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てきとーに生きている奴の日記

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enchantMOON─2013夏 続マニュアル あるいはFAQサイトについて

実家の墓の掃除&草取りに行ったらまさかのミント攻撃。草を刈るとミントのいい香り。除草剤撒こうという案は却下されました知らんぞオレは(挨拶)。ミントはシソやドクダミと同じように繁殖力強いんでやばいよ。結局2時間近く掛かってフラフラw。

 

P21からは第3章「シールを使おう」。P22には「シールを使おう」って書いてあるけど、P02のContentsには「シールでカスタマイズ」って書いてある。どっちなんだよ。目次と本文が違うのってマニュアルじゃやっちゃいけないんだけど。

そしてP21のイラストから始まって章題があるP22、なんか絵が描いてあるP23、イラストのP24とここまで眺めてもなんだかわかんない。ここも典型的な、わかっている人が書いたわからない人には全然伝わらないドキュメント。ノリで作るのは構わないけど、用語について一般的ではない用法をするのであればその説明が必要。一般に無い用語であればその説明が必要。P21からP24まで”シール”,”MOONBlock”が出てくるけど、あまりの分からなさに気持ち悪くなった。ページ数割いているわりに情報が少ない。

ようやくP25でこの3章最初の節で「シールの操作、メニュー」。で、シールってなんだよ。ここでも明確な定義なし。P26はシールの操作の補足兼次の節への前振りイラスト。2章はイラスト→本文の順だったのに3章ではルール変わったのかよ。

 P27は「MOONBlockを使う」、P28は「ブロックの配置」、P29は「ブロックの編集」。ここは節が連続しているが、バンバン新しい用語が出てきて1つも用語説明(用語の定義)が無いまま、あれができるこれができるという説明だけが羅列されている。リファレンスとしては役に立たない。この章がenchantMOONのキモだろ。プログラミングできる機械として売っているわけで。

プログラミングできる機械としては、リファレンスが必要。用語がきちんと説明されるから、次に見たときにはその用語に対する説明は不要で情報としてショートカットされる。与えるべき情報は段階的に詳細化されるべきだし、与えるべき情報のレベル感を合わせるべき。やけに詳しい情報とやけに大雑把な情報が混在していると、受け手は理解に時間が掛かる。このUsers Guideはそういう観点で「分からない人」にレビューさせたんだろうか。今回enchantMOONを買う人間は、この手の機器は他に複数操作経験があり、プログラミングが分かるというターゲットであるはず。オレもそこに当てはまるわけだが、ぱっとこのマニュアルを見てもあまりの分からなさに気持ちが悪い。分からないのはオレに問題があってカッコワルイことなのかも知れないが、分からないものは分からない。そのプリミティブな問題は、イラストを使ったことではなく情報デザイン、enchantMOONそのもののUX(ユーザエクスペリエンス)設計の複合的な物であると考える。

P30,P31はこの章の補足イラストだが、P31で3章が終わるにも関わらずP30に”台張(本文ママ)を長押しで呼び出しができる”という情報が始めて出てくる。本来P25~P29に台帳と長押しが書かれていなければならない。

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 P32からは第4章「Good-bye and Hellow,World!」。ここに来て補足イラストP33→節の順番に戻っている。と思ったらP34は「USB接続とデータ、バックアップ」、P35「初期化」と来てP36-38は章の補足イラスト、P39に節扱いではなく「”enchant”コマンド一覧!」。エクスクラメーションマークを付けたのはどういう意味なんだろう。じゃなかったイラストと同じ手書きではなく活字で節題を書くべきじゃないのか?目次のほうには書いてあるわけだし。前にも書いたが、イレギュラーを多用してよいのは芸術作品であって、マニュアルでイレギュラーを多用するのは理解を阻害する要因。

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 P40-P41は「エピローグ」。P42は「アップデート」。いずれも目次には無い。P43にはTo be continued…?というイラスト。P40-P41,P43には特に情報は無い。それはいいとしてここは第4章の中なんだろうか。きちんとしたドキュメントだと区切りを良くするためにあえて「このページは空白」というページを作ることもあるわけで。しかし、P42「アップデート」は目次には必要じゃないのか?この冊子は小説のように前から順番に読むことを想定しているのか?

目次に重要な項目が書かれていない、索引が無い、htmlあるいはPDFで検索性が紙の冊子よりも優れたものが無い、という難行・苦行を強いるというのはenchantMOONそのものの出来だけではなく、製品トータルの出来として問題である。

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最後の見開きであるP44-P45「enchantMOON製品情報および保証書」である。P44には「無料保証規定」、P45には製品情報が書かれている。で、ここの問題は、下記の通り。リーガル面で苦労しそうな感じ。弁護士とかにリーガルチェックしてもらったんだろうか?一般のコンシューマ向けのハードウェア製品を製造・販売しているメーカーでは、内部の法務部門だけでなく、保証書系のリーガルチェック・内容チェックを得意とする弁護士を押さえていてダブルチェックする。

  1. どこからどこまでが保証書なのか分からない
  2. どこの誰に保証するのかを購入時のレシート及び送付状とこの冊子に依存
  3. 有償での保証規定は?無償保証期間(本体1年、ペン・ACアダプタ・USBケーブル6ヶ月)経過後は有償となるはずだが規定は?落下など「正常な使用状態」から逸脱した場合は有償でも修理しないの?
  4. PL法については書いてあるように見えない。たとえばenchantMOONのハンドル部分に手をはさんで怪我をするとか、想定していない?

 

というわけで、まさかUsers Guideを全ページ見るはめになるとは、製品を受け取るまでは考えてもいなかった事態。別にこの冊子がベストの状態であることを期待していたわけではないが、UEIという企業のこれまでの実績からは大きく期待を裏切っている。オレよりも前に製品を手にした人たちのレビューは辛口が多かったんで、できれば期待を含めて持ち上げたレビューをしたかったんだが。

 

まずは、Webサイトにリファレンスとして十分に耐えうるマニュアルを準備して欲しい。今のUsers Guideでは、enchantMOONそのもののバリュープロポジションを毀損している。言い換えると今のUsers Guideでは、enchantMOONにバリュープロポジションがあるとすれば、ほぼ伝わらないドキュメントになっている。

もちろん、ある程度以上の情報量を持つものは有償でも構わないわけだが、enchantMOONをどういうビジネスにするのかという部分をデザインすると、「enchantMOONという思想」を買ってもらうことになるはず。今のままではキャズムは越えない。一発ハードウェアを売ってみました~で終わって欲しくないので、キャズムを超えるためにはという観点で見直して欲しい。

 

また、現状のFAQではリファレンスとしては情報不足である。さらに問題がある。FAQ記載部分をPHPで動くWikiにしているのは構わないが、導線がヘタクソで分かりにくい。実際に順番にページを見て頂くとイラっとすると思う。せめて文字を大きくする場所を工夫しろw

  1. http://enchantmoon.com/ のページ上部にFAQのリンクがあるのでクリックする
  2. http://enchantmoon.com/faq/というページに移動するがFAQと大きい文字があるけどFAQと言える情報が無い
  3. 上のURLで「製品仕様に関するお問い合わせ、技術的なお問い合わせはこちらから」のこちらをクリックしてようやくFAQが書いてある http://faq.enchantmoon.com/ に飛ぶ

UEI社本体のサイトとは別にマイクロサイトとしてhttp://enchantmoon.com/を用意しているのはいい。FAQがさらに別サイトになっているのも構わない。情報を随時追加するのであればWiki使いたいしな。しかし、http://enchantmoon.com/faq/ がスプラッシュページになっててFAQが無い&FAQ Wikiへのリンクが「製品仕様に関するお問い合わせ、技術的なお問い合わせはこちらから」でこちら部分がFAQだと分かるのは作ったヤツだけ。クリックしてみないと分かんない。

具体的に言うと「お問い合わせ」などという日本語を使うと、問い合わせフォームやメールアドレスや電話番号書いてあるだけであることをイメージさせる。FAQである旨を明記(どうしてもお問い合わせと書きたいならFAQ記載と併記)する必要がある。オレならhttp://enchantmoon.com/faq/は作らず、

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enchantmoon-order(あっと)uei.co.jp
までご連絡をお願い致します。

 の部分もhttp://faq.enchantmoon.com/にセクション立てて書いちゃうけどな。

 

というわけで、本体の操作に入る前にこんなに書いちゃった。

プロダクトを作ると時間はいくらあっても足りないと思うし、全部自分で失敗してみるわけにもいかないし、やはり本読んだほうがいいと思うよ、他人の苦労をショートカットして取り込めるわけで。

 

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