」ICT授業の課題探る|佐賀新聞 電子版。2014年05月25日 20時54分の記事。記事の最後はこうなっている。
同協議会の桑崎剛会長は「タブレットは何でもできるだけに、かえってシンプルに使うことが難しい。無駄に使うことはなく、教師が必要な場面で有効に活用していくことが大切だ」と訴えた。
※後日、オピニオン面で詳しく報じます。
ということでそのすぐ下にある「類似している記事」欄の「端末はサクサクと」 ICT授業の課題探る|佐賀新聞 電子版がオピニオンなのかと思ってクリックしてみた。日付が05/26って書いてあるし。でも開いてみると同じ記事だった(´・ω・`)。しかし記事の最後はこうなっている。
同協議会の桑崎剛会長は「タブレットは何でもできるだけに、かえってシンプルに使うことが難しい。無駄に使うことはなく、教師が必要な場面で有効に活用していくことが大切だ」と訴えた。
簡単にいうと「※後日、オピニオン面で詳しく報じます。」が無くなっている。報じないのか、Webにはオピニオンは掲載しないのか、掲載しないことになったのかはよくわからない。佐賀新聞のサイト右上にある[記事検索]で「オピニオン」って入れて探すと3件しかヒットしない。ひとつは5/25のこの記事、もう一つは編集局長の「オピニオン面」説明記事。サイトメニューなど色々見たが、どうやら佐賀新聞サイトには佐賀新聞のオピニオンに繋がるリンクは無い。Googleで検索してみるとばってんがサイト / 佐賀新聞が佐賀新聞のオピニオンブログのようだ。オピニオンブログがオープン 佐賀ゆかりの執筆陣が多彩に提言佐賀新聞ニュース/The Saga Shimbun :サービスのご案内
でもばってんがサイト / 佐賀新聞を見ても新聞のオピニオン面っぽくないし、ICT授業の件を書いたエントリもないし、そもそも最新エントリが5/21なので5/25,5/26から見た「後日」に該当するエントリも無い。とりあえず<無い>ということが分かった。色々思うところはあるけどそれは後で。
あと関係ないけど、上記引用部分を読んで、のようなものが一瞬頭に浮かんだ。タブレットで殴打。確かに何でもできる(違う)。
さてここからが本題。「端末はサクサクと」 ICT授業の課題探る|佐賀新聞 電子版にある佐賀市の若楠小学校内田教諭の発言。
国の事業で4年生以上が全員タブレット端末を持っている若楠小(佐賀市)の内田明教諭は「端末の立ち上げに6分、教材配布の不具合で15分かかり、45分授業で学習時間が正味30分ないことはざらにある」と実情を報告。
おいおい。2013年3月12日の広告記事佐賀県佐賀市立若楠小学校|学校とICT|Sky株式会社のICT活用教育を支援するWebサイトでは、そんな問題提起されてないじゃないか。Sky株式会社の運営するサイトに掲載された広告記事なので、大人の事情があるのは分かるが、今年の「タブレット端末の利活用について考える研究会」で『45分授業で学習時間が正味30分ないことはざらにある』ってまずいだろ。
いくつか問題点を抽出できるが、国の事業なのにPDCAサイクルがまともに機能していないのが最大の問題。モデル事業の場合、当初からモデル事業内で確認したい項目は決まっているわけで、想定したモデルがきちんと利用できることはトップレベルの確認事項。授業時間の約3割が浪費されているのであれば、課題として上がっていなければいけない。2013年3月に取材を受けているという事は2012年度の話なので、ここらへんのフィードバックがあれば今年の佐賀県立高校の惨劇は避けられたのではないか。
【仮題】他のエンジニアがすぐに代替案出せる内容に対して「できません」「だめです」というのはエンジニアに向いてないと思うよやiPadってネットワークがダメな環境でもダウンロードが快適にできるらしい(棒の繰り返しになるが、タブレットが問題では無く、ネットワークやサーバなどのシステム側の問題。
細かく触れていないので分からないが、『端末の立ち上げに6分、教材配布の不具合で15分かかり』ということは起動した途端にWindows Updateなどのアップデート処理が走り始めるとか、教材提供するサーバやそのトラフィックが載るネットワークの処理能力不足とかそういう事象だろう。
例えば銀行の支店でTM(テラーマシン)がアップデート処理のせいで開店時間に間に合わないとか、スーパーでPOS端末やレジ端末がアップデート処理のせいで開店時間に間に合わないとか、これはもう事故扱い。納入ベンダは瑕疵担保責任を問われるレベル。アップデート処理が授業に掛からないようにすることは運用で簡単に避けられるし、処理能力不足は誰がコスト負担をするのか問題はありつつも、技術的には解決できる問題。
内田先生の発言がたまたまピックアップされて記事になっているので申し訳ないが、内田先生は広告記事佐賀県佐賀市立若楠小学校|学校とICT|Sky株式会社のICT活用教育を支援するWebサイトが世の中に公開されていることをもっと考えるべき。『端末の立ち上げに6分、教材配布の不具合で15分かかり』のようなことは2012年度の事業で起きていないはずは無いので、2014年に入ってからモデル事業の主幹ではないよその研究会でポロっと発言するような内容ではない。今まで問題点を実名でオフィシャル発言する機会を封じられていて、今回必死のリークということなら応援するべき話だが。
そういう意味では地元紙である佐賀新聞の
※後日、オピニオン面で詳しく報じます。
に期待したいところだが、上で調べたようにWeb版への掲載は無さそう。ストレートに言うと地方紙のこういう部分は問題だと思う。なんでWeb版に載せないの?紙の上ではその新聞のファンが多いであろう購買者相手だから好き勝手に書けるけど、Webに晒すと反論されるから?オピニオンw。
まともに使えない時があるというのは、モデル事業として実施した意味がある。想定したモデルに問題があるのか無いのか、実際に実施することで洗い出す目的であり、時間と金(と被験者の協力)を掛けてモデル事業をやっているわけで、問題があるならあるで情報が共有されるべきもの。今回同じ佐賀県の中で共有されていない(というか次の取組みが始まっている今年発言するのは遅い)のは県・市の側の問題。佐賀市の小学校の事業は国の事業であるとか、県と市では教育委員会といっても組織が違うとか色々言い訳は簡単に思いつくが、同じ県内だし同じ市内(佐賀市は県庁所在地)だろ。
授業でタブレットを活用すること自体は、他国を見れば先進事例でも何でもない。失敗の仕方がヘボい(簡単に回避できる・解決できる)のに、こんなのが先行事例になるのは後続への影響が大きすぎる。もう少しコントロールされるべき。これは本格的にヤバいパターンだよ。必要な時に情報が出てこない、共有されないというのは。佐賀をモデル事業の場所に選んじゃいけない級のヤバさ。
あと、佐賀には縁もゆかりも無くこういう件(他の取組みに悪影響を与える)が無ければ興味ないので、コメント欄に「○○を見ろ」って書かれても気が向かないと見ませんよ。以上。
あ、忘れてた。冒頭の挨拶、あれは前回(【仮題】他のエンジニアがすぐに代替案出せる内容に対して「できません」「だめです」というのはエンジニアに向いてないと思うよやiPadってネットワークがダメな環境でもダウンロードが快適にできるらしい(棒のどっちか。覚えてないw)に総務省からアクセスしたログが残ってたから。アクセスログ見ながら、教育だから文科省だと思ってたけど地方自治体の予算を統括するのは総務省だったなと思い出したので。