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なんとか自分の会社を立ち上げるところまで漕ぎ着けた、てきとーに生きている奴の日記

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原価厨の発言が鼻で笑われる理由を図解する

カレーは別腹(挨拶)。まだ食ってないけど。

 

そこらへんに湧いて出る原価厨。彼らがなぜ「原価ガー」なのかという心情は知りたくもないが、彼らの「原価ガー」が鼻で笑われる理由は分かるので図解する。鼻で笑うでムカつくなら失笑(誤用のほう)でもいい。誤用だからよくないけど。

あと、原価厨に近いところにコスパ厨がいるわけだが、ちょと違うので別エントリで。

 

原価厨の原価に対する考え方に大きな欠落があることは、IT土方でさえ損益を見る立場になれば簡単にわかる。小さい範囲の損益を見るってことはまあ親方ですな。最初は自分のユニット(小保方氏みた~い(棒))とか係とか班とかサブプロジェクトとか。損益を見るためには管理会計の初歩を学ぶわけだが、まず原価って何?というところから始まる。

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図にあるように製造原価を構成する要素は大きな分類としては「材料費」「労務費」「経費」の3つ。それぞれ直接・間接があるので中分類まで入れると6つある。原価厨が「原価」って呼んでいるものは、ほとんどの場合直接材料費。

たとえば某うどんチェーン店でかけうどんを食うと280円(税込)。原価厨は「家で食うと~」という話を始めるわけだが、大体計上されているのは「うどん」「つゆ」「ネギ」くらい。価格.comで最初にヒットする讃岐うどんの冷凍麺は(讃岐うどん 冷凍の通販・ネットショッピング - 価格.com)は10玉333円。ってことは1玉33円。うどんつゆ(うどん つゆの通販・ネットショッピング - 価格.com)はお求めやすいところだと8g×20袋で430円なので1食分21.5円。乾燥ネギを使うとすると微々たるものなので合計59円(税込)  みたいな計算。原価厨に言わせると「280円-59円で221円もボラれてる」になるわけだ。

ところが実際にはてきとーにカウントしても、自宅で冷凍うどんを茹でて仕上げる場合、下記のように掛かっていることがわかるはず。

  • 直接材料費 うどん、つゆ
  • 間接材料費 ネギ(本来直接材料費だが今回は微々たるものとして計算に入ってない)、水、燃料費等
  • 労務費   うどん製作にかかる人件費
  • 経費    間接材料費に計上した以外の水道光熱費など

実際にうどん店に行かないで思い付きで「原価ガー」ってやっているからかも知れないが、店を見るだけで原価厨の言う「原価」が足りな過ぎることがわかる。

店があるということは賃貸料(または建設費)が掛かっているわけだし、店員がいていろんなことをやっている。店には照明が点いているし、レジがあり電気仕掛けで動いていたりする。これを見て、…というかそういう店の店先で「冷凍うどんがxx円で~なので221円もボラれてる、暴利だ」って言い始める原価厨がいたら、付き合いをやめた方がいい。おまえは人件費0の人材なんだよなという確認は必要。他人が言っていることがたまたま聞こえてもムカつくけど、他人だったら仕方ない、バカは放っておくに限る。放っておかないでこういうエントリ書くのは、単にネタとして管理会計の初歩を書きたかったから。正直すまん。あと、トラックポイントキーボード+PowerPointだとこういう図が書けるという自慢w。

 

タイトルの話が終わってしまったw。

 

逆にうどん店を運営するつもりで見ると別の観点がある。まずは商品別(例えばかけうどんと釜玉うどんとぶっかけうどん、トッピングの天ぷら類…)に個々に価格が決められている。というか、決めないとお客さんはいくら払えば自分が食べたいうどんが食べられるのかが分からない。うどん店で<時価>というメニューは見たこと無い。そういう食べ物じゃないんで。

実際には、製品(商品)別の原価計算は下の図のようになる。

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材料費・労務費・経費がそれぞれ按分されて製品A,Bに掛かる。最初の図にあったように「直接」と付く分にはそれぞれ直接課金(直課って言ったりする)されるが、「間接」と付く費用についてはどのように賦課するのかが価格を決めるための大きな問題となる。例えばの例だが、うどんとトッピングなどのサイドメニューの販売比率が7:3だとすると、じゃあ「間接」の費用は7:3で賦課しよう……みたいな決め方もできる。

ここはまともに細かく突っ込んでいくと相当難しい(というかめんどくさい)話になる。というのも、冒頭からたとえに使っているうどんチェーン、店ごとに賃貸料は違うだろうし、客の入りに応じて材料費だけでなく労務費や経費も違ってくる。そうすると、店ごとに原価が違う。しかし、直営にせよフランチャイズにせよ価格統制しないとチェーンとしての統一感が希薄化するし、店ごとに価格が違うと客寄せに価格が使えなくなる。『△△は、うどん一杯280円』のような。

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そこでどうするか。当然、個々の店の損益はそれぞれきちんと出すのだが、価格は本部で統制して決める。そのときに間接費の賦課額や賦課率も本部で決めちゃう。そうすることで同じ商品は同じ価格にできる。その分、利益率いい店・悪い店が分かれる。例えば地代が高い店は良い利益率にするためには相当の回転率じゃなきゃいけないとか、そういう話になってくる。

 

また、結構多くの人が勘違いしているポイントとしては、価格は「原価+儲け」で決めているとは限らないということ。製品・商品によっては原価を割り込んだ価格もありうる。価格決め(プライシング)は経営そのものなので、まともに書くと長くなるが頑張って短めに書いてみる。

先月の例で言えば消費税8%化があったわけだが、バイトが集まらなくなった某牛丼チェーンは、3月に『税率上がるけど牛丼の値段を(税込で)下げる』って発表した。これを見た原価厨は「(税率Upで上がるはずの)原価を下げるために、下請けいじめするだろー」とか「中身減らすんじゃねーの?」とか騒いでいた。当時のツイートを掘り出すのが面倒なので証拠はないけど、オレは「原価をいじらなくても価格は下げられる」「価格を下げるって発表したのは単なる客寄せ」「というか牛丼本体価格しか今回発表してないからサイドメニューで調整するはず」って反論した。「原価ガー」の人には理解してもらえなかったが。

実際には4月寸前に全商品の価格を発表したわけだが、牛丼は先の発表通り安くなっているがサイドメニューを含めると相当な値上げ。便乗値上げって言えるレベルの値上げ。結局、牛丼本体を下げてサイドメニューを上げたのだが、サイドメニューを上げ過ぎたのでトータルの値上げインパクトが大きく客単価の低下や客離れを招いたのではないだろうか。残念ながらバイトが集まらないというインパクトが大きく、パワーアップ閉店中の店が多いのでその分のマイナスが目立っているが。開店している店は値下げ効果で消費税アップ前からの維持を狙ったはずなのに、牛丼3社既存店 4月売上高減少 - SankeiBiz(サンケイビズ)を見ると、値下げは効果なかったようだ。

話をもどす。バイトが集まらなくなった某牛丼チェーンについていえば、単純に「原価+儲け」で価格を出しているわけでは無く、牛丼についてはペネトレーション・プライシングをやってみたわけ。ペネトレーション・プライシングは市場シェアを獲得するために価格設定を下げる(原価割れ、原価ギリギリなど)価格決定方法。原価低減努力は別途しているかもしれないが直結しているわけじゃないという話。

 

原価厨は下の図を見て、せめて「製造直接費」くらいは全部リストアップしてから原価の話をしろっていう話。

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原価厨・コスパ厨が嫌いなCoCo壱でカレー食ってくる。ほなな。 

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